右ひじを軽く曲げることで、ゆるやかな軌道で振ることができる
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。僕たちアマチュアって、そうそうパーオンするわけではないので、スコアを作るうえではアプローチが重要になってきます。しかもフルショットできない中途半端な距離が残るので難しいんですよね。そのくらいの距離ってなかなか合わないんですよ。週刊ゴルフダイジェスト4/22号のアマチュアの悩みを解決するGOLF GYMという連載で「40~60ヤードの距離感が合いません」というお悩みがありました。いったいどうやってこのお悩みを解決しているのでしょうか。

読者の悩みをプロがマンツーマンで解決する企画「GOLF GYM」は週刊ゴルフダイジェストで連載中
相談者の悩みは、ポンと上げて止まる球を打ちたいと思っているけど、トップのミスが多いということでした。その理由はテークバックサイドで手首やひじを使いすぎていて、小さいアークでヘッドを動かしていること。また、テークバックで右ひじのゆるみが早いためにリストコックが大きくなり、そのまま「飛ばさない」ようにするにはスウィングをゆっくりにする必要があるわけです。そのためインパクト時点での打点やヘッドスピードが安定しづらくなるのだとか。

手首やひじを使い小さいアークでヘッドを動かすとインパクトでの打点やヘッドスピードが安定しなくなる
解決方法としては、まず右ひじは軽く伸ばしたままテークバックするイメージ。そのことで手が遠くに上がってアークが大きくなり、インパクトゾーンの軌道がゆるやかになります。その感覚は右手1本でゆっくりクラブを振ることで感じられるそうです。右手1本で振っても手首やひじを曲げて使ってしまうと、ヘッドがドンッと落ちてしまいます。

右手1本で右ひじを軽く伸ばしたままテークバックするとスウィングアークが大きくなる
やってみましたが、確かに右ひじを伸ばし気味のまま右手だけでスウィングすると入射角がゆるやかになりますね。インパクトゾーンが長くなるというか。ここで大事なことは「等速」で振ることらしいので、それを意識しながら振ります。連続素振りをしていると、だんだん感覚がわかってきます。ゆっくり振っていても自然なリリースが感じられるんですね。
やっていて思ったのは、右ひじは「軽く」伸ばすというのがいいですね。右ひじを無理やり伸ばそうとすると、右手に力が入ってしまいスムーズなスウィングができません。自然なリリースもできなくなります。

(左)右ひじが早く曲がってしまってはダメ(右)右ひじを伸ばそうとして力が入ってしまってもダメ
さらにこの右手スウィングの途中で、クラブの動きを邪魔しないようにそっと左手を添えるようにすると、両手で振る時の感覚もわかるということです。
実際にボールを打つ時のポイントはテークバックで右ひじを曲げないようにして、なるべく遠くに上げること。そしてその後は距離に応じてひじが少しゆるんでもいいそうです。
そしてボールの先の地面をソールで削るようなイメージで振ると、最下点が左にずれます。そうなると右ひじは伸ばす必要があるので、フォローで自然に右ひじの張りが出るし、クリーンなコンタクトが可能になるんです。
実際にやってみると……
その感覚でボールを打ってみましたが、右ひじを伸ばしたまま遠くにクラブを上げることでアークが大きくなりゆるやかな入射角になりますね。ボールの先の地面を削るイメージというのも、コンタクトがクリーンになるのでとてもいいです。そしてとても大事だなと思ったのが「等速」ということ。切り返しが早くなってしまってもダメだし、スウィング中にヘッドスピードが遅くなるとゆるんでしまいます。同じスピードで振ることでインパクトも安定するので、振り幅による距離の打ち分けもしやすくなります。

右ひじを伸ばしたまま遠くにクラブを上げてボールを打ちましたが、等速で振るということがとても大事だと思いました
40ヤードを打ってみると、さすがにひじを伸ばしたままでは距離が出ないので、少しコックが入ります。でも、なるべく大きなアークをイメージしてテークバックするようにしてみると、インパクトは今までよりも安定している感覚が少しありました。
次に60ヤードですが、やはりなるべく大きなアークで振ることを意識して打ちました。インパクト以降も手首をこねたりすることなく、右ひじを伸ばしていくことで方向性も良くなるような気がします。40ヤードの時もそうでしたが、ボールの先を削るイメージというのは、ボールへのコンタクトが良くなるのでいいですね。
今回のドリルをやってみることで、やはり中途半端な距離を打つアプローチでは、いかに「飛ばない」振り方ができるかというのが大事なんだなと思いました。手首やひじを曲げて使いすぎると、自分が思った以上に飛んでしまったり、安定感がなくなってしまうんですね。
短めで中途半端な距離のアプローチの距離感に悩んでいる人はぜひ一度試してみてください。