
トランプ関税はゴルフ界にも影響が!?(PHOTO/Getty Images)
中国34%、ベトナム46%、台湾32%、日本24%、タイ36%、韓国25%。これが9日に発動する追加の関税率だ(一部の国は90日間停止)。特に中国に関しては既に20%の関税がかけられており、計54%の追加関税がかけられることになる(さらに50%追加の意向)。それによりゴルフ界にも影響が及びそうだとフォーブス誌をはじめアメリカのゴルフメディアは語っている。
特にゴルフクラブに関しては、大半のヘッドが中国で作られており、それをアメリカや日本のメーカーが、自国で組み立てるという状況だ。これに関税がかかれば、当然クラブは値上がりすることになる。
Fu-sheng(復盛工業)、Advanced(明安国際)、Dynamicの3社は、世界のクラブヘッドの75%〜80%を製造していると伝えられている。例えば、台湾のFu-shengでは、世界のクラブヘッドの25%を生産しており、ウッドに関しては30%にも上るとフォーブス誌が伝えている。同社は台湾、ベトナムでも生産しているが、メイン工場は、他の2社も同様に中国だ。
シャフトに関しては、中国工場のシェアはヘッドほど大きくないが、キャロウェイ、テーラーメイド、タイトリストなどは、こうした部品を輸入して、アメリカで組み立てて、アメリカ製として販売している。中国からの仕入れ価格が30%以上も値上がりすれば、利益率を考えたとき、当然それ以上の販売価格となるはず。
確かに一部、日本仕様として日本で組み立てられるクラブもあるが、アメリカでの販売価格と大きな差が出るとは考えづらい。ただ日本のメーカーからすれば報復関税を実施するヨーロッパなどへのビジネスチャンスが広がったと言えるのかもしれない……。
今回のトランプ関税、ゴルフ界だけでもこれだけの影響があるのだから、世界経済への影響は計り知れない。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年4月29日号「バック9」より