レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「簡単アプローチ②」を解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本51】
画像: マスターズでグランドスラムを達成したローリー・マキロイの8時~4時のアプローチも振り幅が左右対称

マスターズでグランドスラムを達成したローリー・マキロイの8時~4時のアプローチも振り幅が左右対称

腕を伸ばしたまま打つアプローチは左足体重に構える

画像: 腕を伸ばしたまま打つアプローチは左足体重に構え、振り幅を左右対称にすればインパクトの再現性が高くなる

腕を伸ばしたまま打つアプローチは左足体重に構え、振り幅を左右対称にすればインパクトの再現性が高くなる

GD 前回は「腕を伸ばしたままストロークするアプローチ」を教えていただきました。アプローチが苦手な人にこの打ち方についてもう少し詳しく教えてほしいという声があったので、もう少し詳しく聞かせてください。

原田 7時~5時、8時~4時の振り幅のときは基本的に体重移動、体の回転は入りません。腕を伸ばして振るときは方向性を重視するからです。スタンスは狭くしてオープンにします。体重移動はいらないので、最初から体重は左足にかけておきます。

GD オープンスタンスはどのくらいが適当ですか? あとスタンスをオープンにしたら体の向きもオープンにしたほうがいいですか?

画像: 8時~4時のスタンスは15~20度程度オープン

8時~4時のスタンスは15~20度程度オープン

原田 スタンスはターゲットに対して15~20度が適正です。体の向きについてはね、体の腰、胸、は少しターゲット方向を向きます。でも、両肩のラインはスクエアにします。

GD 腕を伸ばすアプローチを試してみたのですが、安定しませんでした。見ていただいてもいいですか?

原田 たしかに腕は伸びています。でも振り幅が左右対称になっていません。7時~5時も8時~4時も時計の6時、ボールを中心に左右対称に振りたいのですが、9時~5時になっています。何球か見ましたが逆もありますね。テークバックが7時のときにフォローで3時まで振ってしまっています。腕は伸びていても、体から両腕が離れてます。

GD イメージクロックで3時はわきを締めて腕をたたまなければいけないんですよね。それと同じですね。

原田 そうです。4時までは腕は伸ばしていいですが、3時は腕を曲げる。腕を伸ばしたままのアプローチではフォローは4時まで8時~4時までの振り幅です。

8時~4時は腕を伸ばしたまま、9時~3時は腕をたたむ

画像: 8時~4時は腕を伸ばしたまま、9時~3時(写真)は腕をたたむ

8時~4時は腕を伸ばしたまま、9時~3時(写真)は腕をたたむ

GD 8時~4時の振り幅と9時~3時の振り幅では打ち方が変わるのに、テークバックもフォローもごっちゃになって振っているから、体の動きがおかしくなってしまうんですね。

原田 7時~5時の距離より少し距離を出したい8時~4時のときにテークバックが大きくなって、7時~5時の短い距離を打ちたいときはテークバックが小さくなる。テークバックが大きいときはインパクトで緩んでしまい、小さい振り幅では動きが小さくて不安になるからどうしてもフォローが大きくなってしまう。どちらの動きも大きなミスにつながり、アプローチを難しくしている要因です。アプローチが苦手な人は左右対称に振れないわけです。

GD やっているつもりでも左右対称に振れてないんですね。

8時~4時までのアプローチは振り幅を左右対称にするのがポイント

画像: 8時~4時までのアプローチは振り幅を左右対称にするのがポイント

8時~4時までのアプローチは振り幅を左右対称にするのがポイント

原田 持っているウェッジをパターだと思って、左右対称で振ってみてください。

GD それならできます。

原田 同じ動きです。パターのように腕だけで左右対称を作ればいいんですよ。

GD ひとつ疑問なんですが、振り幅の大きさによって、力加減は変えますか? たとえば7時~5時より8時~4時のほうがちょっと強めに打つとか? 8時~4時でも力加減を変えることがありますか?

原田 力加減は変えないでください。振りが大きくなれば自然とヘッドにスピードがつきます。

GD 練習してみます。では、体重移動と体の回転が入ってくる9時~3時以降の「腕を曲げて振るアプローチ」を教えてください。

原田 9時~3時になると手の向きや腕の形が変わってくるから、スタンスは少しだけ広くしてスクエアにします。体重移動、体の回転は体幹ターンを使っていきます。これがイメージクロックを使った短い距離の打ち方、アプローチの打ち方になります。基本的には同じです。

GD ハーフスウィングの基本ですよね。この連載で教えてもらった基本の9時~3時ですが、まだ安定ません。9時~3時の動きを見てください。

9時~3時のアプローチはハーフスウィングでマスターしよう

画像: 8時までは腕を右腕を伸ばし、9時から右腕を曲げる

8時までは腕を右腕を伸ばし、9時から右腕を曲げる

原田 9時で腕を曲げてはいますが、右ひじが体から大きく離れていますよ。9時は右わきを締めた手に左手がついてくるだけですが、テークバックを大きくしようとしたいからか、右わきが空いて、体から右ひじが遠い位置にあります。これがアプローチを難しくしている要因です。3時も同じ。8時~4時のアプローチで腕を伸ばしたまま9時まで腕を伸ばして振っていましたが、9時も腕を曲げて左ひじが体から離れないように振る。9時~3時の振り幅で腕を伸ばしたままにしない。テークバックの9時もフォローの3時もどちらも腕を曲げる。ひじをたたむ。これが9時~3時の腕を曲げて打つアプローチです。ハーフスウィングの9時~3時が上手くいかないのは、腕を曲げる、ひじをたたむ、わきを締める、この3つのポイントを理解していないからです。

画像: 9時~3時はテークバックの9時で右腕をたたみ右わきを締め、3時のフォローでは左腕をたたみ左わきを締める

9時~3時はテークバックの9時で右腕をたたみ右わきを締め、3時のフォローでは左腕をたたみ左わきを締める

GD ただ、アプローチの9時~3時を理解したら、アイアンのハーフスウィングがちょっとできそうな気がしてきました。アイアンで9時~3時打ってみます。

原田 それでいいです。 わきが締まって、腕のたたみもいい感じですよ。

GD そうか、体から手とひじが離れ過ぎていたんですね。近い感覚で振ったら今までよりボールが上がります。

原田 では、ボールを上げる9時~3時のアプローチは、8時~4時より実戦的なので、コースに行ったときに詳しく説明しましょう。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/ ENゴルフレンジ

腕を伸ばしたままストロークするアプローチ

アプローチが上手くなる「イメージクロック」

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