レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「手と腕のポジション」を解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本㊻】
画像: スウィングを時計に見立てて、トップの右手の位置、フィニッシュの左手の位置を覚える

スウィングを時計に見立てて、トップの右手の位置、フィニッシュの左手の位置を覚える

スウィングの大きさを時計でイメージする「イメージクロック」

画像: 「イメージクロック」は両手のひらを合わせて、6時からスタート

「イメージクロック」は両手のひらを合わせて、6時からスタート

原田 前回まで「タイミングドリル」などいくつかのドリルに取り組んでもらいました。フルスウィングのドリルをしましたが、スウィング作りに十分ではありません。ハーフスウィングで説明した「イメージクロック」でフルスウィングの完成を目指していきましょう。

GD たしかにハーフスウィングのイメージクロックは学びました。「クラブを上げていくときのイメージの仕方」(連載19回目)についてでした。

原田 そうでしたね。詳しい説明はクラブの動きが体の右腰の高さから左腰の高さまでの9時~3時まで(ハーフスウィング)で終わっていました。今回は、それよりも大きな動きとなるスリークォータースウィング、フルスウィングを含めた「イメージクロック」の重要性を説明していこうと思います。

GD イメージクロックは時計の文字盤を意識する考え方だったと思います。スウィングの大きさをイメージするだけではないんですか?

原田 イメージクロックはね、体の動きに伴った「手、腕、クラブ」のポジションを理解することで、初心者の人は正しいスウィングを作っていくことができます。

GD 時計の針を腕に見立てて、腕が時間を指すイメージですね。

腕はどこまで伸ばしてる?

画像: 6時から8時〜4時までは、両手は地面を指し、両腕は伸びたままだ

6時から8時〜4時までは、両手は地面を指し、両腕は伸びたままだ

原田 まずクラブを持たないで、手と腕のポジションを時計に合わせて、動かしていきますね。一緒にやりましょうか。両手を合わせて6時からスタートします。

GD スタンスは肩幅くらいですね。前傾して手を合わせればいいですね。

原田 左手を5時、右手を7時、8時~4時、9時~3時、10時~2時、11時~1時と、体は正面を向いたまま両手を同時に上げていきましょう。

GD 両手は時計のように、円をイメージして腕を伸ばして上げていくわけではないんですね。

原田 そうです。手と腕のポジションはスウィングと連動します。だから8時~4時では腕は伸びたままですが、9時~3時から両わきを締めて、ひじは曲げていきます。

手の向きとひじを曲げるタイミングをチェック

画像: 9時~3時から両手が正面を向き始め、ひじを曲げてわきを締めながら、トップとフィニッシュの11時~1時まで手を上げていく

9時~3時から両手が正面を向き始め、ひじを曲げてわきを締めながら、トップとフィニッシュの11時~1時まで手を上げていく

GD わきを締めろ、フォローではひじをたたんで腕を伸ばさない、原田プロから酸っぱく言われてきた動きを、イメージクロックで体現するわけですね。単にスウィングアークとか、ハーフスウィングやフルスウィングの、スウィングの大きさをイメージすることだと勝手に思っていました。

原田 手と腕のポジションもスウィングと同じポジションになりますし、手の向きもそう。9時~3時ではわきを締めてひじを曲げるだけでなく、手のひらが正面を向いているでしょう。

GD たしかに。8時~4時で腕は指先まで真っすぐ伸びて、手のひらは互いの手を向いたままですね。

原田 イメージクロックは、手のポジションと手の向きまで理解できるようになります。だからイメージクロックは初心者にとっても大切なことですが、経験者の人はスウィングを矯正していくことができるという効果があります。

ひじを曲げると同時にわきを締める

画像: ひじを曲げると同時にわきを締める

ひじを曲げると同時にわきを締める

GD 手と腕のポジションとイメージクロックのつながりがよくわかります。

原田 手と腕のポジションの重要性を理解していただいたところで、もう一度イメージクロックについて説明します。時計の文字盤を自分の背中に背負っていると思ってください。それでね、おへそから針が出ていると仮定して、両手が針。

GD 真下が6時、頭が12時で、右腰が9時、左腰が3時ですね。そこまではわかります。

原田 各ポジションを作ったときに手、腕の形が変わることを理解するのが大事です。まずアドレスのポジションは両手のひらを合わせて真下の6時です。それとこのときは両腕が伸びています。

GD 7時~5時も両腕を伸ばしたまま。

原田 そして、手のひらは向かい合わせです。次の8時~4時も両腕は伸びていて、ほぼ手のひらは向かい合わせです。

GD ここからですね、変わっていくのは。

両手の人差し指と親指の付け根を締めることがポイント

画像: 両手の人差し指と親指の付け根を締めることがポイント

両手の人差し指と親指の付け根を締めることがポイント

原田 9時~3時。ここで手の動き、向きと腕の形が変わります。イメージクロックの肝の部分です。8時~4時は両腕が伸びて手のひらはほぼ向かい合わせでしたが、9時~3時では手のひらは体の正面を向くんです。で、正面を向くっていうことは両手首が甲側に折れるんです。厳密に言えば、両手の人差し指と親指の付け根が締まって手首が甲側に折れます。両ひじは曲がってわきが締まります。これが9時~3時のポジションなんです。これは前にずっと取り組んできたハーフスウィングの大きさです。

GD こうですか?(言われた形を見せてみる)

原田 「両手の人差し指と親指の付け根が締まって」を忘れてますよ。この付け根を締めることで、両手が甲側に反るから、手首も甲側に折れるし、わきも締まります。イメージクロックの手と腕のポジションを理解するのに、この「付け根を締める」ことこそが肝かもしれません。これが抜けていては、イメージクロックもスウィングも完成しません。忘れないでくださいよ。

GD イメージクロックの肝が「両手の人差し指と親指の付け根を締める」ことなんて想像しませんでした。

原田 9時~3時から10時~2時と11時~1時の手と腕のポジションの向きの変化は次回詳しく説明しましょう。

GD フルスウィングのイメージクロックの詳細ですね。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/ENゴルフレンジ

イメージクロックを解説

クラブの上げ方が良くなるドリル

This article is a sponsored article by
''.