国内女子ツアー第6戦「KKT杯バンテリンレディスオープン」でツアー初優勝を飾った佐久間朱莉。最終日にボギーフリーで5バーディを奪ったスウィングをみんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が解説。

ついに佐久間朱莉選手が初優勝を手にしました。21年のプロテストに合格し22年からシード権を獲得。初優勝に最も近い選手の一人として多くの期待の中で優勝を目指すも悔しがる姿を何度も目にして来ました。それでもトレーニングや様々な練習を積み重ね、心技体のすべてで着実にスキルアップし今季に臨んでいました。

155センチと小柄ですが体をダイナミックに使い、今大会でのドライビングディスタンスは249ヤードで8位という飛ばし屋の部類に入ります。基礎体力の向上に取り組みながら、練習前後には先端に羽が付いたジャンボ尾崎お手製の素振り棒を振って「振る力」をつけることで飛距離と安定性を身につけて来ました。

アドレスから見ると手のひらで握るパームグリップ、ワイドなスタンス、ゆっくりとした始動のテークバックと佐久間選手の個性が見て取れます。右ひざの上に胸を乗せるように右サイドに荷重し、それを支えるブレない下半身の強さが飛距離の源になっています。

画像: 手のひらで握るパームグリップにワイドスタンスで構えテークバックはゆっくりと始動する(写真/岡沢裕行)

手のひらで握るパームグリップにワイドスタンスで構えテークバックはゆっくりと始動する(写真/岡沢裕行)

プレッシャーのかかる場面でもテークバックのテンポが変わらない点も佐久間選手ならでは。パッティングでも同じようにゆっくりとしたテークバックをするので、「ヤマハレディースオープン葛城」では平田智パットコーチお手製のコインドリルでストロークのテンポを一定にする練習をしていましたので紹介します。

画像: シャフトにぶら下げた振り子の周期に合わせて切り返すドリル(写真/中村修 ヤマハレディースオープン葛城)

シャフトにぶら下げた振り子の周期に合わせて切り返すドリル(写真/中村修 ヤマハレディースオープン葛城)

通常、コインドリルはパターヘッドに二枚のコインを乗せテークバックでトウに乗せた一枚が落ち、切り返しでフランジ部に乗せた二枚目が落ちるのですが、テークバックがゆっくりな佐久間選手はテークバックで落ちないので、「ぶら下げたコインの振り子の周期に合わせて切り返すことでテンポを一定にするドリルに取り組んでいます」とのことでした。

話しをスウィングに戻しますと、鍛えた体幹を使った力強いダウンスウィングはしっかりと胴体を回転させ、クラブが振り遅れない点が佐久間選手のストロングポイントになっています。

画像: 体幹を使って胴体をしっかりターンさせることで下半身も使えるようになる(写真/岡沢裕行)

体幹を使って胴体をしっかりターンさせることで下半身も使えるようになる(写真/岡沢裕行)

オフに宮崎で合宿する佐久間選手にインタビューをした際に聞いた「今までは周りを気にしていた。自分のプレーに集中してもっともっとゴルフが上手くなりたい」という彼女の言葉から今季は初優勝どころか2勝、3勝はするだろうと感じていました。心技体にトレーナーを含めたチーム体制も整った佐久間選手の活躍がこれからも楽しみです。

写真/岡沢裕行

佐久間朱莉へインタビュー

コインを使ったパター練習!

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