▶まずは前回の記事「薄芝はアドレスが大事。左ひじを曲げるが正解」を読む

解説/三島泰哉プロ
みしまたいが。1998年生まれ。岐阜県出身。ジュニア時代から多彩な小技の持ち主として有名なプロ。今季はACNツア―で優勝を目標にレギュラーツアー参戦を狙う
インサイドアウトだけどヘッドは外に上がる
GD ほかにも春の薄い芝でダフらないコツはありますか。
三島 スウィングの始動でヘッドをインサイドに上げないことです。ヘッドは自分から見たイメージだと外に上がっている感じです。
GD アウトサイドインで振るということですか。
三島 どちらかといえばインサイドアウトになります。要は手元と体の距離感を変えずに振ることがとても大切だということです。ヘッドは体の正面でキープされて自分から見たときに外に上がっているように感じるだけで、本来の正しい位置に上がっています。このスウィング始動の際のヘッドのポジションが重要なんです。
GD だから体を使って振ることが大事なんですね。
三島 手首の余計な動きを抑えられるので、春特有の薄芝からでもきれいにボールを打つことができますよ。
ダフリ防止の2つのポイント
ダフリ防止ポイント①
手元が内側、ヘッドは外側
手元は体の回転と同調してインサイドアウトに動いているがヘッドはほぼストレートに動く。これが薄芝からきれいに打つコツ。体と手元の距離感を変えずにテークバックするとヘッドは外側に上がるのが自然。手先で外側に上げるのは手打ちの原因になるので注意。

手首を使ってインサイドに上げるとダフりやトップの原因になる
ダフリ防止ポイント②
手元とヘッドは別々に動く
体の回転が加わることで手元はインサイドアウト、ヘッドはストレートに動く。ライが悪いからといって、アウトサイドインのカット軌道で打つ必要はない。

常にインサイドアウトが正解
手元と体の距離感に注目しよう!

横からやさしくそっと打つ
オーバースピンをかけるイメージでフェースを使う
三島 薄い芝でボールをきれいに打つのが難しい理由として、ボールを上げたくなるのもあります。そのため、ボールは無理に上げるのではなく、ロフトを立てて転がすように寄せようとすればミスはかなり減ります。
GD 確かに横からフェースの面で打って転がすほうがやさしく感じます。
三島 そこでイメージしてほしいのが卓球のドライブ。右手のひらをフェースに見立てて、オーバースピンをかけるイメージで振ります。右手のひらが空を向かないように使うのがポイントです。

フェース面を立てて使うイメージ
GD そうやって動かせばヘッドも低く長く動く感覚がわかります。
三島 芝が薄かったり、ボールが沈んでいたりするとどうしてもクリーンに打ちたくなりますが、インパクトを点ではなくゾーンで考えると悪いライでも楽にコンタクトできますよ。

ボールを上げようとするとフェース面が開いてボールをすくい打つイメージが出てしまい、ダフリやトップが出る危険性がある
ランを使って寄せる感覚が大切
フェース面を立てて使うと、横からボールを打ちつつ運ぶような感覚を出すことができるので距離感も合わせやすくなる。

ランで寄せるイメージ
THANKS/かねひで喜瀬カントリークラブ
PHOTO/ARAKISHIN
※週刊ゴルフダイジェスト4月29日号「春の沈んだ芝からのアプローチ」より一部抜粋