PGAツアー唯一のダブルス戦として知られる「チューリッヒ・クラシック・オブ・ニューオリンズ」が本日24日より開催。大会は、初日と3日目にフォアサム(2人の選手が1つのボールを交互に打つ)、2日目と最終日にフォアボール(2人の選手がそれぞれ自分のボールを打ち、良い方のスコアを採用)で行われる。
ダブルス戦の帯同経験も豊富な杉澤伸章キャディによると「特に難しいのがフォアサム(今大会では初日、3日目)ですね。チームメイトのためにボールを打っていかないといけないため、普段と違い精神的に痺れるのではないかと思います。自分の結果に責任を感じすぎるより、チームメイトに対してドライで突っ込めるくらいのほうがいい結果につながるかもしれません」。
会場となるのは、ルイジアナ州のTPCルイジアナ。ジャズ発祥の地としても有名な音楽の街ニューオリンズに位置する。全米プロゴルフ選手権でも優勝したスティーブン・エルキントンたちプロゴルファーが協力して設計したコースとしても有名だ。
「本コースの全長は7435ヤード、パー72に設定されており、シーズンの中でも6番目に長いコースとなっています。一方で、グリーンの平均サイズはツアーの中で5番目に小さい。飛ばさないといけないけれど、ボールがなかなかグリーンに収まらないという難しさがあります。お客さんにも見やすく、ドラマチックな展開が期待できるコースだと思います。先週行われた距離の短いRBCヘリテージのコースとは違う見方ができそうですね」(以下、杉澤)
また、ルイジアナならではの気候の変動もプレーを難しくする。
「ルイジアナ州は湿気が多く蒸し暑くて、サンダーストームも発生しやすいのが特徴ですね。変わりやすいコースコンディションへの適応力も大事になってくると思います。池を絡めたホールではよりチャレンジングなプレーが求められるでしょう」
難しいコースでしかもチーム戦という特殊な環境でのプレーとなるが、どの組に注目したらいいのだろうか。教えて、杉ちゃん!

ローリー・マキロイ(右)とシェーン・ローリーは大親友(写真は2025年AT&Tペブルビーチプロアマ 最終日。撮影/Blue Sky Photos)
「一番の注目は何と言っても、ディフェンディングチャンピオンであるローリー・マキロイと、親友のシェーン・ローリーのペアですね。ライダーカップでもチームメイトとして活躍する2人はペアでプレーすることに慣れていると思います。そのシェーン・ローリーは、今年の全英オープンと同会場で開催された2019年の全英オープンで優勝もしているメジャーチャンピオン。グランドスラマーとメジャーチャンピオンのペアが本大会を制するのかはやはり気になります」
日本勢からも久常涼・金谷拓実プロのペア、星野陸也・大西魁斗プロのペア、2組4名が出場する。
「久常・金谷ペアに関しては、好調である久常選手と調子が上がってきている金谷選手、2人のコラボレーションでいい流れが作れると思います。星野・大西ペアはどちらも自分のゴルフに没頭する性格なので、お互いにやりやすいと思います。ペアでプレーするというのはみなさんが想像するより結構難しいことですので、こういう性格の2人が組んだらすごい力を発揮してくれるのかも、と期待しちゃいますね」
星野陸也は公式Xで大西魁斗との2ショットをポスト
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x.comさらに、リポーターとして本大会を取材したこともある杉澤キャディは現地の雰囲気にも注目して欲しいとのこと。
「選手が入場する際に自分たちの好きな曲を流したりしてるんですよ。お祭りのように陽気な雰囲気な会場で、選手の表情も普段とはまた違って見えると思います。ちなみに会場ではザリガニバーガーが出てきて、それをラウンドしながら食べた記憶があります。結構美味しかったですよ(笑)」
普段とは違った入場シーンにも注目しながら観戦してみてはいかがでしょう。
U-NEXT/木村真希