
リニューアルしてカジュアル化を進めた西熱海GC
同GCは昨年から1年間をかけて、カートの入れ替え、クラブハウスの改修、それにコースの改造工事を行い、先頃、リニュアルオープンを果たした。
同GCは西武グループの大衆的パブリックコースとして、1963年に開場し、62年の歴史を持つが、経年劣化による"荒れ"も目立った。クラブハウスの建物としての老朽化はむろんだが、樹木の過ぎたる成長もコースにとって弊害を生む。芝にとっては、日光を遮断し、風通しが悪くなることで、芝の光合成、成長を妨げる。よく樹木を切ることが、自然破壊だという人もいるが、ゴルフ場にとっては芝の成長が優先順位の1番目にくることを忘れてはならない。
また、ハウス周りの樹木が多すぎて、レストランからの眺望を妨げていた。ある設計家はいいコースの第一条件は、ハウスのロケーションの良さを挙げるほど。ゆえにコース内の樹木、レストラン周りの高い木を整理し、熱海市街、相模湾を見渡す景観を取り戻した。
丘陵コースで距離はさほどないが、各ホールに変化があって楽しめる。名物だった「日本一難しい」と自称していた12番パー5をパー6とし、1番パー4をパー5とし、18ホールパー70から、パー72へと変更された。
「思い切った設備投資をしました。コース改修もですが、ハウスの内外装、テラスカフェなどリゾート気分満喫の空間へ。元々若い人が多かったのですが、ますますカジュアル化を進め、ドレスコードも撤廃しました」(同GC、マーケティング戦略アシスタントマネジャー、清水貴英氏)
ゴルフ以外でもさまざまなイベントを計画中という。
例えば夏の熱海の花火大会のクラブハウスのテラスからの見物、地元と協力して和太鼓演奏会などを実施していく予定とか。ゴルフ場での観光資源を活用する試み、これからのゴルフ場生き残りに必要なことかもしれない。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年5月6日号「バック9」より