
暫定2位浮上の西郷真央(撮影/姉崎正)
開催中の海外メジャー第1戦「シェブロン選手権」2日目、西郷真央選手が4アンダーとスコアを伸ばし、首位と1打差の暫定2位につけています。
スコアの内訳は6バーディ2ボギー。14ホール中12ホールでフェアウェイをキープし、18ホール中14ホールでパーオン。270ヤード級の飛距離を誇る選手たちに正確なショットで対抗しています。そしてなんといっても予選ラウンド2日間トータルで51パット(初日24パット、2日目27パット)というパッティングも光ります。
そんな西郷真央選手を「ゴルフIQの極めて高い選手」と評するのが、女子ツアーに詳しい中村修プロです。
「西郷選手は、女子選手としてはやや珍しい、クラブもシャフトも自分で選ぶ選手。そのギアの選び方も非常に上手い。自分にどんな課題があり、どう解決すればいいか。ビジネス用語でいうところのPDCAを回すのが上手な選手という印象です」
そんな西郷真央選手ですが、以前中村プロが話を聞いた際には「パッティングがあんまり得意じゃない」と語っていたそうです。しかし、前述したようにこのメジャー初戦では2日で51パットという驚異的な数字を記録。
1ラウンド30パット前後が平均というなか、「あんまり得意じゃない」とは到底思えない数字を叩き出しています。
「もちろん、パッティングだけでなくショットとパット、さらにアプローチやマネジメントなど総合的に噛み合った結果の数字でしょうが、傾斜が強く、面が分かれているグリーンに対してしっかりと対策できていなければ出せない数字です。パッティング自体も相当良くなっているんだと思いますし、そのことからも課題に真摯に向き合い、自分の頭で考えて最適な方法を選び、解決してきたんだろうなという印象を受けます」(中村プロ)
西郷真央選手といえば、原英莉花選手、先週国内女子ツアーで初優勝を果たした佐久間朱莉選手らと並ぶジャンボ尾崎選手の愛弟子の一人。西郷真央選手の現状はやはりその影響も大きいと中村プロは分析します。
「ジャンボさんご自身が、いわば改善の鬼ですよね。糸巻きボールとパーシモンの時代にいち早くメタルヘッドを導入。ハイティーアップでロースピンのボールを打つなど、解析機などなにもない時代に物理的に正しい方法を工夫によって編み出していました。体作りや、振ることの大切さといった教えに加え、このようにつねに改善を続ける姿勢を、西郷選手は“ジャンボ邸”で学んだのではないでしょうか」(同)
暫定とはいえ、首位と1打差と絶好の位置で週末を迎える西郷選手のほかにも多数の日本勢が予選を通過しています。彼女たちの戦いに、引き続き注目しましょう!
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