
林 由寿プロ1973年生まれ。千葉県出身。林由郎を祖父に持つ3代目。ジャンボ尾崎や青木功にも教えた由郎のワザを令和に伝える。15年間で3000回以上のラウンドレッスンの経験から、レベルを問わず上達させるティーチング界の鉄人
ユージ
1987年生まれ。アメリカ・フロリダ州出身。2004年からモデルとして活動を開始し、現在はモデル、タレント、俳優として幅広く活躍中。芸能界一飛ばす男として有名だが、アプローチのチャックリ癖を直したい
史上最強のソールの抜けを体感
林 それではユージさんに、スピンをかける方法を教えます。
ユージ いいですねぇ、スピン。友だちをビックリさせられる!
林 スピンをかけるには、速いスピードでソールを滑らせていく必要があります。ということで、まずはこのウェッジを振ってもらいます。
ユージ どうなっているんですか、このウェッジ?
林 調理用のボウルをくっ付けました。チャックリ愛好家でも、ソールは引っかかりません。

調理用のボウルを固定した素振り専用ウェッジ。「スピンをかけるには、速いスピードでヘッドを振り抜いていく必要があります。このウェッジなら、絶対にエッジが引っかからないので、速く振ってソールが滑っていく感覚を体験できるんです」(林)
ユージ これならソールの抜けは史上最強! 間違いない!
林 このウェッジで、行きも帰りもソールを滑らせるんです。意図的にダフらせる感覚ですね。
ユージ すると、どうなるんでしょうか?
林 チャックリが怖いユージさんは、インパクトで合わせてしまう癖があるので、このウェッジをビュンビュン振って、ソールをもっともっと滑らせる感覚をつかんでもらいます。
ポイント&練習法
ポイント
左肩を下げて上げる動きでストローク
「スピンをかけるアプローチでも、テークバックで左肩を下げて、フォローで左肩を上げる動きでストロークします。こうすると、インパクトゾーンが直線的で長い、パッティングに近いヘッド軌道になります」(林)

左肩をタテに動かします
練習法①
行きも帰りもソールを滑らせる
「足踏みするようにテークバックで左かかと、フォローで右かかとを上げて、ビュンビュン振ります。行きも帰りもソールを滑らせていると、自然にヘッド軌道の“カド”が取れて、“なめらか軌道”になっていきます。これが、スピンがかかるヘッド軌道です」(林)

ビュンビュン振ります
スピンインパクトを目で見て確認する
林 ボウルソールウェッジでソールが抜ける感覚をつかんだら、次は低反発マットの出番です。
ユージ このマット、うちでは愛犬が使っていますよ。
林 ソールをコスりながら振ると、ちょうどいい抵抗があって、コスった跡もくっきり残るので、勝手にラウンドレッスンの練習用のマットに任命しました。
ユージ 林プロは、なかなかのアイデアマンですね。
林 メトロノームのテンポに合わせて、往復でマットをコスります。一定のテンポで、行きも帰りもマットをコスっていくと、ヘッド軌道の“カド”が取れて、スピンが安定してかかる“ゆるやか軌道”になるんですよ。

マットをなが~くコスってください
ユージ やってみると、インパクト跡をだんだん長く付けられるようになってきますね。
林 インパクト跡の目標は25センチです。ユージさんくらい長身なら、いけると思いますよ。
練習法
練習法②
メトロノームに合わせてマットの上で連続&往復素振り
STEP1
メトロノームに合わせてマットを往復でコスる
メトロノームのテンポ(100~110拍/分がおススメ)に合わせて、連続で素振りをする。マットをコスった長い跡が、行きも帰りも残るようにウェッジを振る

最後まで素振りだけを繰り返す
STEP2
連続素振りのまま3球に1球、ボールを打つ
メトロノームのテンポに合わせて連続で素振りをしているところに、素振り3回に1回くらいのペースで、ボールを置いてもらって、そのボールを打つ

最後は素振りの延長でボールを打つ
STEP3
メトロノームに合わせてボールを打つ
アドレスでボールをセットしてからボールを打つ。メトロノームのテンポを連続素振りのときと同じ拍数にして、その音に合わせてテークバック、インパクトする

マットをコスってボールを打つ
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PHOTO/Yasuo Masuda
THANKS/アコーディア・ゴルフ技術研究所
※週刊ゴルフダイジェスト5月6日号「ソールが滑っちゃうアプローチ」より一部抜粋