ベーコンやピーマンをパスタとともにケチャップで炒めた日本独自の「ナポリタン」。気付いたら口の周りに赤いソースがベッタリ。大の大人でさえ、子どものように夢中になってがっついてしまう。「週刊ゴルフダイジェスト」の5月6日号ではどこか懐かしい昭和の味の歴史から作り方、コースの名物ナポリタンを紹介している。「みんなのゴルフダイジェスト」でも紹介しよう。

横浜生まれの「ナポリタン」
受け継がれる名店の味

今や日本のソウルフードとなっているナポリタンが生まれたのは横浜にある、「ホテルニューグランド」と「センターグリル」。発祥当時から受け継がれてきた名店の味は今もなお大切に守られていた。

元祖ナポリタンはトマトソースだった

ナポリタンといえばケチャップ味が一般的だが、一番最初にナポリタンを考案したといわれる「ホテルニューグランド」の“元祖”ナポリタンはフレンチの流れをくんだ上品な味わいのものだった。

戦後間もない頃、アメリカ軍に接収されていた時代に米兵がスパゲッティにケチャップをかけていたことを知った2代目総料理長・入江茂忠がもっと美味しいものを作ろうと考案したのが「スパゲッティナポリタン」。そのルーツとなったのは初代総料理長を務めたスイス人シェフ、サリー・ワイルが持ち込んだベジタブルメニューで付け合わせの「スパゲチ ナポリテイン」。もとは脇役だったナポリテインを主役に昇格させる形で生まれたのがナポリタンだったのだ。

一方、なじみ深いケチャップナポリタンが誕生したのは横浜・野毛にある、「センターグリル」。同店舗の初代・石橋豊吉は、当時ホテルニューグランドの2代目総料理長だった入江とは昵懇の仲で、開業時にメニューの相談などをしていたという。トマトソースは手間も値段もかかることから、手に入りやすいトマトケチャップをナポリタンに使用してはどうかという入江の提案もあり、ケチャップナポリタンが生まれたそうだ。

フランス料理の流れをくんだ「ホテルニューグランド」のエレガントな“元祖ナポリタン”

画像: スパゲッティ ナポリタン(2340円)

スパゲッティ ナポリタン(2340円)

手間暇かけて作られたトマトソースは、トマトのフレッシュさとまろやかさがふんだんに感じられ、繊細ながら深みある味わいに。トマトの美味しさを味わい尽くす逸品。

画像: ナポリタンが食べられるのは、1927年開業当時の姿を保つ「ホテルニューグランド」本館の1階にある「コーヒーハウス ザ・カフェ」。横浜の港が見える洗練された空間で食事を楽しめる

ナポリタンが食べられるのは、1927年開業当時の姿を保つ「ホテルニューグランド」本館の1階にある「コーヒーハウス ザ・カフェ」。横浜の港が見える洗練された空間で食事を楽しめる

横浜市中区山下町10番地
☎045-681-1841
10時~21時30分(ラストオーダー21時)

ケチャップナポリタンの生みの親は「センターグリル」

画像: ナポリタン(900円)

ナポリタン(900円)

太くモチモチの麺にケチャップがしっかり絡んだ一品。どこか香ばしい風味が鼻を抜け、バターの効いた濃い味付けがクセになる味わいだ。

画像: 1946年創業の「センターグリル」。入り口を覆う昔ながらの青いひさしが客人をもてなす。お店を切り盛りするのは2代目の石橋秀樹さんと3代目の正樹さん

1946年創業の「センターグリル」。入り口を覆う昔ながらの青いひさしが客人をもてなす。お店を切り盛りするのは2代目の石橋秀樹さんと3代目の正樹さん

横浜市中区花咲町1-9
☎045-241-7327
11時~20時30分(ラストオーダー19時45分)
月曜&第1、第3火曜定休

何で「昭和の日」が「ナポリタンの日」なの?

画像: ナポリタンはまさに国民食!

ナポリタンはまさに国民食!

「ナポリタンの日」を制定したのは、トマトケチャップで国内のトップシェアを誇るカゴメ株式会社だった。どういった経緯で、4月29日の「昭和の日」が「ナポリタンの日」になったのか聞いてみた。

「ナポリタンは昭和時代から親しまれてきた洋食メニューであり、そんなナポリタンの魅力を広める日として『激動の日々を経て復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす』ことを目的とした『昭和の日』の趣旨に合致することから、2018年に制定しました」(カゴメ株式会社広報担当者)

画像: カゴメのケチャップは独自にブレンドした香辛料を使用しており、炒めることで香りがよくなり、風味が増すのが特徴。ナポリタンなど、炒めて作る料理と相性がいいため、まさに日本の食文化にピッタリなのだ

カゴメのケチャップは独自にブレンドした香辛料を使用しており、炒めることで香りがよくなり、風味が増すのが特徴。ナポリタンなど、炒めて作る料理と相性がいいため、まさに日本の食文化にピッタリなのだ

現在では、日本一のナポリタンを決める「カゴメ ナポリタンスタジアム」などのイベントのほか、各地で様々なキャンペーンも行われ、昭和時代の遺産であるナポリタン“界隈”が再び盛り上がっている。

東海地方で大人気! 「鉄板ナポリタン」

東海地方では、アツアツの鉄板の上に溶き卵を流し込み、その上にナポリタンを盛り付ける「鉄板ナポリタン」が愛されているが、同エリアのゴルフ場でもまた然り。"一食"の価値があるコース自慢の「鉄板ナポリタン」をご紹介!

東海3県のゴルフ場で勢力を拡大県境を越えた名物ナポリタンに

画像: 鉄板スパゲティは滞在時間が長い喫茶店ならではのアイデアメニュー。滞在時間が長い喫茶店では、食べていくうちにスパゲティが冷めてしまう。そこで鉄板皿で提供することで、最後まで温かいまま食べられるというアイデアメニューだった

鉄板スパゲティは滞在時間が長い喫茶店ならではのアイデアメニュー。滞在時間が長い喫茶店では、食べていくうちにスパゲティが冷めてしまう。そこで鉄板皿で提供することで、最後まで温かいまま食べられるというアイデアメニューだった

名古屋にある「喫茶ユキ」で生まれた「鉄板ナポリタン」。かつては愛知県民なじみのご当地ナポリタンだったが、モンスター級の旨さゆえに県境を越えることに。今や東海3県のゴルフ場で提供され、「ナポリタン」という呼称だけでなく、「イタリアン」という呼び名でも愛され、各コースで“圧倒的”な地位を築いている。

野菜の旨みが詰まった王道派ナポリタン(愛知県/さなげCC)

画像: イタリアンスパゲッティ(1650円)

イタリアンスパゲッティ(1650円)

「イタリアンスパゲッティ」の名で愛されているコース自慢の一品は、フレンチ出身のシェフによる渾身の力作。トマトのコクと野菜の旨みがギュッと詰まっているのが特徴で、特製のトマトソースには白ワインを加えることにより、味わいに奥行きとコクがプラスされている。タコさんウインナーを使うことで、見た目がどこか懐かしい昭和レトロなものになっている。

不動の人気ナンバー1! 鉄板ナポリタン界の重鎮(岐阜県/ぎふ美濃GC)

画像: ぎふ美濃名物鉄板ナポリタン(1650円)

ぎふ美濃名物鉄板ナポリタン(1650円)

東海圏のゴルフ場で最も有名な鉄板ナポリタンといっても過言ではないほどの知名度を誇るぎふ美濃名物。およそ15年前から提供を開始し、このメニュー目当てで食事のみの来場客もいるほどの人気ぶり。酸味を抑えたこだわりのトマトソースが絡んだ麺は、鉄板で焼かれ、ほんのり香ばしい卵と一緒にいただくと、まろやかさがプラスされ、絶妙なハーモニーを奏でる。

週刊ゴルフダイジェイスト 2025年5月6日号 「今日のお昼はコレにしよ!」より一部抜粋

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