レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「ドライバーのスタンスとショット効率」を解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本54】
画像: 真っすぐボールを飛ばすトライバーショットの基本を解説

真っすぐボールを飛ばすトライバーショットの基本を解説

ドライバーもアイアンもスタンス幅は同じでいい

画像: ドライバーもアイアンもスタンス幅は同じでいい

ドライバーもアイアンもスタンス幅は同じでいい

GD 前回は、ドライバーのスタンス幅は肩幅くらい、アイアンと同じでいいということでした。でも、ドライバーは長いじゃないですか。自分は長いものを振るときに足の幅が肩幅ではちょっと狭いような感じがするのですが。

原田 長いものを振るときにうまく振れないのは、足の幅とはまったく関係ないです。

GD そうなんですか? 足の幅が狭かったらフラついじゃうじゃないですか。

原田 それは間違った思い込みです。例えば長い物干し竿みたいなものを振るときのことを想像してください。横振りにするでしょう。

GD 長ければ、そうですね、横振りにしますね。

原田 横振りにしたらスウィングの軸、中心がよりしっかりしないとうまく回転できないんですよ。

GD そのためには足の幅が広いより狭い方が軸、中心を意識しやすいということですか?

スタンス幅を狭くすることで体重移動と体の回転がしやすくなる

画像: スタンス幅を狭くすることで体重移動と体の回転がしやすくなる

スタンス幅を狭くすることで体重移動と体の回転がしやすくなる

原田 そうです。結論としてね、長いドライバーは足の幅が広いほうが安定感があって打ちやすいという考えは違っているということです。

GD 逆に足の幅を広げないメリットもありそうですね。体重移動と体の回転がしやすいということですから。

原田 あります、あります。長いものを振るのが物足りないから足の幅を広げていますよね。その足の幅でスウィングすると、自分では体の回転で打ったつもりでも体重移動が十分にできず、体の回転が途中で止まってしまうので、いわゆる手打ちになる危険があります。でもね、足の幅が狭かったら同じ感覚、動きでスウィングしても十分な体重移動と体の回転が自然というか勝手にというか、とにかくできちゃうことがあるんです。

GD なるほどです。ちょっと打ってみますね。まずは足の幅をいつもの自分のように広めにしてと。今はちょっと下半身主導ではなく手からいってしまったので、体重が右に残ってしまいました。

原田 やはり、体重移動がスムーズでなく、体の回転が途中で止まっていますね。欠点が出てしまいましたね。

狭いスタンス幅は七癖を隠す

画像: スタンスはボール位置を左足かかと内側線上に合わせてから、右足を開いてセット。そのスタンス幅は狭いほうが七癖を隠すことができる

スタンスはボール位置を左足かかと内側線上に合わせてから、右足を開いてセット。そのスタンス幅は狭いほうが七癖を隠すことができる

GD では、今度は足の幅をアイアンと同じくらいにして打ってみます。今も同じように下半身からではなく手からいってしまった感じですけど、しっかり左足一本で立って胸がターゲット方向に正対できました。こういうことなんですね。

原田 分かってきたようですね。そうなんです。言い方はヘンかもしれないけど、狭い足の幅は七癖を隠すんです。体重移動、体幹ターンが十分にできていないスウィングでも水際で救ってくれるような感じでしっかりしたスウィングにしてくれるんです。

GD もしかしたらスタンスを広げたら少し飛ぶかもしれない。でもミスが減る。ミートが良ければ、芯に当たって飛距離が伸びる。一発の飛距離を求めたら広いのがアリかもしれないけど、平均飛距離が伸びたり、真っすぐ飛ばす確率が上がるとそういうことですか?

原田 わかってるじゃないですか。そうです。私が教えるゴルフはボールを真っすぐ遠くへ飛ばすゴルフです。初心者の方はより簡単にボールが打てて、上級者の方はショットの確率(効率)がアップする。そのための教えです。スタンス幅もそのひとつ。七癖を隠せば、ゴルフはより安定し、飛距離が伸びて、確率が上がる。スコアが良くなる。ゴルフゲームに強いゴルファーになるということです。

GD いいことを学びました。これからは足の幅を両肩の下に足がくるように気を付けたいと思います。

ボールを真っすぐ飛ばす確率を高める構えと基本を理解しよう

画像: ドラバーショットは、ボールを真っすぐ飛ばす確率を高める構えと基本を理解しよう

ドラバーショットは、ボールを真っすぐ飛ばす確率を高める構えと基本を理解しよう

原田 さらっと「真っすぐ遠くへボールを飛ばす」と言いましたが、「真っすぐなボール」についてきちんと説明しなければいけませんね。

GD 連載でも一度ちらっと聞いたような。

原田 私たちは真っすぐに飛んでいくボールを「5番のボール」と呼びます。弾道の種類はヘッド軌道とフェース角度(向き)によって9つに分類しています。「5番のボール」はヘッド軌道がターゲットラインに対してインサイドイン、フェース角度がヘッド軌道に対してスクエアになっています。

GD 真っすぐ飛び出してそのままストレートに飛んでいく「5番のボール」以外にはどんなボールがあるのですか?

目指すは「5番のボール」

画像: 「5番のボール」を打つための基本を解説

「5番のボール」を打つための基本を解説

原田 「1番のボール」は左に打ち出してさらに左に曲がるボールです。いわゆるプルフックですね。ヘッド軌道がターゲットラインに対してアウトサイドイン、フェース角度がヘッド軌道に対してクローズになっています。「2番のボール」は左に出てそのまま真っすぐ左へ飛んでいくボールです。これはヘッド軌道がアウトサイドイン、フェース角度がヘッド軌道に対してスクエアになっています。以下左へ出ていくボールが4番まで、真っすぐは5番、右へ出ていくボールが6番から9番になります。

GD まずは「5番のボール」を打つためにどうすればいいかを学べばいいんですね。

原田 そうです。そのことを踏まえて次回はドライバーを打っていくときのボールの見方について説明していきましょう。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/ ENゴルフレンジ

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