
伊丹大介プロ
1976年生まれ。宮城県出身。関東を中心にレッスン活動を展開。クラブにも造詣が深く、練習器具やシャフトの開発にも携わる。体に負担の少ない“遠心力スウィング”を提唱中
【イメチェン①】右サイドを大きく振る!
GD 遠心力スウィングとは、どんな打ち方でしょうか?
伊丹 ハンマー投げのように、腕やクラブが生み出す遠心力を利用する打ち方です。

遠心力を使うイメージは、ハンマー投げがわかりやすい。体を回転させることで強い遠心力が発生するため、鉄球を遠くまで投げることができる。遠心力がかかると、ワイヤーはピンと張った状態になる
GD 我々にもできますか?
伊丹 腕力に頼らないので、シニアにピッタリです。でも、これまでのセオリーとは違うことをやる必要があります。スウィングのイメージチェンジですね。
GD 具体的に言うと?
伊丹 フォローを大きく振れ!と教わったと思いますが、遠心力をかけるならダウンスウィングを大きく振れ! なんですよ。
GD ヌンチャクを振るとわかりますが、丸く振るほうが遠心力がかかります。だから、イメージ的には、ダウンスウィングを大きく振るのが正解なんです。
まずは遠心力を感じてみよう

遠心力を感じるならヌンチャクです。ヌンチャクを背中側から振り回そう
ヌンチャクを張った状態で振る
「ヌンチャクがピンと張ったら、外向きに遠心力がかかっている証拠です。やってみるとわかりますが、ダウンスウィングが大きくなるように振ると、ヌンチャクがピンと張った状態でスウィングできます。フォローが大きくなるように振ると、フォローの一瞬しかヌンチャクが張りません」(伊丹)

ダウンスウィング(右サイド)を大きく振ると、遠心力がかかる

フォロー(左サイド)を大きく振ると、遠心力がかからない
練習法 スポーツタオルを振って、遠心力を確認する
「ヌンチャクの代わりに、スポーツタオルの先を縛って団子を作って、振る方法もあります。右サイドでタオルが伸びて、外向きにちゃんと遠心力がかかっていることが大切です」

タオルでもOKです
【イメチェン②】ヘッドを遠回りさせる
伊丹 次にやってほしいイメージチェンジは、ヘッドを遠回りさせる、というものです。
GD ヘッドを遠回り?
伊丹 そうです。ダウンスウィングで遠心力をかけるには、ヘッドを背中側から遠回りさせて下ろしてくる必要があるんです。
GD なるほど。グリップエンドをボールにぶつけるイメージで振れ! とか、最短距離でヘッドを下ろせ! というかつてのセオリーとは真逆なんですね。
伊丹 そのために、切り返しで右ひじを後ろに倒すようにシャローイングさせるわけです。
ポイント
切り返しから右手のひらで シャローイングする
「遠心力をかけるには、切り返しの動きがもっとも重要です。右ひじを回外(右回し)させるシャローイングが必須で、この動きによって、ヘッドが背中側に回り込んで遠回りして下りてきます。このとき、外向きの遠心力が自然にかかるわけです」(伊丹)

大切なのはシャローイング

シャローイングしてヘッドが遠回りすると、自然に遠心力がかかる。シャフトを立ててヘッドを直進的に下ろすと、遠心力はかからない
PHOTO/Yasuo Masuda、Shinji Osawa、Getty Images
THANKS/鎌ヶ谷CC、パフォーマンスゴルフスタジオ
※週刊ゴルフダイジェスト5/13・20日合併号「遠心力スウィング」より一部抜粋