
仲宗根澄香
仲宗根が控えめな笑顔に充実感を漂わせた。
ボギーなしの4アンダー68で初日を終え「あまりパーオンはしなかったけど、アプローチがよかったです。いつも取りこぼすことが多いだけに、今日は取りこぼすことなくプレーできました」と振り返った。
この日はインからスタートし、13番パー4でピンまで残り90ヤードの第2打を54度のウェッジで1.5メートルにつけてバーディが先行。18番パー5は残り50ヤードの第3打を3メートルに乗せてスコアを伸ばした。
後半アウトはグリーン上のプレーが光った。2番パー5は手前から6メートル、5番パー5も奥から5メートルのバーディパットを沈めた。
今大会は所属契約を結んでいるソフトウェアコンサルタント大手のSkyが主催する。ホステスプロとしての責任感を重く受けとめているだけに気合は十分で「この大会で優勝したいと強く思っています。今年で契約が6年目になるけど、毎年成績が出なくても応援してくださっているので、感謝の気持ちでいっぱいです」と気迫を表に出した。
今週結果を出さなくてはならない理由はまだある。この日は2015年プロテスト合格の同期生で2019年に25歳の若さで亡くなった大山亜由美さんの命日。
「私が頑張ることで亜由美ちゃんを思い出してくれる人がいると思う。年齢は2つ下の子でしたけど、プロテスト合格の同期でした。今日1日だけでもみんなが思い出してくれればいいなと」
大山さんの故郷鹿児島県のゴルフ場には大山さんが好きだった河津桜が植えられている。植樹したときには大山さんの身長(166センチ)と同じだった桜は大きく育ち、今年も美しい花を咲かせたという。
「亜由美ちゃんの誕生日が2月21日なのでその頃に咲いてくれるようにと選びました。思い出を残す意味で写真は残していますし、ふとしたときには見ることもあります。そういうこともあって私を押してくれたと思います」
仲宗根は1992年生まれ、千葉県白井市出身の33歳。10歳でゴルフを始め、2015年プロテストに合格した。下部ツアーでは2016年のユピテル静岡新聞SBSレディースなど4勝。2020-21年シーズンに賞金ランク39位で初シードを獲得。今季はQTランキング61位での参戦でリランキングの上位突破を目指している。
初日を好位置で終え、2日目以降に向けても気持ちが高まる。
「先週はいいプレーができたいたので、今週はやるしかないと気持ちになりました」
残り2日間、亡くなった大山さんの分まで思い切り戦う覚悟だ。