名門クエイル・ホーローCを舞台に開催されたプロゴルファーNo.1を競う全米プロゴルフ選手権は世界ランク1位のスコッティ・シェフラーが後続に5打差をつける圧勝で幕を閉じた。しかしマスターズ(2勝)に続くメジャー3勝目はストローク差以上に厳しい戦いだったようだ。

西陽に照らされた18番グリーン。パーパットを外しボギーで勝利を決めたシェフラーはキャディのテッド・スコットは込み上げる涙を必死に拭いながら長い抱擁を交わした。

画像: 勝利を決めた直後、キャディのテッド・スコットと抱き合うシェフラー

勝利を決めた直後、キャディのテッド・スコットと抱き合うシェフラー

勝利の余韻に浸ったあと彼はバンザイのポーズで満場のギャラリーを煽り、「やったぁ!」と叫び喜びを爆発させた。さらに帽子をグリーンに叩きつけるパフォーマンスまで。普段感情を表に出さないシェフラーにしては珍しい光景だった。

傍目には楽々と当たり前のように大勝を収めたように見えたが、本人にとっては「勝って当たり前の状況」がいかに苦しいものだったかを物語る感情の発露だった。

画像: 帽子をグリーンに叩きつけるパフォーマンスも見せた

帽子をグリーンに叩きつけるパフォーマンスも見せた

3打リードで迎えた最終日フロント9でスコアを落としジョン・ラームに並ばれた。「前半は調子が良くなかった」というが、苦しいなか何とか耐え抜き10番のバーディで再びリードを奪い返すとあとは前日イーグルを奪っている14番(パー4)と15番パー5で着実にバーディを重ね王者のゴルフで逃げ切った。

「前半耐えて後半盛り返すことができた。バック9は本当にいいプレーができた。ただそれだけ」と表彰式のインタビューで語ったシェフラー。その表情にはやるべきことをやり切った達成感に溢れていた。

画像: 妻のメレディス、そして第一子のベネットと勝利を祝った

妻のメレディス、そして第一子のベネットと勝利を祝った

予選ラウンドで一緒に回ったディフェンディングチャンピオンのザンダー・シャウフェレは「彼はいつも終盤力強いプレーをして勢いをつける」と尻上がりに調子を上げるのが“シェフラー・スタイル“だと語っている。

前半5打差を縮めトップに並んだジョン・ラームが上がり3ホールで5つスコアを落としたのとは対照的に、終盤になるほどギアを上げあっという間に他の選手を引き離すのがシェフラーのスタイル。

キャリアグランドスラムを目指したジョーダン・スピースやクエイルホローCの全米プロで前回優勝したジャスティン・トーマスは早々と予選で姿を消した。

このコースで4勝を挙げているローリー・マキロイ(47位タイ)もシェウフェレ(28位タイ)とともに予選カットぎりぎりで決勝に進んだが、最後まで上位争いに加わることはなかった。

予選ラウンドでは伏兵がリーダーボードを賑わす展開もあった。だが終わってみればシェフラーの強さばかりが目立ったシーズンメジャー第2戦だった。

全米プロの公式YouTubeでシェフラーの最終日ハイライトを見る

画像: - YouTube youtu.be

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