「Sky RKBレディスクラシック」で今季初優勝を飾った神谷そら。最終日の15番Hからの3連続バーディ、そして18番Hでのイーグルフィニッシュで優勝を引き寄せたスウィングをみんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロコーチの中村修が解説。

神谷そら選手は23年のルーキーイヤーにメジャーを含む2勝を挙げると、24年はケガに苦しみながらもシード権を保持しましたが、ショットの安定感に欠けていました。昨年末から渡邉彩香、宮田成華、髙木優奈選手らをサポートする坂詰和久コーチに指導を仰ぎ持ち球をドローからフェードへとチェンジし今シーズンを迎えていました。

画像: 「Sky RKBレディスクラシック」で怒涛の3連続バーディから最終ホールのイーグルで逆転優勝した神谷そら(写真/岡沢裕行)

「Sky RKBレディスクラシック」で怒涛の3連続バーディから最終ホールのイーグルで逆転優勝した神谷そら(写真/岡沢裕行)

ショットは復調し今季の成績も開幕戦で6位、予選落ちを挟んで6位タイ、12位タイ、16位タイ、4位タイ、3位タイ、24位タイとその成果も表れていました。不調に陥った菅沼選手と同じようにショットが復調したとしても不調だったころのイメージを払拭するのは簡単ではありません。しかし、菅沼選手の復活優勝も背中を押してくれたようです。優勝争いの終盤で3連続バーディを奪い、最終ホールで劇的なイーグルで優勝を決めたことで自信を取り戻した神谷選手は今後も活躍することでしょう。

それではスウィングを見てみましょう。飛距離が出るのはいつ頃から? と以前聞いた際には「ジュニア時代から飛距離で困ったことはない」との答え。体の可動域と体力を目一杯使ったスウィングはトラックマンで、ヘッドスピード45.5m/s、ボール初速68m/s、打ち出し角は13度、スピン量2350rpm、キャリー250Yと間違いなく飛ばし屋の数値が並びます。クラブ軌道は4度程度アウトサイドイン、入射角はアッパー1.5度程度とフェードヒッターの特徴を表していました。

オーソドックスなスクエアグリップで握り、左腕が地面と平行になる位置でクラブが垂直に立ちます。このタイミングで垂直に立つのは女子プロの平均よりも速いと思います。そのまま背中をターゲットに向けるようにねじり上げて行きます。顔の向きに注目してみるとテークバックで右に向いていて無理にボールを見続けずに体のターンを優先しています。

画像: 左腕が地面と平行になる早い段階でクラブが垂直になり、そのまま背中をターゲットに向けて良く(写真/岡沢裕行)

左腕が地面と平行になる早い段階でクラブが垂直になり、そのまま背中をターゲットに向けて良く(写真/岡沢裕行)

切り返しの左へ踏み込むタイミングで体の捻転は一層深くなり上半身と下半身の捻転差が大きく飛ばしのエネルギーが最大化されていきます。横方向、回転力、縦の力という力の流れる順番にプラスして、骨盤、胸、腕、クラブとキネマティックシークエンスと呼ばれる運動連鎖がスムーズに行われていることも大きな飛距離には欠かせません。

画像: 深いトップから腰、胸、腕、クラブへと動き出しの順番が狂わず動きもスムーズ(写真/岡沢裕行)

深いトップから腰、胸、腕、クラブへと動き出しの順番が狂わず動きもスムーズ(写真/岡沢裕行)

オーバースウィングに見えるかもしれませんが胸椎や肩甲骨周りの可動域が広いので問題にならず、それよりも注目すべきは左ひじは伸びたままで右ひじも90度以上畳まれていないので手元は体から遠くにあり、そこから引き戻す体幹と下半身の筋力が備わっているという点です。

画像: 手元が体から遠い深いトップから引き戻す体幹、下半身の筋力も備えている(写真/姉崎正)

手元が体から遠い深いトップから引き戻す体幹、下半身の筋力も備えている(写真/姉崎正)

同時にクラブがオンプレーンに振れている点も忘れてはなりません。持ち球をドローからフェードにチェンジしたことでアイアンショットの距離感や方向性が改善し今大会でのパーオン率は全体の2位の成績。これまでの9戦でパーオンホールの平均パット数1位、1ラウンド当たりの平均パット数6位とパットも好調な神谷選手のこれからの成績にも注目です!

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