みんなのゴルフダイジェストのYouTube「みんゴルガチギアトラック」は、プロゴルファーの癸生川喜弘と小島慶太による、“ガチ”がコンセプトのシリーズ試打企画。今回は、キャロウェイ『ELYTE ♦♦♦ TD』の特性と最適スピード帯を探っていく。

早速、動画で確認する

画像1: - YouTube youtu.be

- YouTube

youtu.be
画像: キャロウェイ「エリート ♦♦♦ TD」9.0度×TENSEI GREEN 60 for Callaway(フレックスS)を試打

キャロウェイ「エリート ♦♦♦ TD」9.0度×TENSEI GREEN 60 for Callaway(フレックスS)を試打

『ELYTE ♦♦♦(トリプルダイヤ)』シリーズは、ツアー向けの特別仕様であることを示す『♦♦♦』を冠したドライバーで、今回試打をする『ELYTE ♦♦♦ TD』のTDはTour Draw(ツアードロー)の略で、いわゆるドローバイアスモデル。ヘッドの特長としては、フェースプログレッションが少なめでボールがつかまりやすく、スピンも入るため、より扱いやすく幅広いプレーヤーに対応するモデル。ヘッド体積は450cc。ロフトは9度と10.5度のラインナップで、今回は9度を試打する。シャフトはメーカー純正『TENSEI GREEN for Callaway (flexS)』。使用ボールはいつもどおり、タイトリスト『プロV1』。

画像: キャロウェイ「エリート ♦♦♦ TD」9.0度の顔

キャロウェイ「エリート ♦♦♦ TD」9.0度の顔

癸生川: フェースは開いて見える。あとロフトが9度の割に、フェース面が良く見えるのも特徴的。

小島: フェースプログレションを少なめということなので、グースっぽいからなんでしょう。あと元々、キャロウェイは“開き顔”だからね。それと、キャロウェイの純正シャフトはバックラインが付いてると思うんですけど、バックライン取り通りに構えるとフェースアングルは右を向く。

癸生川: そうだね。バックライン通りに構えるとスライスめだね。

小島: それは右に打ち出させたいから。ドライバーの打球はフェースの向きに85%依存するから、フェースが右を向いていないとドローは打てない。フェースが2度右を向いてたら、クラブの軌道(クラブパス)は、さらに1度とか1.5度右に振らないとドローは打てないです。これにフェース面のバルジとかも入ってくると難しい話になるんですけど、でもそれも全部トータルでドローが打ちやすいよっていうモデルがこの『TD』だと思います。

癸生川:  なるほどね。

小島: でもひとつ分からないのは、トリプルダイヤというモデルにドローバイアスが必要なのかということ。それを今回の試打で検証していこうと思います。つまり、『ボールがつかまって、スピンが入る』。一般的には(つかまると)スピンが少なくなるわけだから。

検証のポイントも絞れたところで、いざ試打開始!

■HS45m/s前後で打ってみる

【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●45.9m/s
ボール初速●68.6m/s
打ち出し角●12.2度
スピン量●2532rpm
降下角●36.4度
キャリー●248.9Y
飛距離●272.8Y
打ち出し方向●0.5度右
スピンアクシス●1.3度左
SIDE●1.3Y左
 
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●3ミリヒール
Vインパクト●2ミリ低

画像: HS45m/s前後でセンターヒットしたときのトラックマン4のデータ(上)とGCクワッドのデータ(下)

HS45m/s前後でセンターヒットしたときのトラックマン4のデータ(上)とGCクワッドのデータ(下)

癸生川: スピンが入らないって感じはしないな……。

小島: 『ボールがつかまって、スピンが入る』って謳っているから、スピンが入っていいのよ。

癸生川: そうだね、うん。あと、これも謳い文句どおりだけど、つかまる。

小島: 謳い文句だからね(笑)。

癸生川: いや、ほんとに。トリプルダイヤって基本、つかまらないじゃない。その中でもつかまって球も上がるし。

小島: 今の弾道を見ると、つかまる感じはありますよね。

癸生川: そう。そして上がる。

小島: 上がってますね。

癸生川: しかも9度で。

小島: 僕もその印象はあります。まさにメーカーさんのメッセージである『つかまってスピンが入る』と思います。あと『扱いやすい』って書いてありますけど、扱いやすいですか。

癸生川: 扱いやすいよ。

小島: つかまるけど引っ掛かる感じはない?

癸生川: ない、ない。このスピード(45.9m/s)で振ってもシャフトがしなり過ぎない。

小島: 純正の6Sですよね? それは意外ですね。

癸生川: 僕はHS45m/s前後でいけるんと思う。

●小島プロのデータ分析

クラブスピードとボールスピードの割合は良く、ボール初速は出ていますね(68.6m/s)。0.5度右に飛び出して、アクシスが1.3度右に傾いているので、真っすぐめに出てわずかに右にという弾道になります。そのデータで着弾点が1.3ヤード左ということは、つかまって見えるけど、風の要素が大いにある。風がなかったら4.6ヤード右に着弾している。癸生川プロはいい感じに振れたと言っていますが、シャフトがちょっと軟らかくてしなり戻ってない可能性もあります。

『つかまって スピンが入る』という謳い文句の検証は、45.9m/sで打った場合、確かにスピン量も程よく出て、球が上がるという結果が出た。癸生川プロは早くも、適正スピード帯は「HS45m/s前後でイケる」と答えを出したが、球のつかまりに関しては、見た目に弾道はつかまって見えたが、データを分析した結果、どうやら風の影響があったようで、つかまりに関しては、さらに検証して結果を見ることに。

■HS42m/s前後で打ってみる

【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●43.0m/s
ボール初速●64.5m/s
打ち出し角●8.8度
スピン量●2407rpm
降下角●24.6度
キャリー●211.3Y
飛距離●251.3Y
打ち出し方向●0.6度左
スピンアクシス●4.8度左
SIDE●7.4Y左
 
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●2ミリヒール
Vインパクト●9ミリ低

画像: HS42m/s前後でセンターヒットしたときのトラックマン4のデータ(上)とGCクワッドのデータ(下)

HS42m/s前後でセンターヒットしたときのトラックマン4のデータ(上)とGCクワッドのデータ(下)

癸生川: HS42m/s前後になると一気に球が低くなるんだけど。

小島: まあ今のは打点が下なのはあるけど、やっぱトリプルダイヤなだけに、いくら『TD』とはいえ、9度だから。9度を使う人はこのスピード帯じゃ遅いと判断できますね。

癸生川: ということは、HS44m/sくらいは必要?

小島: そうですね、HS44~45m/sはあってもいい。

癸生川: どういう人が合いそうなの?

小島: 9度なので、正直、合う人は少ないと思う。もちろん、『トリプルダイヤ』って多くの人を取り込むモデルではない。『トリプルダイヤ』の見た目が好きなんだけど、ちょっとノーマルだと右に行く。つかまってくれるヘッドがいいんだけれど、10.5度だと球が上がりすぎてしまう。だからロフト角が立っているモデルを使いたいんだけど、そのモデルだとつかまらない。
 
そういう人が、ロフトが9度で、球をつかまえてくれるモデル。それが『TD』の9度、そういう結論だと思います。

●小島プロのデータ分析

打ち出しの高さが8.8度と低いのは、打点が9ミリ下で当たったからです。もし打点が上に当たっていたらこのスピン量は減ります。落下の角度は24.6度はだからかなり低く、キャリーが211.3ヤード。打ち出しが0.6度左で、スピンアクシスが4.8度左、着弾点が7.4ヤード左ですから、つかまってはいます。ただデータ的には、スピード帯としてはもうちょっとあったほうがいい。このスピード帯だとロフト角10.5度のほうがいいでしょう。

HS45m/s前後で打った時は風の影響で『つかまりの良さ』は判断できなかったが、今回の42m/s前後のデータでは、それが証明された。ただ、球の上がり方などからすると、この『TD』 の最適スピード帯は45m/s前後になるという結果が出た。

結論

今回試打をした、キャロウェイ『ELYTE ♦♦♦ TD(ロフト角9度×純正シャフトのフレックスS)』のクラブ特性やお勧めするプレーヤーに関して二人の結論は下記のとおり。

癸生川: 小ぶりに見えるヘッドに、フェースアングルが真っすぐ、もしくは開いて見えるので、左を向いているのが嫌いなプレーヤーに向いていると思います。右を向いていてもつかまるヘッドなので、試す価値はあると思います。

小島: 見た目とちょっと違って、しっかりつかまるんだけど、それでいてスピンも入るという。なかなか特徴的なヘッドだと思います。

みんなのゴルフダイジェストYouTube「みんゴル試打班ガチギアトラック」では、キャロウェイ『ELYTE ♦♦♦ TD』のオフセンターヒットした時の寛容性など、さらに細かな考察を行っているので、より詳しく知りたいという人は、そちらもぜひご視聴を。

▶▶▶オフセンターヒット検証の動画をチェック!

関連記事はこちら

This article is a sponsored article by
''.