
全英オープンの出場権を獲得したタイの26歳、サドム・ケーオカンジャナ(PHOTO/Getty Images)
26歳のサドム・ケーオカンジャナは、最終日に首位が7回入れ替わる接戦を制しチャンピオンに輝いた。ウィニングパットを沈め仲間からウォーターシャワーの祝福を受けると「優勝できて光栄です。この地域最大の大会の1つですから。昨日までより集中力を高めて勝ち切れて嬉しい」と感無量の表情を浮かべた。
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youtu.beタイの男性は20歳になると仏陀の教えを学ぶため、期間の長短はあるものの僧院に入ることが多い。ケーオカンジャナも23歳のときに修行のため競技ゴルフから離れた時期がある。「最大の功徳を積み両親に恩返ししたかったので出家しました」と当時語っていた。
剃髪しオレンジ色のけさをまとい、托鉢し瞑想する日々。
「出家していたときは俗世間から隔離されていたので心が穏やかでした。集中力も高まりゴルフにも効果があると感じました」
ジュニア時代から卓越した才能を発揮していたケーオカンジャナは出家する前の年(22年)、シンガポールオープンで優勝しており、その資格で聖地セントアンドリュースで開催された第150回全英オープンに参戦している。しかも11位タイの好成績。あと1打よければ8位タイで翌年の出場権をつかめるところだった。しかしトップ10入りには届かず、2年連続で全英オープンに出場する代わりに23年夏に仏門に入った。
出家といっても生涯ではなく数カ月。それでも翌24年にゴルフに復帰すると精神修養の成果が出てアジアンツアー賞金ランク10位。今年は1月にフィリピンで2位、今季6試合目の出場で勝利を収め、同ツアーの賞金ランク1位に躍り出た。
セントアンドリュース以来の出場となる今年の全英の舞台はロイヤルポートラッシュ。貴重な出場権を得た彼は「正直すごく興奮しています。練習の成果が出ているので全英には自信を持って臨みます」と意気込んでいる。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年6月17日号「バック9」より