「よし、ここは頑張るぞ!」 ダボを叩いた後、ベストスコアが見えたとき、つい口にしがちな言葉だが、言葉どおり本当に「頑張れた」ことってありますか? そもそも「頑張る」とは何なのか。その正体を「月刊ゴルフダイジェスト」の7月号では取材している。「みんゴル」ではその取材内容の一部を紹介しよう!
画像: 青木瀬令奈が「頑張る」ときに何をする?

青木瀬令奈が「頑張る」ときに何をする?

確実にできることを確実に実行する

ミスした後のリカバリーショットもそうだし、パー5の「3打目勝負」などは、無理はしないと言いながらもバーディチャンスにつけたいという欲はあるはずで、プロだってそこでは「頑張って」いるはずだ。

女子レギュラーツアーで“もっとも飛ばない選手”でありながら、長年シードを守り続け、2023年には2勝を挙げた青木瀬令奈。青木はパー5はほぼ2オンできないので常に「3打目勝負」だ。その「勝負」の詳細こそが「頑張る」の答えなのではないか。

「パー5ではバーディがほしいので、無理はしませんが『頑張り』ます。3打目勝負するうえで一番大事なのは実は2打目。2打目を成功させられれば3打目をいいライの得意な距離から打てるので、バーディチャンスにつけられる可能性は高まります。その意味では3打目で『頑張る』のではもう遅いんです」

【CASE1】パー5の3打目勝負
3打目で“勝負”するために2打目の計算が大事

画像: 3打目をベストポジションから打つために2打目に全集中。状況を緻密に計算して判断を「頑張る」が、ショットは難しい選択をせず、いつもどおりのショットを実行することに「頑張る」

3打目をベストポジションから打つために2打目に全集中。状況を緻密に計算して判断を「頑張る」が、ショットは難しい選択をせず、いつもどおりのショットを実行することに「頑張る」

3打目に残る状況を想定して2打目を判断。3打目をどこからどの番手で打ちたいかを前提に、風や落下点の傾斜、地面の硬さなどを考慮して2打目を決めるが、決して無理はしない。

さらに話を聞いてみると、「頑張る」のはショットではなく判断と準備なのだと言う。

3打目をベストな位置から打つために、2打目の落下点の傾斜や地面の硬さまで考慮して正確なキャリーとランを算出。そこに落とすために風を入念に読み、ライに気を配って、番手と球筋を決める。この準備こそが「頑張る」の正体なのだ。

Point!
自分の距離はもちろんレイアウトも正確に把握

画像: 判断を「頑張る」ために、距離やレイアウトを“頑張って”チェック!

判断を「頑張る」ために、距離やレイアウトを“頑張って”チェック!

判断を「頑張る」には、風やライなどの状況判断や、自分の番手ごとのキャリーやランを正確に把握しておくことはもちろん、レイアウトを細かくチェックしておくことも重要なポイントだ。

「ここまで入念に準備して、スウィングも全力を尽くしますが、難しいショットはしません。そのうえで結果は100点を前提とせず70点を基準に考えます。その結果100点のショットが出れば最高だけど、70点のショットでも3打目をそこそこの状況から打てるような狙い方をするようにしています」

リカバリーショットも考え方は同様。ミスを取り返そうと難しいショットにチャレンジするのではなく、普段どおりの確実性の高いショットで攻め方を構築し、その準備と、確実に実行することを「頑張る」。それが成功したならば、ミスの連鎖は避けられるし、いずれ必ずチャンスは来る。難しいことを「頑張る」わけではないことがポイントだ。

【CASE2】スタイミーのトラブル
木に“絶対”当てないために打ち出し方向に全集中!

画像: ピンを狙うには木がジャマだが、木を避けるために低い球を打ったり球を曲げるなどの難しいショットは打たない。確実に実行できるショットで絶対に木に当てないために「頑張る」のだ

ピンを狙うには木がジャマだが、木を避けるために低い球を打ったり球を曲げるなどの難しいショットは打たない。確実に実行できるショットで絶対に木に当てないために「頑張る」のだ

技術的に一番簡単なショットを選択。2打目は木に絶対に当てないために、ミスの出にくい「簡単な」ショットで確実にグリーン周りまで運ぶことが最優先。「頑張る」のは次のショットだ。

POINT!
打ち出し方向だけを考えてショットしたい

画像: 練習で打ち出し方向を確認!

練習で打ち出し方向を確認!

やることを決めたら、絶対に木に当てないために打ち出し方向に集中してショット。打ち出し方向の管理はマネジメントにおいてとても重要なので、普段から重視して練習しよう。

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青木瀬令奈の「頑張る」を理解したが、ほかのプロはどうなのか? 「月刊ゴルフダイジェスト」では生源寺龍憲や阿久津未来也など国内男子プロに確認している。また、青木瀬令奈や安田祐香らのコーチである大西翔太がアマチュア向けに「頑張る」実践方法を紹介している。詳しくは現在発売中の「月刊ゴルフダイジェスト」7月号か下記のMyゴルフダイジェストにて!

▶▶▶Myゴルフダイジェストで「〝頑張る〟正体って何だ!?」を読む

構成・文/鈴木康介
写真/大澤進二
イラスト/小島サエキチ 

※月刊ゴルフダイジェスト 2025年7月号「〝頑張る〟正体って何だ!?」より一部抜粋

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