
林 菜乃子
1997年5月17日生まれ。神奈川県出身。クラーク記念国際高校卒。2018年プロテスト合格(90期生)。18年のステップ・アップ・ツアー「京都レディース」でプロ初優勝
「行くまでにクラブをたくさん用意しました」

左から:西脇まあく、呉本里恵子キャディ、林菜乃子、ジャーマイアス賢三トレーナー
全米女子オープンはずっと出たかった大会です。コロナ禍もあって日本の予選会にはなかなか出られなかったのですが、2回目の挑戦で出場権が獲得できました。
まずはエリンヒルズのことを調べました。ネットの記事や動画を見て地面が硬い、風の影響が大きいことなどを把握。行く前にクラブだけは準備しようと思い、ローバウンスのウェッジ、ロフトを立てたドライバー、風に流されないように球の高さが出ないUTや6Iなどを用意しました。パターもロフ
ト違いを数本。クラブは全部で20本以上になりました。
全米女子オープンの会場は大会前週の土曜日から回れるので、その週の国内ツアーはお休みにして、土曜日に出発し、土曜日にアメリカに入りました。時差ぼけを想定していたのでその日は1日ホテルでのんびり。今回のチームメンバーはキャディの呉本里恵子さん、クラブやプレー面をサポートしてくれる男子プロの西脇まあくさん、トレーナーのジャーマイアス賢三さんの4人。通訳は賢三さんがペラペラなので何も問題なかったです。
レクサスのコーテシーカー※がお出迎え(※選手が移動する際の専用車)
宿はオフィシャルのホテルにしました。キッチンがついていて自炊も出来ましたが、食事はすべて外食にしました。料理する時間はあるのかな? 作業分担はどうしよう? そんなことを考えるのが面倒になってしまって。同ホテルには、選手がたくさん泊まっていました。アメリカの空港に着くとコーテシーカーがお出迎えです。「さすが、海外メジャー」って感じでしたね。
「日曜から18ホールの練ラン。コースが広すぎ」
日曜からさっそく練ランです。海外メジャーは初めてでしたし、コースを覚えるのに時間がかかると思ったので、とにかくコースを見て回ろうと。日曜は18ホール回りました。最初の感想は「コース広すぎ! 」フェアウェイの幅は日本の倍はあります。ただ、リンクスっっぽいと聞いていたのにアップダウンが激しかったです。フェアウェイもグリーンも傾斜が沢山あってマウンドだらけです。
「かっちゃんと練ラン。外食は少し後悔……」
月曜は仲良しのかっちゃん(勝みなみ)とアウトの9ホールを回りました。久しぶりに一緒にゴルフして楽しかったです。夕飯も一緒に食べましたが、外食は少し後悔しちゃいましたアメリカは脂っこいものが多すぎです。いつも半分くらい残していました。
夕飯はすべて外食。白米が恋しい

日本ではグルテンフリーを意識している林
私、日本では小麦を食べないんです。アメリカはほぼほぼ小麦。すぐに白米が恋しくなりました。
「憧れのチョン・インジ選手と回れてびっくり」
火曜はイン、水曜はアウトを回りました。火曜はずっと憧れていたチョン・インジ選手と回ったんです。本当に偶然で自分の組に貼ってくれたんです。めちゃめちゃ優しく日本語で「今週、ガンバレ」って言ってもらえました。
海外の選手はみんな背が高い

林菜乃子の身長は154㎝程
実は月曜にロッカーでチョン・インジ選手を見かけたんですけど、勇気がなくて声をかけられなかったんです。それがまさか火曜に一緒に回れるなんて……
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林菜乃子の初挑戦は、惜しくも予選落ちとなってしまったが、後編ではコースから学んだマネジメントやゴルフへの向き合い方など、“ゴルフ観”がどのようにして変わったのかお届けする。続きは週刊ゴルフダイジェスト6月24日号、Myゴルフダイジェストで掲載中!
PHOTO/本人提供写真
※週刊ゴルフダイジェスト6月24日号「林菜乃子の全米女子オープン奮闘記」より