プロゴルファー西川哲
19歳でプロテストをトップで合格（当時の最年少記録）。レギュラーツアー3勝の実績を持つ。現在は「バーディ赤坂24」を主宰。なお、バーディ赤坂24では初回【無料体験レッスン】を実施中
きれいなスウィングはリズムと効率的な体の使い方から作られる
西川にとって伊澤利光は中学の時に知り合い、互いの家を行き来して練習や合宿、そして同じ高校に進学するくらい仲の良い存在だった。
「年齢は一つ違いでしたけど、一番仲が良かったんじゃないですかね。僕が中学3年、伊澤さんが高校1年の時の日本ジュニアで、僕が暑さで鼻血が出ちゃったんですよ。中々止まらなくて競技員が来て棄権することになったんです。医務室で『親父にバレたらただじゃ済まされない』と思いながら、点滴を受けていました。
そしたら伊澤さんが来て『何で来たの、試合は？』って聞いたら、名前を書き忘れて失格になったと言い出したんです。伊澤さんのお父さんも厳しい人で、2人して真っすぐ家に帰れないと話したんです。その結果、僕の兄に相談したら『俺のメンバーコースの宇都宮国際はロッジがあるからそこに隠れろ』って言われて、2人で1週間くらいいましたね（笑）」（西川・以下同）
高校に入学してからも合宿や試合で共にし、1985年の緑の甲子園では団体戦で全国優勝を果たすなど、日体荏原の黄金期を支えた。プロ入り後もツアー優勝を果たしキャリアを重ねても戦友の間柄は変わらなかった。
伊澤利光といえば美しいスウィングで、大きな飛球を繰り出していた。日本ゴルフ界の歴史の1ページとなった2001年のマスターズでは当時の日本人最高の4位タイに入り、ゴルフ界の巨匠アーノルド・パーマーから「キング・オブ・スウィング」と称された。世界から称賛された伊澤の機能美は、誰よりも間近で見ていた西川も感銘を受けたという。そして綺麗なスウィングと語られるゴルファーには特徴があると話す。
伊澤利光の機能美は世界のゴルファーから称賛を受けた/98年撮影
「スウィングが綺麗か汚いかの基準は動きのリズムと、理にかなった体の使い方の組み合わせだと考えています。
綺麗なスウィングと言われる人たちは、同じリズムで理にかなった体の使い方をしているんですよ。高校時代は伊澤さんの他にも丸山茂樹がいましたけど、2人と僕は圧倒的な練習量をこなしていました。多くの球数を打つリズムがずっと一定なんです。それに加えて理にかなったの体の使い方をするので、綺麗なスウィングになっていったと思っています」
効率よく体を使い、なおかつ圧倒的な練習量で反復していたからこそ、綺麗なスウィングが自然と完成されたわけだ。
