
昨年行われた「富士屋ホテル仙石ゴルフコースU22ゴルフ選手権大会」
本大会はU22が示すように22歳以下の小学生から大学生までを対象としている。特徴的なのは、それらの参加選手が1台のカートに同乗して、上級生は下級生をいたわり、お互いのプレーに賛同し合いながら、ルールとマナーを守るプレースタイルにある。この取り組みは多くの関係者から高い評価を受けているという。
「全国あちらこちらで行われているジュニア競技では、スコアに執着するあまり、ボールを動かすズルや、スコアをごまかしたりする例が後を断ちません。こんなスコア一辺倒主義を打破して、ゴルフは楽しいんだ、と子どもたちに植え付ける試みのこの大会は、ほんとに意義があると思いますよ」(TV解説者、タケ小山)
募集人員は小学生(高学年)、中学生、高校生、大学生とも各男女25名。参加資格は以下。小学生の部(13年4月2日~16年4月1日生まれ)。中学生(10年同~13年同)。高校生(07年同~10年同)。大学生(03年同~07年同)。
参加方法は同ゴルフ場ホームページ参照。競技方法は18ホールストロークプレー(スクラッチ)による各部団体戦および個人戦。団体戦があることもゴルフを楽しむもう1つの要素であろう。
ドレスコードも決められている。「練習ラウンドおよび大会当日はカーゴパンツ禁止」、「シャツは襟付きとし、パンツの中にしまうこと」の2つ。
大会会場となるのは、箱根振興を目的として設立された富士屋ホテル仙石GCだ。開場は今から108年前の1917年(9ホール)、日本のゴルフ場で7番目にできた歴史を持つ。初期設計は東京GC駒沢を設計したF・T・コルチェスター。横浜根岸の競馬場にあったコースの会員で第2回日本アマの優勝者でもある。
その時代、コース設計などできる日本人はいなかったのである。時の皇太子(昭和天皇)も来場している。その後、経営は現在に続く富士屋ホテルに委譲されて18ホールとなった。後期設計は赤星四郎。終戦後、米軍が接収した折には日本を統治したマッカーサー、後に大統領となるアイゼンハワー両元帥も来場している。
大人がジュニアたちにこんな日本のゴルフの歴史を伝えるのも有意義なことではないだろうか……。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年6月24日号「バック9」より