
暫定首位にたったサム・バーンズ(PHOTO/Getty Images)
パットが上手いのはなぜか? という質問にバーンズは明確な答えを出した。
「とにかく練習すること」
試合に出ていないときはホームコースのスクワイヤ・クリークCCの練習グリーンで膨大な時間を過ごしさまざまなドリルに取り組んでいる。最近は1歳の息子ベア君を芝生に寝転がせて子守りをしながら練習することも。
地道な練習の成果を全米オープンという最高峰の舞台で発揮しているバーンズについて、練習ラウンドを一緒に回り、遠征中同じ家を借りてシェアする親友スコッティ・シェフラーはこう語る。
「彼は基礎がしっかりしているうえ、感覚も鋭い。対応力がずば抜けているんだ」
大会側(USGA)は予選ラウンドのペアリングに趣向を凝らしているがバーンズの組はデニー・マッカーシーとニコ・エチャバリア。彼ら3人は目下ツアーのパッティングデータのトップ3。なかでも今週のバーンズのパッティングは秀でている。
「芝にはさまざまな凸凹があって、スピードによってボールの転がりはまちまちです。パッティングで完璧を求めすぎると調子が狂ってしまいます。だからラインをしっかり読んだら良い転がりとスピードに集中して、うまくいくように祈るだけです」
先週のRBCカナディアン・オープンでは最終日に62をマークしプレーオフに進出したが4ホール目でライアン・フォックスに敗れツアー6勝目を逃した。しかし好調さは今週も続いている。
最終9番(10番スタート)では距離の長いパーパットを残したが微妙なスライスラインを読み
切りジャストタッチでカップイン。
大会初日の上がり4ホールで2ボギー、1ダブルボギーを叩き上位争いから一気に転落し「残念だった」と語ったが「悪かったことにこだわるより良いこともたくさんあったと思うことにする」と気持ちを切り替えた。
今回でメジャー21回目の出場だが、じつはトップ10入りは昨年の全米オープン1回だけ。しかし12カ月前のメジャーで学んだことは大きかった。
「パッティングと同じで(メジャーでは)
完璧を求めすぎないことが大事。特にこのコースは難しいので無理にコントロールしようとしてはいけない。いいショットがラフに捕まったり悪い場所に転がったりする。それを受け入れて自信を持ってプレーするしかないのです」
親友シェフラーは2日目を終え通算4オーバー暫定23位タイ。バーンズは本命に絶対的アドバンテージを持って決勝ラウンドに進む。