今季序盤8戦が終了。20代前半の若手から30代の中堅まで5選手が初優勝。「週刊ゴルフダイジェスト」の7月8日号では、彼らのドライバースウィングを男子ツアーの大先輩、合田洋が解説。「みんなのゴルフダイジェスト」では金子駆大、生源寺龍憲の2人のスウィングをお届けする。

解説:合田 洋プロ
1964年生まれ。1994年日本プロ優勝。現在は自身主宰のGスタジオでゴルファーを指導。スウィング分析に一家言あり

【関西オープン優勝】金子駆大

ポテンシャルがすごい !

1998年5月15日生まれ、山口県出身。岡山県作陽高では渋野日向子と同級生。昨年初シード、今季序盤の8戦でトップ10が5回

平均飛距離:285Y(77位)
FWキープ率:63.0%(5位)
トータルドライブ:82(4位)

画像: 関西オープン優勝時の金子(撮影/有原裕晶)

関西オープン優勝時の金子(撮影/有原裕晶)

顔の向きが、緩やかな動きを作る

今季初優勝を果たした5選手だが、「いずれも個性的なスウィングを持つ選手ばかり」と合田プロ。

高校卒業後、大学へ進学せずに即プロの世界に飛び込んだ金子駆大。現在パーキープ率が1位、フェアウェイキープ率が5位と、正確なショットを武器に躍進している。

画像: 合田が話すようにバックスウィングで顔を飛球線後方に向ける特徴的なスウィングを持つ金子

合田が話すようにバックスウィングで顔を飛球線後方に向ける特徴的なスウィングを持つ金子

「まず特徴的なのが、見てわかるように顔の向きです。バックスウィングで顔を右方向に向けながら右に体重移動してクラブを上げ、コンパクトな位置にクラブを収めます。そこから、脚がガニ股になるように踏み込んで左へ体重をシフト。ダウンスウィングではその左ひざが流れないようにしっかり我慢して、インパクトではひじや左肩をアドレス時と変わらない高さに保って球をとらえています。この形だけを見れば顔が右を向いていたなんて考えられないくらい完璧なインパクトです。
 
個性的なスウィングですが、3メートルくらいの巨人がクラブを振った感じを、177センチ(金子の身長)の人がやるとこういう感じになるのかなという印象。つまり、クラブの動き自体はものすごく緩慢になるので、フェース面が長く変わらないで球を打てる。球は曲がらないだろうし、球を左右に曲げるのも簡単。球の打ち分けがしやすいスウィングとも言えます。ドライバーは曲がらず、パーをキープしながらバーディを狙える試合巧者のプレースタイルがスウィングからうかがえます。
 
顔がずっと右に残っているのは世界的にも珍しく、強いて言うのであればリー・ウエストウッドくらい。でもスウィングだけを考えれば、私には金子プロのほうが良く感じます。
 
顔を右に向けるのは体を深く入れたいからでしょう。逆に言うと体がかなり硬そうなのが心配。もう少し体全体の柔軟性が出てきたら飛距離も伸びるはずですし、ケガのリスクも下がる。ものすごいポテンシャルの持ち主で将来が楽しみな選手。期待しています」(合田プロ・以下同)

【東建ホームメイトカップで初優勝】生源寺龍憲

現在賞金ランキング1位

1998年5月15日生まれ、山口県出身。岡山県作陽高では渋野日向子と同級生。昨年初シード、今季序盤の8戦でトップ10が5回

平均飛距離:300Y(21位)
FWキープ率:53.2%(68位)
トータルドライブ:89(22位)

画像2: 新ヒーローが続々誕生! ツアー初優勝の金子駆大、生源寺龍憲のスウィングを合田洋プロが解説

アーリーコックと太くぶれない軸

画像: アーリーコックが特徴的な生源寺のバックスウィング

アーリーコックが特徴的な生源寺のバックスウィング

「始動で手元の位置を変えずにヘッドだけ大きく動かしていきハーフウェイバックからその手首の角度を保って上げます。切り返しで左右の股関節を同時に動かすため、タイミングが少し変則ですが、そのぶん、球が飛ぶはず。脚がアクティブに動いてダウンスウィングで左ひざが流れそうなのが気になりますが、軸が太くしっかりしているのでそれをカバーできています。強いフックグリップで、フェード一本で勝負する選手だと思います」

PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Hiroaki Arihara
※今季スタッツや成績は6月23日現在

※週刊ゴルフダイジェスト7月8日号「祝・初優勝 5人のスウィング」より

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本誌では、金子駆大と生源寺龍憲の他、前澤杯を制した小西たかのりやテンフィンガーグリップが特徴的な清水大成、プロ9年目にして悲願の初優勝を達成した阿久津未来也のスウィングを掲載。続きはMyゴルフダイジェスト、週刊ゴルフダイジェスト7月8日号にて掲載中!

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