とくにロングアイアンでの使用が好感触!
4代目となるNEW「T-シリーズ」4モデルを見比べると、前作同様T100が一番小振りなヘッドで、数字が大きくなるにつれ少しずつヘッドサイズが大きく見えたりソール幅の厚みが出てくる。モデル自体は、4種以外に「T350」もラインナップされているようだ。もちろん、全番手同じモデルを投入する選手もいるが、今回テストをしていたプロに話を聞くとロングアイアンだけ違うモデルを投入する“コンボセッティング”にするのが男子ツアーではトレンドであり、スタンダードになりつつある。
その大きな理由が“スピン量と球の高さ”だ。男子プロといえど、ロングアイアンになるほど球の高さを楽に確保したいと考えていて、その最善策としてコンボにするというわけだ。

左上からT100、T150、左下からT250、U505
「T100はラフからでもしっかりスピンが入ってくれる」(勝俣)
T100の3Iを試していた勝俣陵は、テストをして、今週のサトウ食品から投入することを決めた。これまでは前作のT200を入れていた。

勝俣陵(かつまたりょう)。ツアー初優勝を目指す29歳
「球が簡単に上がってくれるのが決め手です。スピンも少し増えたし、飛距離も出ていますね。正直、フェアウェイからはどれもいいんです。僕はラフから打った感じがすごく良くて投入を決めました。ラフからだと打点がズレやすいですが、これは少しズレても変わらずにしっかり飛んでくれる。フェースの下目に当たってもスピンが落ちることもなかったですね。ミスヒットにかなり強いと感じられたので、ラフからの安心感が増しました」

ややロフトを寝かせてグース感を抑えた勝俣仕様のT100
勝俣はT100よりややヘッドが大きめのT250もテストをしていたが今回はT100を選択。理由はやはりラフから感覚、特に“抜け感”にあるという。
「T250もすごくよくて、フェアウェイからだとこっちのほうがいいと思えるくらいでした。でも、ラフからの抜け感やつかまりすぎない感じを考えるとT100のほうが僕には合っているなと。加えて、T100の顔と打感も好きなので、今回はT100を選びました」
「フェース面の塗装がややマットに。これは僕の好みです」(米澤蓮)
現在平均ストローク1位と好調をキープする米澤蓮は、T100とT250、U505の3タイプをテスト。T100は5Iから9Iまで、T250は4I、U505は3Iとして投入を考えている。

米澤蓮(よねざわれん)。今季は安定感したプレーで現在賞金ランク4位
「3タイプとも球が上がるようになって、スピンもしっかり入るのでやさしい印象です。全体的に同じイメージで構えられるので、モデルを変えてコンボセッティングにして違和感ないですね。ロングアイアンでテストをしたU505は、それなりに厚みがあるので構えた時に球が上がりそうな安心感も持てますね」と、3タイプとも好感触の様子。とくに米澤が気に入ったところはフェース面の見え方だという。

前作に比べてフェースの左右部分のミラー感がマットっぽくなった
「前作と違う所はフェース面の塗装が変わったところですね。フェースのミーリング部分ではないところが少しスモークがかっているようなマットな仕様になっていて、逆光でも光らないし、構えたときに少し締まって見えるようになっています。一体感が生まれていて、この部分は僕の好みですね。U505に関しては球がしっかり上がるのと、全モデルよりも弾き感があり球が強い感じがしたので距離を出したいときに使えますね。ティーショットやちょっと飛ばしたいレイアップなど。それでいて、球の高さも確保されるので長いパー3などでもグリーンも狙っていけますね」
どのモデルにも好感触を見せた米澤、新モデルを投入する日は近そうだ。

「球に強さがある!」と米澤
「T250はしっかりスピンが入って十分な高さを出せる!」(下家)
4Iの投入を検討するT250に十分な手応えを感じた下家。「球の質が良い感じがしますね。スピンも入りますし、球の高さもしっかり出てくれる。飛距離も出てくれたので進化をかなり感じました。ティーショットや距離のあるパー3で使えそうな感じです。見た目も良いので、もう少しテストして投入を考えたいです」

下家秀琉(しもけすぐる)。プロデビューした昨年にチャレンジツアーで初優勝を挙げる
ツアーで1打を争うプロにとってクラブ選びは当然ながら超重要事項であり、自分の感覚に少しでもマッチしていなければ試合で使うには至らない。そんな選手たちがこれほどまでに手応えを感じている様子こそ、NEW Tシリーズの実力の証明だろう。
撮影/大澤進二