ジェネシス・スコットランドオープンは、PGAツアーとDPワールドツアー(欧州ツアー)が共同で開催する大会だ。
「この大会には普段DPワールドツアーを主戦場とする選手も多く参加するため、世界トップレベルの選手たちが一堂に会するハイレベルな戦いが繰り広げられます。そしてこの大会は全英オープンの前哨戦でもあります。世界のトップレベルの選手たちが集結するので、単なる前哨戦以上の価値を持ちます」(以下、杉澤)
今年のジェネシス・スコットランドオープンの舞台は、ルネッサンスクラブ。
「ルネッサンスクラブは名匠トム・ドーク設計のコースで、2019年からこの大会の舞台を務めています。そしてなんといってもこのコースは海岸沿いの砂地に作られたリンクスコース。海からの強風や硬い地面、そして予測不能な天候が特徴で、通常のコースとは全く異なる戦略と技術が求められます」
今回のコースには主に3つの特徴がある。

ルネサンスクラブNo.13。杉澤のいうとおり、起伏があることが見てとれる(PHOTO/Getty Images)
「まず、海風の影響が大きいです。海からの風は潮も含んでいるせいか、重い風です。そのため、ボールが思ったよりも飛ばないことが多々あります。次に硬い地面です。地面が硬いとボールが転がりやすく、アプローチの距離感が難しくなってきます。最後に変わりやすい天気ですね。海沿いということもあり、1日の中でも天候が変わりやすく、柔軟な対応が必要になってきます。リンクスコースでのプレー経験が少ない選手は、クラブセッティングから見直す必要がありますね。また、スタンスを広くして重心を低くするなど、風対策も重要になってくると思います」
そして、このコースは一般的なリンクスコースとは異なり、フェアウェイに起伏があるのも特徴の一つ。
「一般的なリンクスコースは平らなコースが多いです。しかし今回のこのコースはフェアウェイに起伏があるのが大きな特徴です。またこのコースのバックナインには、モンスターホールが待ち構えていて、最後まで気の抜けない展開が予想されます」
DPワールドツアーの公式Xでルネサンスクラブの紹介動画をチェック
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x.com今大会には、久常涼プロ、星野陸也プロに加え、普段DPワールドツアーを主戦場とする桂川有人プロ、中島啓太プロも出場を予定している。

今大会に出場する日本人選手は4人。左から桂川有人、中島啓太、久常涼、星野陸也
「特に桂川有人は、先週のDPワールドツアーで上位の成績を収めており、その勢いを今大会に繋げたいところです。また、今回出場している日本人選手は海外での大会がホームになっているので、ディスアドバンテージはなく、しっかり戦えると思うので、是非注目して見てほしいです」
海外選手は誰に注目すべきだろう。
「昨年この大会で2位のアダム・スコットにもぜひ注目して見てみてください。彼は、元々DPワールドツアーを主戦場としており、全英オープンでの優勝争い経験も豊富です。PGAツアーの顔となった今でも、リンクスコースでの強さを発揮できるか、そんなプレーに期待が高まります」
全英オープンの行方を占ううえで、見逃せない戦いとなるジェネシス・スコットランドオープン。果たして、風とリンクスを制し、栄冠を手にするのは誰か。
なお、U-NEXTでは、佐藤信人プロによるマニアックな解説と共に、週末の熱戦を日本語実況でお届けする。
U-NEXT 木村真希