もし理系と文系があるとしたら、あなたはどちらですか? 今回、週刊ゴルフダイジェスト7月22日号では“理系”のゴルファーたちに話を聞いてみたら、こだわりがゾクゾクと……。「No Data No Golf」。ここに上達のヒントが隠れているかもしれません。「みんゴル」では3回に分けてご紹介。【3回中3回目】
 
▶『振り幅基準』を作ってパッティングに開眼! 数値なくして上達なし【理系のゴルフ①】
 
▶理系のゴルファー対談。「本・データー・AI・YouTube…すべてを活用して導き出すのが私たち流」【理系のゴルフ②】
画像: 学びにも教えにも“理系脳”を使う。「テクノロジーの進歩で、理系ゴルフを生かせる」【理系のゴルフ③】

井上透(プロコーチ)

「理系か文系かで分けると確実に理系ですね」というプロコーチの井上透。近年、データ計測機器も進歩してきたが、これにより理系のゴルフが生かしやすくなったという。

「トラックマンやGCクワッドの登場によって、いわゆるクラブの先端部の挙動やボールの飛び方、なぜミスショットが起こるのか、なぜ自分のボールがフックしたりスライスしたりするのかなど見えなかった世界が見えてきた。推測ではなく実測によって、何を行えばいいかということが、ナイスショットからの逆算でできるようになりました」

ただし、理系のゴルフには落とし穴もあると井上。

「自分なりの勝手なルールで作った方程式を使ってしまうと上手くいかない。正しい軌道はこうだと仮説を立てながら、別の部分でそれが解けない大前提となるアドレス(方程式)を作ったりする。重心はここにあるべき、ボール位置は左足かかと内側に置くべき、グリップはここから振るべきなど“あるべき論”を重ねていきながら、なぜかそこにクラブパスというデータを入れ込んでいく。すると、絶対に解けない問題になってしまう。そういう人は、頭が固くて本当の意味で理系ではない。文系と理系のミックスみたいなことをやっている。完全なる理系のマインドであれば、無制限にその方程式を書き換えればいいんです」

画像: これ以上機器は進歩するのか?「スマートグラスなどで、自分の動きをいろいろな角度から俯瞰して映像で見る、などができるかもしれませんね」

これ以上機器は進歩するのか?「スマートグラスなどで、自分の動きをいろいろな角度から俯瞰して映像で見る、などができるかもしれませんね」

理系脳こそ、やわらかいのである。

「ありとあらゆる手段を無制限に試しながら、ただただデジタルデータと向き合いながらやる世界が理系のゴルフです」

特に指導者として、理系のゴルフが基本にあってよかったと語る。

「球が曲がるか曲がらないかを確定しているのはインパクト時のクラブが当たったその瞬間です。まず、トラックマンやクラブモーションでなぜこの球が真っすぐ行かなかったのかというのを客観的に見ます。また、クラブの先端部の挙動を生み出しているのはクラブ全体の動き。だから今度はギアーズやカタリストなどを見て、『クラブ全体がこう動いてる、ではなぜその動きをしているのか』ということを推察し、その人の体感の部分を作っていくんです」

ただ、最近ではデジタルとアナログは共存していることも理解していると井上。

「むしろデジタルのほうがいらないかもしれません。その辺はまた近々お話ししますね」

「ゴルフを学問としてとらえています」
あらゆる雑誌や本を読んでいろいろな知識を詰め込んできたという井上。「なぜそうなるかを知りたかった。最近では脳科学や行動経済学の本、物理書も読みます」

画像: 井上プロコーチ

井上プロコーチ

THANKS/True Golf academy
PHOTO/Tsukasa Kobayashi
※週刊ゴルフダイジェスト7月22日号「理系のゴルフ」より一部抜粋

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