事業を停止していたゴルフ場を地元企業や会員が尽力し再開の途に。そんな地域貢献のモデルのようなケースがあるので紹介しよう。
画像: 能代CCは1965年に秋田県で3番目に開場した歴史あるコースだ

能代CCは1965年に秋田県で3番目に開場した歴史あるコースだ

秋田県八峰町にある能代CCは旧経営会社が23年、事業停止後にコースを閉鎖、破産手続きを開始した。これを知った地元企業と元メンバーが立ち上がり再興に向け行動。能代電設工業、大森建設、能代資源、幸和機械、山本酒造店の地元5社と8人が計4500万円を出資して、昨年3月に八峰しらかみ㈱を設立。経営陣も整えた。

再開を期してまず始めたのはコース整備だ。復旧作業の中心となったのは元従業員、新体制で統括支配人を務める川尻政行氏。閉鎖してから荒れていたコースの整備を始めたのは、昨年6月からという。

「松くい虫にやられたクロマツが倒木すると危険なので、238本(全体の95%)伐採しました。代わりに別の品種を植栽し、モミジやサクラ、常緑樹など40種750本ほど、他にアジサイやハギなど13種1722本株の苗木も植えました」(川尻氏)

また、乗用カート道路も整備し、ナビゲーション機能も備えた。ハウス内のトイレなどもリノベーションしている。さらにゴルフ場の営業では東北初という「5人プレー」や、カートのフェアウェイ乗り入れや、歩きプレーを希望する客向けに自動追尾式のカートを5台導入する。

運営は会員制で旧会員を中心に会員募集中。正会員で入会金16万5000円とし、70歳以上や30歳以下、同時入会は金額が安くなる特典もあり、ゴルフ場の将来を担うであろう若い人には特に金額を安くして入会を勧めているという。現在、従業員数は旧運営のスタッフを再雇用し15名ほどが在籍し、数名の新規採用も予定。クラブハウス内のレストランは地元飲食業者が設立した会社が運営し、地元食材などを使ったメニューも提供する方針。

さらにゴルフだけでなく、アウトドアイベントや、ドローンレースの聖地にもしたい構想もあって夢は広がっている。地元の手によるゴルフ場の再開。地域貢献のあるべき姿にエールを送りたい。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年7月29日号「バック9」より

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