運命の巡りあわせによってスポーツ史に偉業をもたらすことがある。甲子園を沸かせたPL学園の桑田真澄、清原和博の「KKコンビ」が活躍した同じ頃、日体荏原高校に3人のジュニアゴルファーが集まった。伊澤利光、丸山茂樹、そして「今回の連載」の主人公、西川哲である。全国高校団体優勝の主軸として活躍し、日体荏原黄金時代を築いたメンバーのひとり。個人でも関東高校3連覇、日本ジュニアのタイトルも手中に収め、プロ入り後もツアー3勝を挙げた。伊澤、丸山だけでなく、多くのプロゴルファーが一目置く「西川哲のゴルフ」。これまで多くを語らなかった西川だが、その内容は意外なものだった。

肉体のしなやかさが参考にできるかの基準

「ただでさえゴルフが上手いプロゴルファーの中でもさらに上にいるのがツアーを何勝もするトッププロなんです。彼らは特殊能力者なんです」(渡辺)

ゴルフのイロハを習得したうえでオリジナルの型や、常識はずれの方法を編み出し、結果を出しているのがトッププロだ。さらに技術だけでなく身体能力だってトップアスリート。青木と鎬(しのぎ)を削ったジャンボ尾崎の飛距離の秘密を紐解くような雑誌記事が各媒体で取り上げられていたこともある。たしかに細かいテクニックはあったが前提として日本人離れした肉体。バックボーンには甲子園優勝投手に輝いた実績とプロ野球に入団するほどの身体能力があった。

当時、ジャンボと自分を重ねて試行錯誤していたゴルファーも多いはずだ。しかし体つきも違えば身体能力も並ぶことすらできないわけだから、2人がトッププロを真似ることへ注意を促しているのも理にかなっている。彼らの師匠も癖のある打ち方以外にも身長が高く、ジャンボと同様の骨格の違いからくる難しさがある。

画像: 【写真は左から93年の尾崎、82年の青木】尾崎や青木は日本人離れした体格と類まれなスキルを併せ持ったプロの中でも飛び抜けていた。だからこそ「彼らのようなトッププロをアマチュアが真似るのは注意が必要だ」と西川と渡辺は話す

【写真は左から93年の尾崎、82年の青木】尾崎や青木は日本人離れした体格と類まれなスキルを併せ持ったプロの中でも飛び抜けていた。だからこそ「彼らのようなトッププロをアマチュアが真似るのは注意が必要だ」と西川と渡辺は話す

「もしツアープロを真似るならベテランのシニアプロが良いと思います」と西川は言う。さらに「よく男子のツアープロはパワーがあるから参考にするのは難しいので、女子プロを参考にしよう、といろんな媒体で書かれていますが一番しちゃいけないんです」と渡辺も続いて話す。

「連続写真を見ると頭が動かずに上手に重心移動をして球を飛ばしています。あれは体のしなやかさがあるからなんです。一方、アマチュアの方は女子プロよりも力がある方はいるかもしれませんが、一番大切な体のしなやかさがないんです。女子プロは一番対局な存在なんです」(渡辺)

彼女たちは体の可動域の広さとそのしなやかな体をコントロールする技術がベースに備わっているから飛ばせている。しなやかさが不足しているアマチュアが単純な飛距離やスウィングスピードが近い存在だからという理由で女子プロを参考にすることは危険なわけだ。

「僕も若い時は今よりも体が柔らかかったので頭が微動だにせずスウィングすることができていました。しかし歳を重ねるにつれて可動域が狭くなり、トップの位置が浅くなったりしています。今は多少、頭が動いてもいいのでしっかり重心移動を意識して振っています」(西川)

アマチュアのしなやかさのレベルと彼らのようなベテランシニアの肉体レベルは近いところにある。だからこそ参考にできるところが多い。例えば過去に憧れていた選手のスウィングを真似ようとしても諦めた経験があるのなら、現在シニアで奮闘している選手たちを研究することで上達のきっかけを掴めるかもしれない。

つづく

・取材協力/バーディ赤坂24
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