運命の巡りあわせによってスポーツ史に偉業をもたらすことがある。甲子園を沸かせたPL学園の桑田真澄、清原和博の「KKコンビ」が活躍した同じ頃、日体荏原高校に3人のジュニアゴルファーが集まった。伊澤利光、丸山茂樹、そして「今回の連載」の主人公、西川哲である。全国高校団体優勝の主軸として活躍し、日体荏原黄金時代を築いたメンバーのひとり。個人でも関東高校3連覇、日本ジュニアのタイトルも手中に収め、プロ入り後もツアー3勝を挙げた。伊澤、丸山だけでなく、多くのプロゴルファーが一目置く「西川哲のゴルフ」。これまで多くを語らなかった西川だが、その内容は意外なものだった。
画像: 「女子プロの真似は一番ダメ」!? 男子アマに足りない“しなやかさ”が招くスウィングの落とし穴【西川哲のそもそもゴルフ論#9】

プロゴルファー西川哲

19歳でプロテストをトップで合格(当時の最年少記録)。レギュラーツアー3勝の実績を持つ。現在は「バーディ赤坂24」を主宰。
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トッププロを真似るのは危険

雑誌やインターネットで世界中のプロのスウィングをチェックして、真似ようと取り組んだことがあるだろう。手首の角度やクラブの振り方、脚の使い方など、細かいポイントを自分なりにやってみる。しかし上手くいかない。むしろぎこちないスウィングになり上達どころか前よりも下手になったと感じてしまい路頭に迷ったことがあるはずだ。

「ツアープロをそっくりそのまま真似をすると危険なんですよ」と西川は話す。それに続けて「賞金王がやっている練習だったり、他の有名なプロが取り組んでいる方法は基本があったうえでやっていることなので安易に真似るのはおすすめしません」と渡辺司プロも頷きながら同調した。

画像: 「プロの中でもさらに飛び抜けた能力を持っているトッププロをアマチュアが参考にするのは危険」という

「プロの中でもさらに飛び抜けた能力を持っているトッププロをアマチュアが参考にするのは危険」という

大前提としてプロゴルファーは基本が無意識レベルでできる。そのうえで様々な打ち分けや、体の細かい捌き方を増やすために特殊な練習をしている。一方でまだベースができていないアマチュアが雑誌やインターネットで紹介されているトッププロの練習を真似るのは早いし、その前にやることがたくさんあるわけだ。

「強い選手に限ってアマチュアが真似しちゃいけないことをやっていたりするんですよ」と渡辺が言うと西川は笑みを浮かべる。そしてその代表が師匠である青木功プロだ。特にアプローチの打ち方は青木功だからできる神技の領域だと話す。

「僕や哲が青木さんのように打っても同じように寄ることなんてなかったですから。全然上手くいきませんでしたよ」(渡辺)

画像: 真似しちゃいけないトッププロの代表が師匠の青木功だという。誰よりも目の前で見ていた彼らでさえ真似ることができなかった

真似しちゃいけないトッププロの代表が師匠の青木功だという。誰よりも目の前で見ていた彼らでさえ真似ることができなかった

あの独特な打ち方でも精密機械のようにボールとヘッドのコンタクトが正確だからこそ成せる技。目の前で所作を見ていた2人でもできないほど青木はクラブの扱い方や、感覚の鋭さが常軌を逸していた。

「もし青木さんをそっくりそのままやるとしたら、基本的な体の使い方で、寸分の狂いなくボールを芯に当てて飛ばせるくらいのレベルがベースにないとできないですから」(西川)

並外れた練習で技術や基本を身につけたうえで、他のプロとは異なる才能があり、他を寄せ付けない成績を残している。ある種、別次元の人間だからこそ一般のアマチュアが同じように真似るのは危険なわけだ。

▶西川哲、渡辺司が「女子プロを真似してはダメ」という理由とは?

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