USGAが全米35州、117名のゴルフ場関係者などにアンケートを取ったところ、彼らが現在もっとも危惧しているのは、第1に経験、あるいは有能な労働力の不足だという。2番目は水不足で、3番目が異常気象だったと発表した。
画像: アメリカゴルフコース管理者協会のウェブサイトにも掲載されている

アメリカゴルフコース管理者協会のウェブサイトにも掲載されている

すでにトランプ政権では温暖化や気候変動に対処しようとするパリ協定から脱退しているため2番目、3番目の問題は改善の見込みが薄い。そして最も問題とされている労働力不足にいま拍車がかかっているのだ。

アメリカのゴルフコース管理者協会(GCSAA)では「著しい労働力不足により多くのゴルフコースにおいて、必要とされる正規スタッフおよび臨時スタッフを確保するのが困難になっている」と伝えている。それに併いゲストワーカーの規定を含む、移民政策の改革をアメリカ議会に陳情しているのだ。

アメリカにおけるコース管理者の地位は高く、大学出のアシスタントも多い。しかし彼らの指示に従って働く労働者には、移民や中南米系の季節労働者が少なからずいるのだ。特に冬場にクローズする北部や中西部のゴルフコースでは、毎年やってくる経験ある季節労働者が欠かせない。

ところがトランプ政権の移民排除政策で、ゴルフコースに労働者が集まらなくなっているという。例えば、手作業での収穫が必要な農場などでは、すでに深刻な問題となっているところもあるようで、ゴルフコースでもメンテナンスが荒れるところが出てくる可能性が高い。あるいは、グリーンフィーの大幅値上げでもしなければやっていけなくなるところも出てきそうだ。

日本でもいま外国人問題がクローズアップされているが、その国の国民がやりたがらない裏方の仕事を外国人が支えているのは先進国の大きな問題と言えるだろう。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年8月5日号「バック9」より

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