グリーンに乗せる、ピンに寄せるテクニックはスコアメイクに欠かせないが、100ヤード以内のアプローチでは距離の調整が必要なのに、苦手なアマチュアは多い。週刊ゴルフダイジェスト8月5日号では、アプローチにおける距離感についてプロに教えてもらっているが、そのカギは「手前から」にあるようだ。距離感の作り方&生かし方を「みんゴル」では2回に分けてご紹介。【2回中1回目】
画像: 北野正之プロが教える100Y以内アプローチ改善術。「ターゲットラインに目盛りを付けていく」イメージで距離感を作ってみよう【距離感は手前から目線で作る①】

解説/北野正之プロ
女子プロやアマチュアの指導経験が豊富。伸び悩むゴルファーへ「気づき」の指導を得意とし、スウィング理論、メンタル、マネジメントに精通。茨城・サザンヤードCCでレッスンを行う

カートナビやGPSナビの精度が上がっている今

ラウンドレッスンを得意とする北野正之プロは、フルショットではない、コントロールショットの領域、つまり100Y以内のアプローチこそが、スコアに大きく影響すると指摘する。

「100Y以下の状況からグリーンに乗せられるか? この成否がスコアに直結します。アプローチの絶対条件は、まずグリーンにしっかり乗せることです。レーザー距離計やGPSナビが当たり前の今、ターゲットまでの距離を正確に計測できるようになりました。ですが、その距離を打てるかどうかは別問題です。プロはコントロールショットをひたすら練習しますが、アマチュアはほぼしませんよね。そこにアプローチの精度の差があるわけですが、考え方次第で距離の合ったアプローチを身につけることは可能です」

画像: 「アプローチの第一歩はグリーンにしっかり乗せることです。アマチュアは100Y以下でもグリーンを外します。ピンに寄せるのではなく、グリーンに乗せることを最優先にしましょう。今のグリーンは直径30Yくらいの大きさがありますから十分に可能です」(北野)

「アプローチの第一歩はグリーンにしっかり乗せることです。アマチュアは100Y以下でもグリーンを外します。ピンに寄せるのではなく、グリーンに乗せることを最優先にしましょう。今のグリーンは直径30Yくらいの大きさがありますから十分に可能です」(北野)

「大切なのは、自分の感覚を生かすことです。距離感は目線で作られます。100Y以下であれば、目測で距離を測ってみましょう。残りの距離はどのくらいあるのか? その答え合わせとしてレーザーやナビを使ってみてください。そうすれば、感覚(距離感)の誤差を知ることができます。正確な距離や情報がわかるからこそ、目の感覚を磨くことが重要で、それがアプローチの精度につながります。アプローチの距離感が合えば、5打くらい簡単に縮まりますよ」

距離感を養う「2ステップ」

ステップ①距離計測
残り距離の情報をできるだけ集めよう

【ぜひ使ってほしい】カートナビならグリーンの前、奥、ピンの距離がわかる
「カートナビはさまざまな情報が得られます。グリーンの手前、センター、奥、そしてピン位置、これらの距離をチェックし、傾斜も考慮して狙う距離を考えます」

画像: いまやカートにナビが付いているのは当たり前の時代に。活用しない手はない!

いまやカートにナビが付いているのは当たり前の時代に。活用しない手はない!

【使ってほしい】GPSナビならグリーンの奥行きや大きさがわかる

「携帯型や時計型のGPSナビがあれば、グリーンの手前、センター、奥の距離がわかります。グリーンの全体象をつかめば、ターゲットを絞り込めます」

画像: GPSナビを薦める北野プロ。グリーン周辺情報が手に入ることのメリットを説く

GPSナビを薦める北野プロ。グリーン周辺情報が手に入ることのメリットを説く

【悪くはないけど】レーザー距離計はおすすめしない

「レーザー距離計は計測の精度が高いですが、ピンに固執しやすくなります。アマチュアにはあまりおすすめしません。レーザーは上級者向きですね」

画像: ピンまでの距離を高精度で計測するレーザー距離計。しかし、ピンへの意識が強くなりすぎると北野プロ

ピンまでの距離を高精度で計測するレーザー距離計。しかし、ピンへの意識が強くなりすぎると北野プロ

ステップ②距離が把握できたら…
狙う距離に対して“幅”を持たせよう

「プロはショットのとき、左右どちらかを消します。センターから左はOKみたいに。これは距離感も同じ。狙う距離に対して手前か奥か、距離に幅を持たせるとグリーンに乗る確率が上がります」

ピンが50Yの場合

画像: 「ピンが50Yのとき、ピン位置がセンターから奥ならオーバーめに打ちます。逆にピン位置が手前で奥から下り、花道があるなら手前に幅を持たせるイメージ」

「ピンが50Yのとき、ピン位置がセンターから奥ならオーバーめに打ちます。逆にピン位置が手前で奥から下り、花道があるなら手前に幅を持たせるイメージ」

正確な距離感は手前からしか作れない

ここからはアプローチに不可欠な距離感をマスターするためのレッスンだ。北野プロは、

「アマチュアはピンまで60Yだとわかったら、60Yを打とうしますよね。これが大きな間違いです。コントロールショットを練習しているプロなら可能かもしれませんが、アマチュアでは無理です。キャッチボールを思い浮かべてみてください。1mの距離から始めて、1歩ずつ後退しながら徐々に距離を延ばしていきますよね。近くから遠くへ距離を延ばしていくから距離感が合うし、正確にボールをコントロールできるんです。これはアプローチでも同じです。ボールからターゲットに向かってラインを引き、そこに10Y、20Y、30Yと目盛りを付けていく。そんなイメージで距離感を作っていけば、より正確な距離感を自分の中に作り出せるわけです。いきなり60Yを狙うのではなく、手前から10Y刻み(もしくは5Y刻み)で距離を積み重ねていけば、距離感が大きく狂うことはないんです。
 
距離感は1回で決まるものではありません。手前から目線で作っていくのが正解なんです。この距離感がわかると打ちすぎ(振りすぎ)はかなり防げます。これだと強いかもと思ってインパクトが緩むミスも減らせます。あとは、この距離感をどう生かすか、そこが重要です」

北野流「距離感の作り方」の2つのポイント

ポイント① ボール位置から10Y・20Y・30Yと目線で距離を伸ばす
「ボール位置から目線を使い、10Y・20Y と徐々に距離を延ばしていきます。ターゲットラインに目盛りを付けていくようなイメージです。これが正確な距離感を作り出します。最初は10Y刻みから始めてみましょう」

画像: 目線で距離をイメージ

目線で距離をイメージ

「短い距離から徐々に距離を延ばしていくから、距離感が合うんです」

「キャッチボールは短い距離から始め、徐々に距離を延ばしていきます。距離感を合わせるなら手前からが正解なんです。理にかなった方法ですから、ゴルフにも応用できるんです」

画像: 短い距離からが基本

短い距離からが基本

ポイント② ボールとターゲットのラインを横から見れば目盛り付けも簡単
「ターゲットまでの奥行きがイメージしづらいときは、ターゲットラインを横から見てみましょう。横から見れば、距離の目盛り付けは簡単です。これはパッティングでも使えるワザです。覚えておいて損はないです」

画像: 横から見て目盛り付け!

横から見て目盛り付け!

転がしのほうが距離感は合う

「狙う距離に対して転がすほうが、実際にボールが飛ぶ&転がる距離の差が小さくなります。最短距離で狙えるからこそ、距離感が合いやすいのです。まずは転がしから考えましょう」

画像: ランニング=飛ぶ&転がる距離の差が小さい ロブショット=飛ぶ&転がる距離の差が大きい

ランニング=飛ぶ&転がる距離の差が小さい
ロブショット=飛ぶ&転がる距離の差が大きい

▶アプローチの距離感は“素振り”で完成させる! 北野正之プロが教える「インパクトを消す」秘訣

PHOTO/Yasuo Masuda 
THANKS/サザンヤードCC

※週刊ゴルフダイジェス8月5日号「距離感は手前から目線で作る①」より一部抜粋

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