▶北野正之プロが教える“距離感の正解”は「手前から」! 100Y以内アプローチ改善術【距離感は手前から目線で作る①】

解説北野正之プロ
女子プロやアマチュアの指導経験が豊富。伸び悩むゴルファーへ「気づき」の指導を得意とし、スウィング理論、メンタル、マネジメントに精通。茨城・サザンヤードCCでレッスンを行う
距離感に合った素振りで距離感を完成させる
より正確な距離感がイメージできたら、あとは打つだけだ。だが、ここにアプローチの難しさがあると北野プロは語る。
「距離感は感覚ですから、そのイメージのままクラブを振りたいのです。ですが、アマチュアはどうしてもインパクトに意識がいってしまう。インパクトを考えた瞬間、距離感は失われます。これはパットで考えるとわかりやすいです。パットではライン(方向)を考えるとタッチ(距離感)がなくなるんです。では、どうすればいいか? そこで重要なのが素振りです。
プロはアプローチになると何回も素振りします。これは素振りで距離感を高めているからです。ターゲットに対してこの振りでは大きい、この振りでは小さい、そうやって徐々に距離を合わせていいのです。そして素振りのポイントは、いかに頭の中でボールを打てるかです。その映像があれば、距離感のある素振りが可能になります。
アマチュアの場合、上手く当てたいと考えた時点でミス確定です。距離に合わせた素振りをしたら、そのフィニッシュの位置を覚えてください。あとは、その位置まで振り抜くだけです。フィニッシュが決まれば、インパクトは通過点になり、意識から消せます。これなら距離感が最大限に生かせます」
北野流「距離感の生かし方」
3つのステップ
ステップ① 距離をイメージしながら素振り。(頭の中で)ボールを打つ
「手前から目線で作った距離感に合わせて素振り。このとき頭の中でボールを打ちます。その結果、ターゲットに対してオーバーかショートか、その判断で振り幅や力感を調整していきます」

頭の中でボールを打つ
ステップ② インパクトを消すためにフィニッシュの位置を決める
「距離に合った振り幅、力感をイメージしたらフィニッシュの位置を決めます。ここまで振るという感覚を持っておけば、インパクトは通過点になるので距離感を失うことなく、クラブを振り抜けるはずです」

テークバックの振り幅は考えなくていい
ステップ③ 距離感の幅はフェースの開き具合で微調整
「距離感に幅を持たせる場合、フェース面を意識します。手前に幅を持たせるならフェースが閉じないように意識し、奥に幅を作るならフェースが開かないようにイメージするといいです」

左)フェースを少し開くと距離が落ちやすい、右)フェースを少し閉じると距離が伸びやすい
グリーン周りであれば……
「グリーン周りであれば、ピンを見ながら素振りします。頭の中でボールを転がしながら距離感を合わせていけば、ワンピンに寄せるのも難しくないです」

ピンを見ながら素振りをすれば距離感が合いやすい
バンカー越えであれば……
「バンカー越えは、まずバンカーに入れるつもりで素振りします。そこから徐々に振りを大きくし、距離を延ばしていけば、バンカーに入るミスが防げます

バンカーに入る素振りから徐々に大きくしていく
北野流「距離感が合うおすすめドリル」
100Y以内のアプローチでは距離感が大事だが、アマチュアはどんな練習をしておくべきか? 北野プロはひと言。
「家の中で1~3Yのアプローチ練習をしてください。アマチュアは大きく振るのは得意ですから、小さく振る練習をすればいいんです。最初は3Yのキャリーから始め、2Y、1Yまで練習してください。室内なら大振りはできませんからね。手先ではなく、体で打つ感覚を身につけましょう。アプローチはある程度の練習量が必要です。毎日5~10球でいいのでコツコツ続けることが大事です」
超短い距離をキャリーで打つドリル
「3Yのキャリーなんて簡単だと思うかもしれませんが、やってみるとその難しさがわかります。短い距離を打つとフェースとボールのコンタクトが格段によくなります。ショットも改善されますよ」

ヘッドをやや上めから入れるのがコツ
コレもおすすめ「体で振るドリル」
「胸の前でクラブを持ち、シャフトを垂直に保ちながら体を回します。クラブが寝てしまうのはダメ。クラブが立ったまま、体が回せれば、体で振れた証しになります」

クラブを垂直にキープしたまま体を左右に回す
PHOTO/Yasuo Masuda
THANKS/サザンヤードCC
※週刊ゴルフダイジェスト8月5日号「距離感は手前から目線で作る」より一部抜粋