全国から問い合わせが殺到するという知る人ぞ知る人気ショップ「ゴルフステージ成城」のクラブナビゲーター吉田朋広氏が注目するギアを徹底検証・解説する企画。今回は「PROJECT X」の最新モデル「PROJECT X RED」を検証!

トッププレーヤーから絶大な信頼を得ている「PROJECT X」の最新モデル「PROJECT X RED」が日本でも7月25日に発売となりました。

PGAツアーでダイナミックゴールドと並ぶ人気のアイアンシャフト「PROJECT X」は2006年にトゥルーテンパースポーツの取り扱いブランドとなり、トップモデルの「PROJECT X」を筆頭に「PROJECT X LZ」「PROJECT X IO」「PROJECT X UL」などがラインアップされています。 新しく発売された「PROJECT X RED」は「PROJECT X」の完全派生モデルです。

PROJECT Xのフィーリングを維持しながら、各フレックス5グラムの軽量化と打ち出し角度の向上を実現するために改良されたモデルです。 今回はPROJECT X REDがどのようなシャフトに仕上がっているか検証します。

画像: PROJECT X RED

PROJECT X RED

まずはデザインからチェックしましょう。 PROJECT Xのアイコンになっているステップレス構造のすっきりとした外観です。PROJECT Xはブルーのラベルですが、PROJECT X REDはネーミングのとおり、ブルーの部分がレッドに置き換わったレッドラベルで、ロゴのフォントなどに大きな変更はありません。 デザインからもPROJECT Xと関係性の深いモデルであることがわかります。

PROJECT X REDには5.0、60、65と3つのフレックスが用意されています。 シャフトスペックは以下のとおりです。テストクラブは「エポン AF-307」7番アイアン、長さは37インチ。

フレックス重量調子振動数
5.5100グラム中調子319CPM
6.0100グラム中調子324CPM
6.5120グラム中調子352CPM

PROJECT X RED 5.5

5.5はRフレックスとアナウンスされていて、シャフトカット前の重量が100グラムと軽量帯に属します。手元側にしっかりとした剛性感があり、中間部分から先に動きがあります。すっきりとしたフィーリングはライフルシャフト共通で、スムーズな振り心地。シャフト全体に動きのないPROJECT Xに比べ、全体的に動きを感じられます。特に先端部分はTIP剛性を落としてあるので、軟らかいフィーリングで動きを感じられます。 この先端部分の動きは5.5を使うターゲットのプレーヤーにとって、やや打ち込む感じのインパクトでも払い打つインパクトにも、どちらにも対応しやすい挙動です。

先端部分の動きがあることでボールの上がりにくさは感じられません。弾道はやや中弾道ですが、打ち込むとやや高めの弾道が打ちやすく、ボールのつかまりやすさも感じられます。バックスピンは特に多い感じはありませんが、練習場のレンジボールでもターゲットのグリーンにしっかりと止まるスピン量を持っています。PROJECT X RED 5.5はベースとなるPROJECT Xの最も軟らかいフレックス5.0と比較すると、明らかな特性の違いを感じられます。

画像: PROJECT X RED5.5

PROJECT X RED5.5

各部分が硬くしなりの少ないPROJECT Xに比べ、スムーズなしなりと先端部分の動きは、やさしく振っていけるフレックスです。 憧れのPROJECT Xをやさしく打てるPROJECT X RED 5.5は、パワーの強くない日本のプレーヤーにとっても扱いやすいでしょう。 ぜひ試していただきたいフレックスです。

PROJECT X RED 6.0

6.0はメーカーからはSフレックスとアナウンスされているメインのフレックス。シャフト振動数は324CPMで5.5との差は5CPMと数値的には大きな違いはありませんが、振った時に感じるフィーリングは違います。 特にグリップの中からしっかりとした剛性を感じられ、シャフト手元側から中間部分までしなりは少なく、インパクトエリア手前で中間部分やや先が動く挙動となります。 切り返しのタイミングの速いタイプのゴルファーはより先端部分の動きは大きく感じられるはず。 TIP部分の動きはベースモデルのPROJECT Xにはない動きで、少しだけ弾道とスピン量を上げたいゴルファーにとって必要な動きがプラスされている印象です。

画像: 手前からPROJECT X REDの5.5、6.0、6.5

手前からPROJECT X REDの5.5、6.0、6.5

PROJECT Xらしい左右のブレが少ない安定した弾道が印象的ですが、私の場合はレンジボールでの弾道は中弾道でバックスピン量は多くは感じず、アイアンシャフトとしては平均的なスピン量よりもやや少なく感じました。ただ、この弾道はあくまでもベースモデルのPROJECT X 6.0と比べてみるとやや高い弾道とバックスピン量の向上を感じます。 PROJECT Xのフィーリングを持ちながらハード過ぎない設計の6.0はPROJECT Xだとハード過ぎると感じる方やソリッドなフィーリングのシャフトが好みの方におすすめです。

唯一無二のフィーリングのフレックスを是非試していただきたいです。

PROJECT X RED 6.5

6.5はPROJECT X REDの最も硬いフレックスで、メーカーからのアナウンスはXフレックスとのことです。このフレックスは6.0と比べても振り始めから明らかに違いを感じられますね。しっかりとした硬さと重量感はこのシャフトがPROJECT X 6.5をベースに作られたものだということを感じます。

一般的なパワーのゴルファーにはややオーバースペックのフレックスだと思いますが、6.5はそもそも一般的なパワーやスウィングスピードのゴルファー向けの設計ではなく、フィジカルの強いゴルファーのための低弾道設計のPROJECT X 6.5に対して用意されたフレックスです。

PROJECT Xと比べて5グラム軽量化されていることでの振り抜きやすさ、TIP部分に動きを持たせてあることでの弾道の高さとスピン量アップを実現しているフレックスです。 パワーがある方の切り返しでも潰れ感やねじれ感はまったくなく、しっかりと打ち込むようなハードインパクトでも頼りなさを感じることはないはずです。

PROJECT X 6.5のユーザーならよりPROJECT X RED 6.5の少しだけやさしく設計されたことによる弾道の違いを生み出すシャフトパフォーマンスを感じることができると思います。PROJECT X 6.5のようなしなりの少ないソリッドなフィーリングのシャフトが合うパワーヒッターで少しやさしさをプラスしたシャフトにしたい方におすすめです。

PROJECT X RED総評

今回検証したPROJECT X RED はハードヒッター向けのPROJECT Xをベースに各フレックスを5グラム軽量化して振り抜きやすさをプラスさせ、打ち出し角度やバックスピン量をアップさせるようにシャフト先端部を軟らかく設計したプロ・アスリートモデルのシャフトです。

PROJECT X を使用しているプロやアスリートゴルファーはPROJECT Xの持つ唯一無二のシャフトフィーリングを気に入っている方々ですが、プロやアスリートゴルファーは試合用に整えられたグリーンを確実にボールを止める弾道で狙う必要があります。そのためには高い弾道から得られる落下角度と適正なバックスピンを確保する必要があります。 PROJECT X REDはその「狙う」「止める」をさらに確実にするための選択肢を増やすために用意されたプロダクトです。

画像: PROJECT X RED総評

PROJECT Xはハードヒッター仕様の低弾道、低スピン設計のアイアンシャフトですので日本の一般的なパワーのゴルファーだと硬く感じて使いこなせる方は多くはありません。しかし、PROJECT X REDはPROJECT Xの持つソリッドなフィーリングをキープしながらも軽量化による振り抜きやすさとシャフト先端部分の動きがプラスされていますので試してみる価値のあるシャフトだと思います。 フレックスは5.5と6.0あたりがオススメです。

打ってみて少し硬く感じる方は一番手軟らかいほうにずらす「番手ずらし」しても良いと思います。 既にPROJECT Xのアイアンシャフトを使っている方には弾道の高さとスピン量を求めるロングアイアンやアイアンタイプのハイブリッドクラブに合わせるのもおすすめ。

唯一無二のフィーリングのシャフト「PROJECT X RED」。 アイアンシャフトにまた新しい選択肢が増えました。 是非試していただきたいと思います。

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