注目の新星シャフト「NEWTON MOTION」
アメリカのPGAツアーチャンピオンズでシェアを拡大している注目の新星シャフトがあります。それは「NEWTON GOLF」の「NEWTON MOTION」です。アメリカで2023年に発売開始から2年で現在PGAツアーチャンピオンズの使用率は2位。常に30名以上のプロが使用しているようです。
アメリカでプロゴルファーやフィッターから非常に高い評価を受けている「NEWTON MOTION」が2025年から日本でも本格的に発売を開始するとのことで、どのようなシャフトなのか検証していきたいと思います。

NEWTON GOLFのNEWTON MOTION
まずは外観デザインから見ていきたいと思います。一目で他のシャフトとは一線を画す存在感のあるカラーです。ヴァイオレットがベースの塗装で光沢もあり、角度によって見え方が変化する特殊な「カラーシフトペイント」塗装が施されています。デザインは「NEWTON MOTION 」のロゴがプリントされているシンプルです。
シャフトカラーにプレミアム感があり、高級感をうまく演出されています。ゴルフコースでも映える存在感がある見た目です。
シャフトスペック
NEWTON MOTIONシャフトはアメリカでは7フレックス用意されていますが、日本では6“ドット”までの展開です。同シャフトはフレックス表記はRやSなどの一般的な表記はなく“●(ドット)”で表されています。
日本では1ドットから6ドットまでの6フレックスの展開。メーカー公表の対象ヘッドスピードやスペックは以下の通りです。
フレックス | ヘッドスピード | 重量 | トルク | 振動数 |
● | ~HS34m/s | 53グラム | 6.0 | 210CPM |
●● | HS34~38m/s | 58グラム | 5.0 | 220CPM |
●●● | HS38~42m/s | 63グラム | 4.5 | 235CPM |
●●●● | HS42~47m/s | 68グラム | 4.0 | 250CPM |
●●●●● | HS47~51m/s | 73グラム | 3.8 | 265CPM |
●●●●●● | HS51m/s~ | 78グラム | 3.5 | 272CPM |
今回は日本の市場でも注目される50グラム台と60グラム台の重量帯の1から4ドットまでのフレックスを用意して検証していきたいと思います。テストクラブはテーラーメイドQi35 10.5度、45.25インチ。
フレックス | 振動数 |
● | 206CPM |
●● | 222CPM |
●●● | 236CPM |
●●●● | 250CPM |
●1ドット
NEWTON MOTIONの中で最も軟らかいフレックスで、シャフト重量は53グラムと軽めで振動数は206CPM。シャフトの手元側がやや太めな感じでしっかりした印象です。ワッグルすると先の動きが大きく、しなり幅が大きなシャフト挙動なのがわかります。早速振ってみると初めて打ったシャフトながら一発目から非常に良い当たりです。スウィングと同調するシャフトのしなり方で先端部分はおだやかなしなり戻りでインパクトを迎えます。
シャフトも粘り感があり、切り返しのタイミングもとりやすく非常になめらかで、スムーズなフィーリングで振っていて非常に気持ちの良いです。テストクラブの「テーラーメイドQi35 10.5度」での打ち出し角度は他の先端部分のしなりの大きいシャフトに比べても高く、高弾道が容易に打てる印象ですが、バックスピン量は少ないのでしょう、ボールが吹け上がる印象が一切ありません。ボールスピードも非常に高く厚くインパクトできているのがわかります。

1ドットから4ドット
1ドットはしなりが大きいフレックスですが、シャフト自体の持つパワーが大きいのでプレーヤーのスウィングパワーが大きくなくても53グラムのシャフトを振ることができれば高い打ち出し角度と少ないバックスピン量で確実に飛距離アップ可能な要素がつまっているフレックスだと思います。
対応ヘッドスピードはメーカー公表ではレディスにも対応できる34m/s以下となっていますが、実際は40m/sよりも上の方でも全く問題なく使えます。しなりの大きなシャフトが苦手でなければ45m/s以上のスウィングスピードでも問題ないと思います。日本の平均的なスウィングスピードのゴルファーに幅広く対応できるフレックスです。飛距離を伸ばしたい方は是非試していただきたいと思います。
●●2ドット
1ドットよりもシャフト重量は5グラムアップされて58グラムとなり、手元側の剛性感がアップします。シャフト先端部分のしなり量は1ドットに比べてやや抑えられていますが、中間部分から先端部分にかけてなめらかに粘りながら動き、スウィングとシャフトのしなりが同調し厚くインパクトできます。
フェース面にしっかりとボールをとらえて押し込んでいく感覚の重厚なインパクトから放たれるボールスピードは速く、高弾道で吹け上がる感じは一切ありません。先端部分のしなりが大きいシャフトはボールのつかまりが良いのが一般的ですが、直進性が高い弾道で、左に巻き込むようなイメージはありません。
2ドットもメーカー公表ではHS34~38m/sが対象となっていますが、考えなくても良いでしょう。日本の多くのゴルファーに幅広く対応できるフレックスだと感じました。1ドットと同様に飛距離が出る要素がつまっている感じがあります。●と●●を打ち比べて選ぶと良いと思います。
●●●3ドット
2ドットと比べて重量も5グラムアップされ手元側の剛性は強くなり、シャフト中間部分までしっかりとした手応えがあります。中間部分から先にかけての動きはしっかりと感じられ、シャフトに潰れ感がなく、なめらかでスムーズな振り心地はこのシャフトの特長となるでしょう。インパクトエリアでしっかりとボールをとらえてシャフトのエネルギーを最大限にボールに伝えてくれます。インパクトエネルギーが大きく、ボールスピードも高い。打ち出し角度が高くてもボールが前にいく推進力がありますので飛距離がロスするような感じは一切ありません。

スピン量が少なく、飛距離性能が高い
しなりの大きなシャフトがらパワーのあるフェード系のボールも打てるのが特長です。つかまえにいっても左に巻き込みにくい安心感がありますので、コースで弾道をコントロールしたいアスリートゴルファーにも扱いやすいフレックスだと思います。メーカーの対象ヘッドスピードは38~42m/sとなっていますが、あまり重視する必要はないでしょう。自身のフィーリングで選ぶのがオススメです。
●●●●4ドット
4ドットはシャフト重量も重く、手元側の剛性感も高くなりますので切り返しがうまくできるかどうかがポイントになると思います。メーカー公表の対象ヘッドスピードは42~47m/sとのことですが、このフレックスはヘッドスピードにあまり関係なく、切り返しのタイミングさえ合えば中間部分から先のスムーズな動きが感じられ、フェースでボールを厚くとらえ押し込むインパクトを得られ、NEWTON MOTIONシャフトの特長の高い打ち出し角度とロースピンボールで飛距離を出すことが可能となるでしょう。

4ドットはスウィンガータイプに合う
スウィングタイプとしてはインパクトエリアを振り抜くスウィンガータイプの方が合うと思います。
先端部分に動きがあるシャフトながらフェード系のボールが打ちやすく、意図的にドローボールを打った際もボールがつかまり過ぎることがないので安心して振っていけます。さらに、アスリートゴルファーでも使いやすいコントロール性の高いしなり系のシャフトではないでしょうか。ロフトが少なめで浅い重心のヘッドで打つと力強い弾道が出ると思いますので、飛距離アップを求める方に是非打っていただきたいと思います。
NEWTON MOTION総評
しなりの大きなシャフトながら高い打ち出しで吹け上がらない弾道の新感覚のフィーリングのシャフトでした。1ドットから順番に打ってみましたが、シャフトの重量もドットが1つ増える毎に5グラムずつアップして、硬くなっていくのですが、シャフトフレックスが変わっても数発打つだけでスウィングとシャフトのしなりのイメージが同調するのでまるで“使い慣れたシャフト”を振っているような感覚でした。

高弾道なストレートな球が打てる
アメリカではシャフトフィッティングが日本以上に盛んに行われています。NEWTON MOTIONはフレックス表記も1ドットから始まりドットが増えるとシャフト重量も増え、フレックスも硬くなるというシャフトフィッティングを前提とした独自のフレックスを採用。キックポイントもあえて公表していませんが、これもフィッティングの際に先入観をなくすためなのでしょう。
シャフトの製法も(シンメトリー360)という独自構造で作られ、4方向からCPM(シャフト振動数)を計測して誤差が±1以内を合格の基準としています。アメリカメーカーのクラブはスリーブ機能搭載モデルがほとんどですのでスリーブポジション変更した際にシャフトスパイン(シャフトを作る際に発生する最も硬い部分)が影響しないように配慮されています。
この製法も様々なメーカーのスペックの異なるヘッドにも対応させやすく、フィッティングには重量も要素の一つになるでしょう。NEWTON MOTIONはアメリカ製のシャフトながら繊細な動きが再現されているシャフトですが、日本人のエンジニアが携わっているとのことです。
プロ・アマ問わず最適なスペックをフィッティングで導くことができるように考えられたシャフトNEWTON MOTION。シャフト自体にパワーを持ったシャフトです。日本のゴルファーにも扱いやすく、シャフト交換によるメリットを感じる事ができるシャフトだと思います。
是非フィッティングで試して欲しいと思います。