プレーオフ最終戦「ツアー選手権」への出場権をかけた「BMW選手権」は、最終日に明暗を分けた。フェデックスカップ・ランキングでトップ30に入るか否か、その当落線上にいた選手たちを中心に、喜びと安堵、そして深い失望と悔しさが入り混じったホールアウト後のコメントを紹介する。
画像: 最終戦に駒を進めたローリー・マキロイ(右)と敗退したリッキー・ファウラー(左)(撮影/岩本芳弘)

最終戦に駒を進めたローリー・マキロイ(右)と敗退したリッキー・ファウラー(左)(撮影/岩本芳弘)

ツアー選手権へ駒を進めた選手たちの「好調の要因」とは?

最終戦への切符を手にした選手たちは、その好調の要因を明確に語った。

ハリー・ホールは、17番でのチップインバーディについて、練習で何度も繰り返したショットだったと明かし、自信を持って臨めたことが好結果につながったと述べた 。また、コーチであるブッチ・ハーモンと、ニック・ファルドやヘンリク・ステンソンの元キャディであるファニー・スネソンとのメンタル面での取り組みが、安定したプレーと意思決定の向上に繋がったと語っている。

ハリー・ホールの17番ミラクルチップイン!【PGAツアー公式Xより】

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ベン・グリフィンは、最終日のスタートでサプリメント(クレアチン)の過剰摂取により体が震えるというアクシデントに見舞われ、3ホールで6オーバー(1番からトリプルボギー、ダブルボギー、ボギー)という絶望的な状況に陥った。しかし、キャディであるアレックス・リタメルの助けを借りて落ち着きを取り戻すと、「すべてを乗り越えて、アンダーパーに戻すんだ」と強い意志で立て直し、結果として1アンダーまでスコアを戻した。彼はこの最大の復活劇を誇りに感じ、その精神的な強さがツアー選手権出場を決定づけたと語っている。

ローリー・マキロイは、この1週間を「奮闘した」と振り返りながらも、ポジティブな展望を口にした。彼は大会初日から「ゲームはひどかった」と語っていたが、最終日は最初の6ホールこそ苦戦(5番と6番でともにダブルボギー)したものの、特にバックナインで「何かを見つけた」と手ごたえを感じたという。この大会が3週間のオフ明けだったため「期待しすぎていたのかもしれない」とも述べているが、最終的には、多くのミスを犯したにもかかわらず、「悪い終わり方ではなかった」と評価した。最終戦の「ツアー選手権」は過去に3度優勝した会場であり、彼にとって「助けになる」だろうと語った。

「何かを見つけた」という後半の11番ティーショットを3Wでワンオン【PGAツアー公式X】

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ツアー選手権出場を逃した選手たちの「敗退の要因」

一方、最終戦への道を閉ざされた選手たちは、悔しさをにじませながら敗因を分析した。

リッキー・ファウラーは、14番での「お粗末なスウィング(フェアウェイから残り174Yのセカンドが右ラフに)」や、15番でのダブルボギーなど、終盤のミスが響いたと振り返り、「次の週もプレーしたかった」と悔しさをあらわにした。しかし、夏の間にゲームの調子が上がってきたことには「多くのポジティブな面があった」とし、来シーズンに向けて前向きな姿勢を見せた。

マイケル・キムは、18番ホールの直前に予想順位を確認したと語っている 。同組のビクトール・ホブランが18番でピンに非常に寄せたのを見て、「バーディを獲らないといけないかもしれない」と感じたという 。18番で良いスウィングをしたものの、アドレナリンか、あるいは風の読み違いで少し飛びすぎてしまい 、パットを決めるのが難しかったと振り返っている 。彼は「キャリアを通じて、これほどツアー選手権に近づいたことはなかった」と語り、悔しさを滲ませながらも、素晴らしいシーズンだったと胸を張った。

ザンダー・シャウフェレは、今シーズンを振り返り「精神的に長いシーズンだった」と語り、メンタル的に疲労していることを明かした。彼は、次の大会まで「リセット」が必要だと感じており、それは「ゴルフをしないこと」だと述べている。最終日にパターを替えたことについて聞かれると、どうせ次の週には行けないのだから「何か違うものを見て、古いパターを怖がらせる」ためだと冗談を交えて語った。彼は「一生懸命やっているのに、ひどいプレーしかできないのは最悪の組み合わせだ」と、不調に苦しむ心情を正直に吐露した。

プレーオフ第2戦「BMW選手権」は、第1戦「フェデックスセントジュード選手権」同様、選手たちが背負う重圧と、それを乗り越えた者と乗り越えられなかった者との、感情のコントラストを浮き彫りにした。しかし、結果の良し悪しに関わらず、ゴルフに真摯に向き合い、次のステップへと進もうとするプロフェッショナルなコメントは彼らがトッププロである証だと感じた。

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