
記者会見で新フォーマットに付いて語ったマキロイ(左)とトーマス(右)
「全員にチャンスがある」(ローリー・マキロイ)
3度のフェデックスカップ王者に輝いているローリー・マキロイ(12回目の出場)は、イーストレイクに帰ってくることは「良い一年を過ごした証」だと語る。彼は、長年この大会の様々な形式を経験してきたが、今回のフォーマット変更については「これまでとは違う感覚」だと認めている。
マキロイ自身は、かつてのハンディキャップ方式が好きだったと明かしている。「シーズンを通して最高のプレーをした選手が、この大会でもアドバンテージを持つべきだ」と考えていたからだ。しかし、この方式は選手やファンからあまり支持されなかったという。彼は、その理由の一つに、スコッティ・シェフラーを例に挙げて説明している。
「もし今週がハンディキャップ方式だったら、スコッティは2打のアドバンテージでスタートしていたでしょう。しかし、彼が今シーズン達成したことや、フェデックスカップで築いたリードを考えれば、2打ではおそらく不十分でしょう」と語り、トッププレーヤーが持つべきアドバンテージを適切に表現するのが難しいことを示唆した。
それでも、今回の変更で、彼は新しい大会形式を歓迎している。最も大きな違いは、「30人の誰にでもフェデックスカップを制するチャンスがある」ことだという。新フォーマットは、シーズンで大きな活躍ができなかった選手にとっても、「最後に大賞を勝ち取るチャンス」を与えている。一方で、素晴らしいシーズンを過ごしてきた選手にとっては、その一年を「証明し、最高の形で終えるための素晴らしい機会」だと考えている。
「私たちは毎週ストロークプレーでプレーしている。それが勝者を決めるのだから」と、シンプルに勝負できることを歓迎している。また、マッチプレー方式が検討されていたことも明かし、ストロークプレーのプロ選手がシーズン最終戦でマッチプレーをすることに違和感を持つ選手が多かったため、却下されたと語った。
「真のゴルフトーナメントの勝者」(ジャスティン・トーマス)
2017年のフェデックスカップ王者、ジャスティン・トーマス(9回目の出場)も今回のフォーマット変更を歓迎している。「真のゴルフトーナメントの勝者が生まれる」ことに大きな魅力を感じているという。従来のハンディキャップ方式では、勝者が「本当の」勝者だと感じられない部分があったと指摘。また、この新方式は最終日に15〜20人もの選手が優勝争いに絡む可能性があるため、「信じられないほど素晴らしい一週間になる可能性がある」と期待を寄せている。さらに、ハンディキャップ方式では初日のプレーで優勝争いから脱落してしまうことが多かったが、イーブンパーからのスタートであれば、「1オーバーのラウンドでも、その後3つの良いラウンドがあれば、またチャンスが戻ってくる」と、逆転の可能性が広がることを評価した。トーマスは自身の今シーズンを「B、もしかしたらBマイナス」と評価しており、この最終戦で「A評価」へと変えたいと意気込んでいる。
「レベルフィールドで戦う喜び」(トミー・フリートウッド)
フェデックスカップランキング5位で最終戦に臨むトミー・フリートウッド(5回目の出場)は、この舞台に立てたことを「素晴らしい功績」だと称賛し、「年々レベルが高くなっている」と感じている。新フォーマットについては、マキロイやトーマスと同様に、「全員がレベルフィールドでスタートする」ことに興奮を隠せない。「信じられないような機会」だと語り、この大会で優勝すれば「2つのトロフィー(「ツアー選手権」と「フェデックスカップ」)」を手にすることになると付け加えた。彼は、フォーマットについて深く考えるのではなく、「ただプレーして競い続けたい」という姿勢を強調している。
選手たちは、新フォーマットによって、誰もがビッグタイトルを狙えるフェアな環境が生まれたことを歓迎している。長きにわたるシーズンを締めくくるにふさわしい、白熱した最終戦が期待される。
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