小祝さくらは、ゴルフにおいて特に〝苦手なもの〟がないように思える。アマチュアの皆さんからの技術的な質問をぶつけても、いつもシンプルでわかりやすい答えを用意してくれる。
しかし、フェアウェイバンカーの打ち方に関して聞くと、「ああ、私は今、フェアウェイバンカー、ちょっと悩んでいるので何とも言えないんですけど……」と珍しく言いよどみながら、「まあでも、ボールを真ん中よりちょっと右に置いて、ちょっとだけ左体重で……本当にちょっとですよ……それでダフらないように打つということしかできないです。本当にクリーンに当てないといけないので。とにかくどれだけクリーンに当てられるかの勝負で、ちょっとでもダフっただけで、ショートしたり、チャックリしてしまう。本当にちょっとの差です。私もそこで悩んでいますから」
そもそもアマチュアでフェアウェイバンカーを上手く打てる人は少ないという。「ボールを上げようとして、少し右に肩が落ちてしまったり、体の軸がブレてしまっている人も多いですね。やっぱり軸がしっかりしていないとダメかなと思います」

フェアウェイバンカーは、軸ブレと砂の量、そして自分の欲に注意することですよ!(Ph/Tadashi Anezaki)
番手選びに関しては、小祝は、特別変えることはないという。「『飛ばない』と言って、大きめの番手を持つ方も多いですけれど、クリーンに当たれば、番手の距離どおりには飛びます。よっぽど砂が多いコースでボールが沈んでいるときは飛ばないので、番手を上げたりはします。春のサロンパスカップのときなんかはそうでしたけど、そういうコースはなかなかありませんから」
フェアウェイバンカーに絶対に入れないようにプレーするという作戦はどうだろうか。「いや、でも、気を付けていても入っちゃうときはもちろんあります。だから、入ったら練習だと思ってやったらいいと思います」
そう、気を付けていても起きることは起きる。そのときに冷静に対応できるかどうか。我々アマチュアの欲深さこそが敵となる。「そうなんですよ。そこから〝出したい〟まして〝乗せたい〟という欲が強すぎて、ダフったりチョロしたり、バンカーのアゴに当たって逆戻りしたり……」
さて現在、小祝さくらは手首のケガのため、大事を取って試合を欠場中だ。「ずいぶん長い間お休みしてしまって、皆さまにご心配おかけしています。少しでも早く、皆さまと試合会場でお会いできることを楽しみにしています。一番の問題は、こんなに休んだことがないから、とても暇だということです」
さくらにだって悩む時はある。さくらにだって故障は起きる。コースで、冷静なプレーと摩訶不思議な発言をする小祝さくらを心待ちにしていよう!
※週刊ゴルフダイジェスト2025年9月2日号〝小祝さくらのゴルフときどきタン塩〟より