レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「ドライバーのトップまでの動き」について解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本70】
画像: ドライバーの始動からトップまでの動きをマスターしよう

ドライバーの始動からトップまでの動きをマスターしよう

トップまでの動きをチェック

画像: アライメントスティックを使って体の回転をチェックする

アライメントスティックを使って体の回転をチェックする

GD 今回はテークバックからトップまでのバックスウィングがよくなるドリルを教えていただけるということでした。それはどんなドリルですか?

原田 まず、アライメントスティックを横にして胸の前に当て、左右の手をクロスさせて押さえます。この形から左肩を(スウィングを時計でイメージした)8時の位置まで動かしていきます。このときに感じてほしいのは8時の位置を作るのは手ではなく体の回転だということです。アライメントスティックを胸に当てておけば、体の回転と一緒に動くので、しっかり体が回ったかどうかを目で確認することができます。

GD グリップが8時の位置まで動く距離はすごく短いけれど、決して手ではなく、体をしっかり使うということが大事で、その感覚をこのドリルで体感できるわけですね。

手を使わないで体を使って始動する

画像: 手を使わないで体の回転を使って左肩から動かしていく

手を使わないで体の回転を使って左肩から動かしていく

原田 そうです。体で始動していくのはどうしてかっていうとね、体全体の質量のうち体が8割で、手は質量的には小さいものなんです。突き詰めていえば、テークバックの始動というのは体の始動なんですよ。だから手は体についていくだけ。手が勝手に動き出してはいけないんです。

GD このドリルの正解というかどんな動きができれば効果があるのですか?

原田 体の回転を使って左肩から動かしていくんです。アライメントスティックでその動きや量を自分の目で確認します。そしてもう一つ大事なことができていなくてはいけません。それは肩と一緒に左ひざが前に出てはいけないということです。

GD つまり体を回すことで左肩から始動していくときに両ひざはアドレスの位置をキープしておくことが必要ということですね?

テークバックでは始動からひざを動かないようにキープ

画像: テークバックでは始動からひざを動かないようにキープ

テークバックでは始動からひざを動かないようにキープ

原田 そうです。テークバックでは始動からひざを動かないようにキープしておくことが重要です。頑張ってドリルの効果を体感してください。

GD このひざをキープする動きと始動がマスターできればトップまでは完璧ですね。

原田 さらに良くなるために、8時以降の動きをもう少し説明しますね。

GD 8時の位置の簡単な復習ですが、手が右足の2足分右の外側でしたね。

原田 そうです。8時までは手を使っていなかったんですけど、ここから初めて手を使うんです。

左手3本の指だけでコックする

画像: 左手3本の指だけでコックする

左手3本の指だけでコックする

GD ここから手を使うんですね。ずっと手を使ってはいけないという説明が続いていたので、いつ手を使っていいのか気になっていたので、とても新鮮な感じがします。で、手を使うというのはいわゆるコックですか?

原田 コックでいいですが、前の連載で説明したテコシステムですね。左手の小指、薬指、中指の3本を握る動きです。それはもっと具体的にいうとこういうことです。左手だけでグリップを持って左足の外側にヘッドを置く形からさっきの3本の指を握る動きをします。そうするとヘッドがグッと上がるでしょう。この動きです。足を揃え真っすぐ立ち、左体側でクラブを持ち、3本の指で持つ動きをします。

8時の位置で左手3本の指をキュッと握る

画像: 8時の位置で左手3本の指をキュッと握る

8時の位置で左手3本の指をキュッと握る

GD その動きはアイアンでも8時の位置から9時の位置に手を上げる方法として教えていただきました。

原田 そうです。ドライバーでもその動きは同じです。8時からトップまでの動きについてですが、始動からトップまでの動きは始動から8時までと8時からトップまでの動きの2つに分けて考えるのが分かりやすいんです。

GD 左手の3本の指を握ってクラブを上げたあとはどうするのかが気になりますけど、改めてテコシステムを行う上での注意点はありますか? 自分の考えですと、8時の位置で3本の指をキュッと握るわけですから、最初からグリップをきつく握っている人には難しい動きなんじゃないかと思うんですが。

左前腕の下側の筋肉に張りを感じることが大事

画像: 左前腕の下側の筋肉に張りを感じることが大事

左前腕の下側の筋肉に張りを感じることが大事

原田 その通りです。最初からきつく握っている人にはできませんね。だからグリップは左手の小指、薬指、中指の3本で強くはないけどしっかり握り、他の7本の指は添えるだけにしておかなくてはいけないんです。それでね、始動からクラブを引くときに左前腕の下側の筋肉に張りを感じることが大事です。3本の指で握らないと、ここに張りを感じることができないんです。

GD では、左前腕下側の筋肉にクラブの重さによる張りを感じながらヘッドが最後に動くように引いていくことが大事ということですよね。そもそも最初からグリップを強く握っていたら8時の位置でキュッと握ろうにも、もうそれ以上は力が入りませんからね。それで3本の指を8時の位置で握ってクラブは上がり始めたあとはどうするのですか?

トップはグリップが右耳の高さでいい

画像: トップはグリップが右耳の高さでいい

トップはグリップが右耳の高さでいい

原田 3本の指を握る動きを使いながらグリップを右耳の高さまで上げていくんです。位置は右足の土踏まずとかかとの間の上くらいになります。

GD この位置はアイアンのときもそうでしたね。ドライバーもアイアンもトップの位置は同じということですか?

原田 そうです。ドライバーだからといってトップの位置をアイアンと変えることはありません。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/ 都留グリーンゴルフ、梅里CC、東名CC

ドライバーのテークバックとバックスウィング

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