
PGAツアーでは、選手が帽子やウェアにさまざまな色のリボンを着けてプレーするシーンをよく目にする(PHOTO/Getty Images)
スコッティ・シェフラーの帯同キャディ、トッド・スコットのおいジョエル君のケガからの回復を祈って、大会最終日に選手たちがイエローリボンを着けて戦った。
シェフラーを4度メジャーチャンピオンに導いた相棒、スコットはプレーオフ初戦のフェデックスセントジュード選手権の最終日に「家族の事情」を理由に現場を離れ、BMW選手権も休んだあとツアー選手権で復帰した。本人がSNSで家族に突然の緊急事態が発生したことを報告。「これまでの人生で一番つらい出来事」だと語り、同時に人々の支援に感謝した。そしてその支援の象徴が黄色いリボンというわけだ。
PGAツアーでは、選手が帽子やウェアにさまざまな色のリボンを着けてプレーするシーンをよく目にする。黄色は小児病院支援などに使われ、黒いリボンは故人をしのぶもの。18年の全米プロでは直前に36歳の若さで白血病で亡くなったツアー2勝のジャロッド・ライルをしのび、タイガーらが喪章として黒いリボンを着けた。
今年の3Mオープンではオデッセイのツアーレップ、コーディ・ハーディ氏の妻ケイラさんが他界したことを受けて、彼女のイニシャルKHの文字が記された黒いリボンをリッキー・ファウラーらが着けてプレーした。
24年のソニーオープンでツアー2勝目を挙げたグレイソン・マレーがその年の5月に自ら命を絶つ悲しい出来事があった。享年30歳。マレーは最終日に黒と赤のウェアを身に着けていたことで有名。そこでその年のチャールズ・シュワブチャレンジで選手たちは赤と黒のリボンを着用した。
フィル・ミケルソンの妻エイミーさんの乳ガンが発覚したときは選手たちがピンクのリボンを着けて彼女を応援。ウィンダム・クラークも亡くなった母をしのびピンクのリボンを着けている。人々を支援するための“アウェアネスリボン”はチャリティから始まったPGAツアーのシンボル的アイテムだ。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年9月16日号「バック9」より