天候が鍵を握る4日間

ヤン・ジホが5アンダーで単独首位に(撮影/有原裕晶)
『シンハンドンヘオープン』の初日、ヤン・ジホが5アンダーの「67」をマークし、暫定首位に立った。2〜3週間前からショットの修正を始めたというヤン・ジホだが、「うまくいこうがいくまいが思い切ってやってみよう」という気持ちで臨んだという。最初のホールからティーショットがうまく決まり、その流れを維持して最後まで良いショットで終えられたと振り返る。しかし、ショットの調整はまだ20%程度とのことで、いいスコアを出したいという欲を抑えることでショットを安定させ、残りのラウンドも自信をもってプレーしたいとコメントした。
日本人最上位は4アンダーの68でホールアウトした大槻智春と吉田泰基(3位タイ)。大槻はコースについて「率直に難しい」と語り、距離が長く、フェアウェイやグリーンにアンジュレーションがあることが原因だという。その中で、アプローチとパットでうまく耐えられたことが好スコアにつながった。今週はプリファードライ※が適用されているため、セカンドやサードショットを良いところから打てたこともプラスに働いたようだ。

左が比嘉一貴、右が大槻智春(撮影/有原裕晶)
3アンダーの12位タイグループには永野竜太郎、木下稜介、清水大成が入り、2アンダーの70の22位タイグループには比嘉一貴、小斉平優和、細野勇策、前田光史朗、佐藤大平、谷原秀人と続く。
小斉平は、ボギーになりそうな場面でパットが入ってくれたことで、流れを崩さずにプレーできたと語り、「スコアは悪くなかったものの、バーディチャンスをもう少し作れたらよかった」と振り返った。一方、比嘉は難しさを感じつつも、天気が良くプリファードライだったため、攻めのゴルフができたという。グリーンは大きいが、傾斜が強く、ピンが厳しい位置に切られているため、フェアウェイにティーショットを打ってもセカンドが難しい場面が多かったと分析。明日は天気が崩れる予報だが、雨で距離感が変わることを警戒しつつも、ポジティブに臨みたいと語った。
明日は天候が悪化し、雨が降る予報。選手たちは厳しいコースコンディションでのプレーを強いられることになる。各選手がどのように対応していくのか注目したい。
※『プリファードライ』とは?

泥のついたボール※写真はイメージ(撮影/姉崎正)
ゴルフにおける「プリファードライ」とは、フェアウェイの状態が悪い時などに適用されるローカルルールのこと 。このルールが適用されると、プレーヤーはボールを拾い上げて拭き、元の位置から6インチ(約15cm)以内など、委員会が定めた範囲にボールを置き直してプレーすることができる。通称「ウィンタールール」とも呼ばれ、大雪、雪解け、長雨、猛暑といった悪天候によってコースが損傷し、フェアなプレーが難しくなった場合に採用される。
▼主な目的と適用条件
限定的な適用: このルールは通常、ジェネラルエリア※1のフェアウェイ、あるいはそれ以下の長さに刈られた区域でのみ使用される。※1ティーイングエリア、ペナルティーエリア、バンカー、パッティンググリーンを除いた、ホール全体の区域のこと
フェアなプレーの確保: 悪天候や芝の状態不良といった「時折生じる地域的な異常な状態」が、フェアなプレーの妨げとなる場合に、プレーヤーに救済を与えることが目的。また、フェアウェイを保護する目的もある。