まずはドライバーの飛距離から。男子プロ平均は「301.27ヤード」で、取材した41人中40人によるデータ。1人少ないのは米国のLIVゴルフを取材した際、B・デシャンボーの1Wだけ、本人、関係者とも「飛距離は不明」とされたため。400ヤード級の飛ばし屋デシャンボーだけに、その数値が入れば平均値もあと数ヤード伸びたかもしれない。
女子プロのドライバーの飛距離平均は250.12ヤード
女子プロのドライバー平均は「250.12ヤード」。女子プロのヘッドスピードのコアゾーンは40~43m/sと言われるので、このヘッドスピード帯のアマチュアは女子プロのような高いミート率を目指せば、平均250ヤードが出せるという理屈だ。
ちなみに飛距離のデータは、プロ本人、キャディ、ツアーレップに聞いたものをメインに、確認できなかった時のみツアーの公式スタッツを採用。また、金谷拓実のように「1Wはキャリーの275ヤードしか把握していません」というプロが数名、その場合はツアースタッツを採用。ちなみに金谷のPGAツアーのスタッツは292.1ヤードだった。
データは誌面掲載を元にしているため該当プロは上位ランカーだけでなく、注目選手のクラブセッティングが入れ替わったり、時事に応じて取材掲載しているので2度登場しているプロもいるが、延べ人数としてカウント。

女子プロのドライバーの飛距離平均は250.12ヤード、男子プロの平均は301.27ヤード
取材した男子プロ41人(雑誌掲載順)
J・デイ、阿久津未来也、鈴木晃祐、A・スコット、石川遼、L・アバーグ、C・モリカワ、A・ハドウィン、N・ダンラップ、B・デシャンボー、D・ジョンソン、C・スミス、松山英樹、桂川有人、米澤蓮、幡地隆寛、木下稜介、杉浦悠太、R・マキロイ、小木曽喬、V・ホブラン、T・フリートウッド、A・バティア、金子駆大、今平周吾、平田憲聖、星野陸也、金谷拓実、久常涼、松山英樹、X・シャウフェレ、C・モリカワ、石川遼、R・ファウラー、清水大成、中島啓太、生源寺龍憲、河本力、蟬川泰果、米澤蓮、小斉平優和
取材した女子プロ41人(雑誌掲載順)
櫻井心那、菅沼菜々、神谷そら、原英莉花、稲見萌寧、笹生優花、山下美夢有、岩井明愛、小祝さくら、岩井千怜、森田理香子、西村優菜、鈴木愛、竹田麗央、柏原明日架、佐久間朱莉、小林夢果、新垣比菜、天本ハルカ、古江彩佳、安田祐香、山下美夢有、桑木志帆、川﨑春花、山内日菜子、岩井明愛、渋野日向子、西郷真央、横峯さくら、河本結、鈴木愛、青木瀬令奈、穴井詩、佐久間朱莉、笠りつ子、稲垣那奈子、菅楓華、吉田鈴、原英莉花、大里桃子、神谷そら
今回、ドライバー以下の全番手も集計したが、FW、UT、AW、SWは入れている番手がまちまちなうえ、女子プロはミドルアイアン付近も多様なため平均値を出せず。ということで男子プロは4I~PW、女子プロは7I~PWの飛距離平均を掲載。
男子プロの4I~PWの飛距離平均(41人)
4I→227.50ヤード(5Iとの差/17.26ヤード)
5I→210.24ヤード(6Iとの差/15.16ヤード)
6I→195.08ヤード(7Iとの差/13.44ヤード)
7I→181.64ヤード(8Iとの差/13.27ヤード)
8I→168.37ヤード(9Iとの差/14.34ヤード)
9I→154.03ヤード(PWとの差/11.83ヤード)
PW→142.20ヤード
※4Iのみ24人のデータ(4Iを入れていないプロがいるため)
200ヤードは5I or 6I(男子プロ)
もはや200ヤードの距離は、5Iか6Iで狙うのが男子プロの世界観。ツアーではドライバーの飛距離が伸びていると言われるが、アイアンの飛距離も確実に伸びている。
最新のツアー系ボールは、ドライバーショットのスピン量と空力性能だけでなく、アイアンでの適正スピン量と弾道の高さまで視野に入れて開発されるようになっている。ボールの進化も大きく関係しているのだろう。
4Iと5Iの飛距離差は17.26ヤード。他番手間に比べて広がっているのは、ストロングロフトで寛容性の高いアイアン(orアイアン型UT)を4Iに採用するコンボセッティングの影響が大きそう。長い番手になるほどキャリー差が怪しくなってしまう我々アマチュアとは正反対の結果だ。
例えば、①C・モリカワは4IがテーラーメイドP770で230ヤード、5IがP7CBで210ヤードと20ヤードの差。②清水大成は4Iがブリヂストン221CBで235ヤード、5IがBリミテッド220MBで210ヤード。③平田憲聖は4Iがアイアン型UTのミズノMPフライハイで235ヤード、5IがJPX923ツアーで200ヤードと35ヤードもの差。④桂川有人も4Iがアイアン型UTのスリクソンZXMkⅡで225ヤード、5IがタイトリストT150で200ヤードだから25ヤードの差だ。(※モデル名は取材時のもの)
アマチュアの間では、150ヤードは「7I」というのがひとつの目安(⁉)だが、男子プロの150ヤードは「9I」が今の常識。
女子プロの7I~PWの飛距離平均(41人)
7I→155.28ヤード(8Iとの差/11.31ヤード)
8I→143.97ヤード(9Iとの差/11.07ヤード)
9I→132.90ヤード(PWとの差/12.94ヤード)
PW→119.96ヤード
※7Iのみ23人のデータ(青木瀬令奈は7Iを入れていないため)
先ほど述べた「150ヤードは7I」という目安にずばり当てはまるのが、女子プロの飛距離だ。7IからPWまで、各番手のピッチが11~13ヤードで飛距離の階段も理想的。我々アマチュアが目指すべきアイアンの飛距離だろう。
最後に、気になって集計に加えたのが「200ヤード前後を狙う」女子プロのクラブ。その上位が次の通り。
1位/4U(21~23度)13人
(河本結/キャロウェイXR OS、鈴木愛/ピンG440 HB、菅楓華/スリクソンZXi HY、渋野日向子/テーラーメイドQi35MAX、原英莉花/キャロウェイAPEX UW、神谷そら/タイトリストGT3 など)
2位/7W(21度)9人
(西郷真央/タイトリストGT2、笠りつ子/本間TW737、山内日菜子/テーラーメイドQi10、柏原明日架/キャロウェイ ローグ、古江彩佳/ブリヂストンB2HT など)
3位/5W(17.5~18度)8人
(佐久間朱莉/ピンG440MAX、大里桃子/ピンG425MAX、西村優菜/キャロウェイEPICスピードツアー、安田祐香/スリクソンZX MkⅡ、山下美夢有/スリクソンZX MkⅡ など)
4位/5U(24~25度)5人
(穴井詩/キャロウェイ ローグUT、天本ハルカ/キャロウェイ マーベリック、笹生優花/キャロウェイ パラダイムAiスモーク など)
皆さんのクラブセッティングで「残り200ヤード」はどの番手?