PGAツアーのシーズン開幕戦で松山英樹の連覇がかかるザ・セントリーが開催の危機に陥っている。
画像: カパルアで行われた今年のザ・セントリーは65・65・62・65の安定したプレーで松山英樹が優勝を飾った

カパルアで行われた今年のザ・セントリーは65・65・62・65の安定したプレーで松山英樹が優勝を飾った

99年以来、毎年ツアーの年初コースとなっているハワイ、マウイ島のカパルアリゾートは、100年以上の歴史を持つ水道システムの運用を巡る紛争を受けて深刻な水不足に直面。9月2日からカパルアのプランテーションコースおよびベイコースを60日間閉鎖することが発表された。

同コースのゼネラルマネジャー、アレックス・ナカジマ氏は「コースは何カ月も断水状態にあり、トーナメント開催のためにもオーナーに閉鎖するよう提案しました」と言う。

オーナーとはユニクロの創業者・柳井正氏。この事態を受け彼の資産管理会社TY マネジメントがマウイ島の不動産会社「マウイ・ランド&パイナップル」(以下MLP/水供給を担うホノコハウ水路の管理・運営者)を相手取り契約上、水を安定的に供給する義務があるのにそれを怠ったとして提訴した。

緑豊かな楽園コースは7月25日から水の供給がストップ。そのため芝は枯れ、黄色と茶色が交ざった状態に。8月まで割引料金で営業していたが、ザ・セントリー開催を視野に2カ月の閉鎖が決まった。

マウイ島の州裁判所に提起された訴訟では、米国地質調査機関のデータでマウイ島西部は年間降水量が多いことで知られるシアトルより降水量が多いとされており「現在の水不足はMLP社が水を適切に集水、運搬、貯蔵するためのインフラを維持するという約束を守っていないことに起因する」と訴えている。

しかしMLP社は「問題は流量の数値の低さでありシステムの非効率性が原因ではない」と反論している。来年1月8日からザ・セントリーの開催を予定しているPGAツアーは「カパルアリゾートに影響を与える継続的な水源保全要件を注視している」と静観する意向だ。「日々コースが死んでいく」という切実な声も。

山火事被害から復興中のマウイ島で再び問題勃発。一日も早い解決を祈るばかりだ。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年9月23日号「バック9」より

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