過密スケジュールゆえ、"選手ファースト"でない日程が今更ながら問題になっている。
画像: 日本女子オープン予選会の関東ラウンドでの首位は寺西飛香留だった

日本女子オープン予選会の関東ラウンドでの首位は寺西飛香留だった

ゴルフでは天候による日程の変更は当たり前といえる。事実、先頃日本全国で猛威を振るった台風15号の影響で男子ツアーのフジサンケイクラシック、JLPGAツアーのゴルフ5レディス、レジェンズツアーの明治安田カップが短縮競技となった。

しかし、その前週での日程の“かぶり"は予定されていたもので、今年もドタバタが演じられた。北海道CC大沼Cで行われた女子ツアーのニトリレディス(8/28~31)と、日本女子オープン出場を懸けた最終予選会(9/1〜2、鷹之台CC=千葉県、小野GC=兵庫県)の日程。ニトリでの戦いを終え、予選会へ急ぐ選手たちの慌ただしさ。

ローアマチュアを獲得した16歳の後藤あい、優勝争いを演じた大出端月や阿部未悠、吉澤柚月、中村心、都玲華といった面々が函館空港に駆けつけた。

新千歳空港と違い、同空港の便数は限られるだけに時間との戦いに大わらわ。ぶっつけ本番の予選会へ息せき切って機内へと急いだ。

もう1つの選手を悩ませたであろう過密スケジュール。JLPGAのプロテスト2次予選(9/2〜5)が静ヒルズCC(茨城県)で行われていた。それと前述した日本女子オープン最終予選会(鷹之台CC・小野GC)、これは完全にかぶった日程。つまり、プロを目指しつつ、同予選会の出場資格がある選手たちはどちらかを断念しなければならない現実があったというわけだ。

アマチュア選手は日程がダブっていなければ両試合とも出場できた選手もいたはず。どちらも選手たちにとっては自分の運命を決めるかもしれないぐらいの大切な試合である。

日本女子オープンを主催するのはJGA(日本ゴルフ協会)。プロテストを主催・主管するのはJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)。日本女子オープンにはアマチュアに加えJLPGAのプロが多く出場し、ツアーの公式競技でもある。

なぜ日程調整ができないかと思うのが自然であろう。テレビ解説者のタケ小山氏は──。

「選手あっての“興行"なのにその選手たちのことを考えていない日程の設定に見えます。例えば全米女子オープンを主催するUSGAならば、北海道にもう一つ予選会を据えたでしょうね。過去そういうこともありましたから。JLPGAとJGAは両者間でのスケジュール調整はマストです。ぼくはもう何年もそう言ってますがね」と憤慨する。

来年のスケジュールはどうなっているだろうか。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年9月30日号「バック9」より

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