地域に根ざした大衆的な中華料理店「町中華」にスポットが当たって久しいが、同じように地域に根ざしたゴルフショップといえば「ゴルフ工房」がある。経験豊かなクラフトマンが使い手の要望に合わせ、ヘッドとシャフトを組む「カスタムクラブ(地クラブ)」が人気だ。そこで、人気工房がオススメするカスタムクラブを週イチで紹介 ! 試打者はゴルフダイジェストで四半世紀にわたり世に出たほぼすべてのクラブを打ってきた堀越良和プロだ。

連載76回目は、本試打企画初回に掲載されている「ゴルフレンド」の大野和昭さんがオススメするカスタムクラブをご紹介。今回はカムイ『TP-XI<イレブン>nitrogen』とクレイジー『Aile』シャフトがオススメとのこと。

工房店主の大野さんが特徴を語る

「今回紹介するクラブは、カムイのヘッドと、クレイジーが出している軽量シャフトです。このヘッドはこの企画で以前に出ているもので、中に窒素ガスが入っているモデルです。ヘッド内部に壁があることによってフェースに当たった瞬間にボディがたわみ、その戻る力を利用した反発性能で飛距離を高めています。そしてこのシャフトが特にオススメで、39gと非常に軽いシャフトですが、ドラコン競技に出るハードヒッターや、ツアープロが打っても当たり負けしないことが特徴です。リズム良く打てば、鞭を打つようなイメージで振ることができるため、余計な力を入れずにスウィングできる効果が期待できます。かくいう私自身も、このシャフトにしてからアイアンの当たりが厚くなって、全体的に調子が整うようになりました。実践で使わないにしても、スウィングを良い方向に持って行ってくれる矯正シャフトみたいなイメージですね」と大野さん。

画像: 『TP-XI<イレブン>nitrogen』とクレイジー『Aile』※写真は青木さんに依頼中

『TP-XI<イレブン>nitrogen』とクレイジー『Aile』※写真は青木さんに依頼中

「このクラブの主なターゲットは、『ドライバーがつかまらない人』や、『スライスに悩む人』に最適かと思います。また軽量シャフトという特徴から、女性やシニアゴルファーまで様々な方が使用できるスペックです。現に通っていただいている女性のお客様は飛距離が大幅に伸びたと気に入ってくださっているので、是非試して欲しいですね」。

「力まずに飛距離を伸ばせる組み合わせ」(堀越プロ)

「今回はカムイ『TP-XI<イレブン>nitrogen』とクレイジーシャフトの組み合わせです。ヘッドは窒素ガスが装填されており、フェース後部に内部壁を作ることで、ヘッド内圧を高め反発性能を高めている設計のようです。壁があることによってインパクト時のエネルギーが瞬時にボールへ伝達するため、初速、飛距離アップも期待できそうですね。昨今では大慣性モーメント(MOI)が流行しつつありますが、『TP-XI』は低重心、低MOIヘッドで操作性を保ちながら、独自の構造により大慣性モーメント同様の寛容性を実現しているとのことです」と他には見ない設計を評価。

「ヘッド形状はとてもトラディショナルな顔つきで、ややディープ気味で低スピンを想起させます。アドレスをした際、クラウンにある真っすぐなラインが飛球線に対して面をイメージしやすく、とても構えやすいです。今回試打するロフトは10度ですが、ラインナップには8度~12度までありますので、好みに合わせてクラブ選びが可能な点も評価したいです」と堀越プロ。

画像: 試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

いつものように試打を開始するも、「シャフトがすごく軟らかくない?」と、挿してある『クレイジー Aile』シャフトに驚く。このシャフトは、競技経験のある大野さんが、スウィングリズムや体の使い方を整えるために『矯正シャフト』として使っていたそうだが、ある日ゴルフレンドに通うプロやアマチュアに使ってもらった所、スウィングスピードに偏らず飛距離が伸び好評だったというシャフトだ。※シャフト重量は40g

ヘッドスピード42m/s前後で試打
●キャリー/2354.2Y
●総飛距離/254.4Y
●ボール初速/61.6m/s
●打ち出し角/18.0度
●スピン量/2305rpm

ヘッドスピード36m/s前後で試打
●キャリー/186.1Y
●総飛距離/203.1Y
●ボール初速/52.4m/s
●打ち出し角/18.8度
●スピン量/2645rpm

「最初は『軟らかすぎる』と思っていましたが、ヘッドスピードによってシャフトの印象がだいぶ変わりますね。いつもの42m/s前後ですとシャフトのしなりを大きく感じ、リズム良くボールを運べるような感覚がありました。思っている程軟らかすぎず、しなやかさの中にあるしっかり感のおかげで力まずに切り返しが行えたような気がします。また36m/s前後に落とすと今度は軟らかさを非常に感じ、インパクトにかけてヘッドが走ってくれているような印象に変わりました。打ち出し角はどのスピード帯も非常に高く、球を上げようとせず力まずに振れるクラブといえそうです。また42m/s程度の方は球が上がり過ぎてしまう可能性がありますので、ロフトを少し立てることで更なる飛距離が期待できそうですね」

総評

画像: 「低スピン性能が高く、つかまりも良いですね」(堀越)

「低スピン性能が高く、つかまりも良いですね」(堀越)

「今回のカムイヘッド×クレイジーシャフトの組み合わせは、飛距離に悩む方にオススメな組み合わせでした。ヘッドスピードが遅め=軟らかいシャフトという認識がある方も多いかと思いますが、スウィングテンポや力の入れ所によって合うシャフトは異なるケースが多いので、興味のある方は是非試して頂きたいと思います。ゴルフは14本を駆使して行うスポーツですので、ドライバーに合う適切なセッティングも、大野さんと相談して作り上げていくのもゴルフの楽しさだと思います」と語った。

THANKS/クレアゴルフフィールド

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