男子ゴルフの今季国内ツアー第16戦「ANAオープン」最終日が21日、北海道・札幌GC輪厚C(7066ヤード、パー72)で行われ、金谷拓実と石川遼が通算17アンダーでトップに並び、18番パー4を使用したプレーオフ2ホール目でパーをセーブした金谷が優勝を果たした。石川は敗れたものの今季自己最高の2位。金谷は正規の18ホールを7バーディ、2ダブルボギーの3アンダー69で回った。
画像: 「ANAオープン」で優勝を飾った金谷拓実(撮影/岡沢裕行)

「ANAオープン」で優勝を飾った金谷拓実(撮影/岡沢裕行)

石川遼をプレーオフ2ホール目で破る

画像: ウィニングパットを決める金谷(撮影/岡沢裕行)

ウィニングパットを決める金谷(撮影/岡沢裕行)

プレーオフの2ホール目。金谷は1メートルのウィニングパットを沈めると、右手でキャップを取り、石川とがっちり握手を交わした。

優勝インタビューでは喜びを言葉にした。

「石川選手と最後、プレーオフをすることができて本当に楽しかったです。われわれ選手もゴルフの魅力を伝えていけるように、これからも頑張っていくので、ぜひ応戦よろしくお願いいたします」

プレーオフは1ホール目をお互いパーで分け、迎えた2ホール目。ティーショットを左のラフに打ち込んだが、ピンまで残り164ヤードの第2打を5Iで打って左奥10メートルに乗せた。決めれば優勝のファーストパットは1メートルオーバーしたが、石川がパーパットを外したのを見届けると、落ち着いて軽いフックラインをど真ん中から沈めた。

「やっぱり遼さんも素晴らしいプレーをされていたし(プレーオフ)1ホール目の(石川の)バーディパットも入ったと思ったし、少しの差で勝負は決まっていたと思う。また遼さんも優勝するチャンスがあると思うので、また頑張ってほしいなと思います」

この日は首位との2打差を追ってスタートした。2番パー4で第2打が右の木に引っかかってロストボールになり、いきなりダブルボギーをたたいたが、あわてなかった。3番パー3で第1打をベタピンにつけてバーディを奪うと、ここから4ホール連続バーディとし、一気に流れを呼び戻した。

「出だしの2番で少しトラブルになっていいスタートじゃなかったんですけど、うまく気持ちを切り替えられて、3番からいいプレーもできた。また(8番で)ダブルボギーがあったあとも粘り強く、とくに14番からいいパーパットのセーブができたのが優勝につながったと思います」

米ツアーで「ひとつひとつ前に進んでいる感覚」

画像: 米ツアーでもまれ、心身ともにたくましさを身につけた金谷(撮影/岡沢裕行)

米ツアーでもまれ、心身ともにたくましさを身につけた金谷(撮影/岡沢裕行)

今季は米ツアーを主戦場にし、ここまでトップ10入りが2回。世界最高峰のツアーでもまれ、心身ともにたくましさを身につけたことも、今週の優勝の背景にある。

「PGAの選手と比べるとアイアンショットの精度がまだうまく打てないので、少しのミスが大きなミスになってしまう。そういったところは勉強中かなと思います。まだあと6試合アメリカであるので、よりよいプレーができるように(この優勝を)きっかけにできたらいいなと思います」

北海道での開催とあってか、優勝の副賞にはプロ野球日本ハムファイターズの始球式権があり、この優勝でそれも手にした。広島出身で広島カープファンとのことだが「(始球式に備えて)キャッチボールをしておきます。楽しみにしています」と笑顔で話した。

今後も米ツアーに軸足を置いて活動する考えは不動だ。

「去年の(米ツアー)予選会で資格が取れて、今年は実際ずっと予選を通らなかったけど、予選を通るというのがひとつのクリアだったと思うし、トップ10に入るっていうのもひとつのクリアだったと思うし、数字で見るよりはひとつひとつ前に進んでいる感覚は感じている。よりまた頑張り続けることでまたもうひとつステップを踏むことができるんじゃないかと思っています」

帰国してすぐの優勝は米ツアーで鍛えられた成長の証。金谷がさらなる高みを目指す。

米ツアーでトップ10に入った金谷拓実

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