
会見に臨む米国キャプテンのキーガン・ブラッドリー(左)と欧州キャプテンのルーク・ドナルド(右)(大会提供写真)
夢の舞台、ベスページ・ブラック
2012年以来のライダーカップ出場となるブラッドリーは、キャプテンとしてこの舞台に戻ってきたことに特別な思いを抱いていると語る。「18歳の少年としてニューヨークのセント・ジョンズ大学に進学し、(べスページの)レッドコースをホームコースとしてプレーしていた。ライダーカップのキャプテンとして戻ってくるというのは、想像をはるかに超える夢のようなことだ」と、地元ニューヨークでの開催に感無量といった表情を見せた。
一方、2度目のキャプテン就任となるドナルドも、「この3年半、キャプテンを2度務められたことは、私の人生で最もやりがいのあることの一つだった」と語った。ホームとアウェイの両方でキャプテンを務めるという異例の経験に感謝し、「ここ数年間、たくさん一緒に過ごしてきたチームであり、非常に信頼している」と、チームの結束に自信を覗かせた。
勝負の鍵を握るコースセッティング
コースセッティングについて問われると、ブラッドリーはキャプテンとしてコース設定に意見を反映できる特権があることを明かし、「分析データを見て、選手たちが最高のパフォーマンスを発揮する方法に合わせてコースをセットアップした」と語った。また、コースコンディションについては、「これまでで最高のコンディションだと思う」と絶賛し、コース管理スタッフへの感謝を述べた。
対するドナルドは、「予想外のことは特にない」とし、米国内での過去の開催と同様に、ラフが深くなく、グリーンが速いセッティングになると予測。「メジャーのようなセッティングにはなっていない」と述べ、バーディ合戦になることを予想した。
感情を解き放つライダーカップの魅力
ライダーカップ独特の雰囲気やチャントについて、両キャプテンはそれぞれの視点から魅力を語った。
ドナルドは、「ライダーカップを楽しくしているのは、その雰囲気とエネルギーだ。個人戦のトーナメントでは決して経験できない環境であり、選手たちはそれを歓迎する」と、チームとしての一体感を強調した。
ブラッドリーは、「ライダーカップについて僕が好きなのは、どのホールもトーナメントの最終ホールのようだ、ということ」と述べ、普段は感情を内に秘めている選手たちが、この舞台では感情を爆発させられることが魅力だと語った。また、欧州チームのチャントについて「非常にクリエイティブで楽しい」と称賛し、「僕はいつも欧州チームのチャントが好きだった」と、そのユーモアにも触れた。
キャプテンとしての責任と友情
キャプテン対キャプテンという関係性について、ブラッドリーは「ルーク・ドナルドと対決するのは、僕にとって大きな仕事だ」と、ドナルドへの深い尊敬の念を示した。しかし、「僕たちには僕たちのチームがある。僕のチームが何をしているかは心配していない」と、自チームへの集中を強調した。
ドナルドも同様に、「私はキーガンと、彼がキャリアで成し遂げてきたことに多くの敬意を抱いている」と語り、互いのキャリアと人間性を尊重していることを明かした。しかし、「私たちは二人とも非常に、非常に競争的であり、今週それが変わることはない。私たちは勝ちたいんだ」と、勝負に対する強い意志を示した。
また、2人はプライベートでも親交が深く、共通の友人も多い。ドナルドは「キーガンは、僕が応援してきた人だ」と語り、友情と尊敬があることを強調した。ブラッドリーも、「僕にとって、ゴルフ界でルーク・ドナルド以上に好きな人は多くない」と語る一方で、「一度競争が始まれば、勝ちたいと思っている」と、ライバルとしての一面も見せた。
チームを信じ、勝利を目指す
ブラッドリーは、自身が選手として出場する可能性について、「毎秒考えている」と本音を漏らしつつも、「僕はキャプテンというこの仕事をするために選ばれた」と、その役割に徹する決意を改めて示した。
ドナルドも、ローマでの勝利を経験したチームの結束力に自信を見せつつも、「アウェイでの米国戦は全く異なる挑戦だ」と気を引き締める。新しい戦略を導入し、チームを最高の状態に導くことを誓った。
「キャプテンになるのは簡単なことではない」と、お互いをねぎらう両キャプテン。しかし、その言葉の裏には、自らのチームを勝利に導くという強い責任感がにじみ出ていた。はたして、軍配はどちらに上がるのか。世界中のゴルフファンが固唾をのんで見守る。
▶両キャプテンの記者会見の全文を読む
▶【動画】まるでプレミアリーグのロッカールーム! モチベーションアップを大事にしたチームロッカーをルーク・ドナルドが案内【ライダーカップ公式YouTube】