多くのトッププロが軽量モデルのタイトリスト『GT1』ユーティリティを採用するのはなぜ? その理由を探るべく、前回はGT1を徹底検証した。今回は、その『GT1』とは全く異なるコンセプトを持つ『GT2』の全番手試打を行った。果たして『GT2』はどんなプレイヤーに合うのか?

みんなのゴルフダイジェストの「みんゴル試打班ガチギアトラック」は、プロゴルファーの癸生川喜弘と小島慶太による、“ガチ”がコンセプトのシリーズ試打企画。今回はタイトリストの『GT2』ユーティリティを徹底検証し、その特徴や適正なゴルファー像を探っていく。

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画像: ガチギアトラックでは、ツアープロが使用する『トラックマン4』と『GCクワッド』、ボールはタイトリストのインドア計測用『プロv1 RCT』を使用

ガチギアトラックでは、ツアープロが使用する『トラックマン4』と『GCクワッド』、ボールはタイトリストのインドア計測用『プロv1 RCT』を使用

プロも認める低スピン強弾道『GT2』

画像: 左から:18度/21度/24度

左から:18度/21度/24度

小島 今回は2番(18度)、3番(21度)、4番(24度)の3モデルを試打していきます。印象どうですか?

癸生川 見た目は『GT1』に比べて、少しシュッとした印象で、よりアスリートが好みそう。フェースが左に行かなそうな顔つきは相変わらずで、安心して振り抜ける。

小島 そうですね。あと、『GT1』よりも少しだけヘッドが重くなっています。この重さが、クラブスピードが速いゴルファーのパワーをしっかりと受け止めてくれるでしょう。軽快に振り抜く『GT1』とは異なり、しっかり叩いていけるモデルだというメッセージを感じます。

癸生川 なるほど。確かに、素振りした感触も『GT1』よりしっかりしているね。これなら、強い球を打ちにいっても、ヘッドが暴れる感じがなさそう。

小島 今回の試打も、前回同様にタイトリストのインドア計測用『PRO V1 RCT』を使用し、各モデルのセンターヒット時のデータを採用します。今回は『GT1』よりも速いヘッドスピードで試打を行いますが、その理由もデータで明らかになるはずです。

まず、18度の2番ユーティリティから試打を開始。ヘッドスピードを上げていくと、このクラブの持つ本当のポテンシャルが明らかになった。

ロフト別に試打!※ドライバー換算で44m/s前後(トラックマン4計測時)

画像: ロフト別トラックマン4の試打データ(オフセンターヒット検証はGCクワッド)

ロフト別トラックマン4の試打データ(オフセンターヒット検証はGCクワッド)

【GCクワッドで測定した打点位置】
▼18度打点
Hインパクト(左右のズレ)●1ミリヒール/Vインパクト(上下のズレ)●3ミリ下
▼21度打点
Hインパクト(左右のズレ)●3ミリヒール/Vインパクト(上下のズレ)●4ミリ下
▼24度打点
Hインパクト(左右のズレ)●1ミリトウ/Vインパクト(上下のズレ)●2ミリ下

癸生川 『GT1』と同じ感覚で打つと若干球が上がりにくいかな。特に18度はヘッドスピード41m/s(※ドライバー換算)じゃちょっと上がりきらなそう。グリーンで止まる球を打つには、もっと振らないとダメかもしれない。

小島 そうですね。このクラブは、かなりのヘッドスピードがないと、我々が理想とするグリーンで止めるための落下角度40度は確保できません。2番ユーティリティに関しては、ドライバー換算で44m/s以上は必要だと思います。

癸生川 見た目通り、『GT1』より操作性があって、強い球が出やすいね。フェース上部に当たるとスピン量が少なく、ライナー性の球が出るね。

小島 やはり前回試した『GT1』とは全く異なる球筋ですね。打ち出し角が低く、スピン量も3000rpm台と少ない。これは、球を低く強く打ち出すことを目的としたように思えます。硬いグリーンコンディションでボールを止めるには、クラブスピードが42m/s以上は必要でしょう。しかし、21度では43.3度、24度では43.9度と十分な落下角が確保できています。HS40m/s前後のゴルファーなら21度、24度をお勧めしたいですね。

このクラブは、ただ飛距離を出すだけでなく、風に負けない低い弾道でピンを攻めるための、いわば“強弾道”なユーティリティといえる。しかし、地面から打ってもしっかり機能させるには、かなりのヘッドスピードが求められるシビアなクラブでもある。

小島プロによる『GT2』シリーズ分析

たとえば、ユーティリティとアイアンをコンボで組み合わせるように、『GT1』と『GT2』を混ぜてセッティングする方もいるかもしれません。しかし、『GT1』と『GT2』ではヘッドの設計思想が根本的に異なります。『GT1』は軽量で高スピン、『GT2』は低スピン気味と、その特性は真逆。両方を同じ流れで使うと、番手間の距離や弾道に違和感が生じやすくなります。メーカーは、同じモデル内で番手を揃えることを想定しているはずです。

今回の試打を通じて見えてきたのは、タイトリストがこのGTシリーズに込めたメッセージです。『GT1』と『GT2』、『GT3』の各モデルは、それぞれターゲットとする層が明確に分かれており、安易に組み合わせてセッティングするべきではないということが見て取れます。

『GT2』シリーズにオススメな人は?

画像: 試打担当の癸生川喜弘(左)とデータ分析担当の小島慶太(右)

試打担当の癸生川喜弘(左)とデータ分析担当の小島慶太(右)

試打を重ねるうちに、このクラブの持つ特性と、それに合うプレーヤー像が見えてきた。

癸生川 18度や21度といったロフトが立ったユーティリティは、基本的に球を上げたくない、低い弾道で攻めたいゴルファーに向いています。ウッドだと上がりすぎてしまう、と感じる方には最適な選択肢だと思います。逆に、球を上げたい、グリーンでしっかり止めたいという方は、ロフトが寝ている『GT1』を選んだほうが良いですね。

小島 そうですね。『GT2』の2番(18度)の性能を活かせるのは、ドライバー換算のヘッドスピードが44m/s以上ある、ヘッドスピードが速めのゴルファーだと思います。また、3番(21度)、4番(24度)は、ドライバーのヘッドスピードが40m/s前後程度の方でも、十分な落下角度とスピン量を得ることができ、グリーンをしっかり捉えることができます。しかし、18度はやはりハードなので、ティーショット専用として割り切って使うのであれば、多くのゴルファーにとって選択肢になるでしょう。(編集部注:一般営業のグリーンであれば落下角度が30度あればグリーン内に収まる可能性はある。狙ったところに止める基準が40度)

みんなのゴルフダイジェスト「みんゴル試打班ガチギアトラック」では、『GT』シリーズのユーティリティメタルの全番手を検証をしている、次回は『GT3』のユーティリティメタルの3つのロフト角を検証しているので、10月3日(金)の20時をチェック!

データ分析担当:小島慶太

インドアゴルフスタジオ「ゴルフアッププラス」を主宰するトラックマンマスター。トーナメントプロ、ティーチングプロの資格を持つ。千葉県柏市のイオンタウン松ケ崎に9月12日グランドオープン。ゴルフアッププラスの使用ボールは全てツアーボールを採用し、各種スペックが揃った無料レンタルクラブも完備

試打担当:癸生川喜弘

大学卒業後にオーストラリアに単独でゴルフ修行、2006年に日本プロゴルフ協会のプロテストに合格。現在はシニアツアーに挑戦する傍ら、アマチュアへのレッスンをダブルイーグル恵比寿店(毎週月曜日・火曜日)、ヴィクトリアゴルフ六本木ヒルズ店で実施中

THANKS/ゴルフアッププラスイオンタウン柏松ヶ崎店

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