全国から問い合わせが殺到するという知る人ぞ知る人気ショップ「ゴルフステージ成城」のクラブナビゲーター吉田朋広氏が注目するギアを徹底検証・解説する企画。今回は8月28日に発売されたUSTマミヤ「ATTAS SPEED」を検証してもらった。果たしてどんなシャフトなのだろうか?

USTマミヤから最軽量モデルの新型シャフトが登場

8月28日にUSTマミヤから発売された最軽量モデル30グラム台シャフト「ATTAS SPEED」が登場しました。コンセプトは「羽のように軽やかに、速く」。

ATTASシリーズは国内外のプロやアマチュアゴルファーからも支持されているUSTマミヤのメインブランドです。特にアマチュアゴルファーに扱いやすいコンセプトのモデルが多くあり、他メーカーに比べ軽量シャフトの支持率も高いイメージです。

画像: 今回はUSTマミヤ「ATTAS SPEED」を検証

今回はUSTマミヤ「ATTAS SPEED」を検証

30グラム台の軽量モデルとしては「Magical ATTAS」がありますが、「ATTAS SPEED」はその後継モデルのポジションです。ラインナップはドライバー用、フェアウェイウッド用、ユーティリティ用、アイアン用があります。

フレックスはドライバー、フェアウェイ、ユーティリティにF1 、F2の2タイプ。アイアン用は1フレックスとなっています。ちなみに、フレックスの「F」は「羽」を意味する「Feather」の「F」で、シャフトの軽さとやわらかさを表現しています。

今回はドライバー用を検証していきたいと思います。

30グラム台シャフト「ATTAS SPEED」

まずは外観からチェックしてみましょう。シャフトカラーはBLACKを基調に(ATTAS SPEED)のロゴ部分にカッパーゴールドを採用したシックなシャフトカラーです。30グラム台のシャフトとしては重厚感のあるシャフトカラーを採用しています。

F1/36グラム、トルク7.9、中調子、振動数188 CPM
F2/39グラム、トルク7.7、中調子、振動数 196CPM
※テストクラブ「PING G440 MAX」ヘッド重量196.8グラム、45.75インチ

「PING G440 MAX」×「ATTAS SPEED(F1)」

ワッグルした際からシャフト先端部分が大きくしなる動きのシャフトです。実際のスウィングでも軟らかいフレックスらしくパワーを必要とせずにスムーズに切り返しできます。オートマチックなシャフトのしなりでスウィング中も先端部分の動きのイメージに変わりはなく、中間部分の下から先端部分のしなりは大きくインパクトでボールを包み込むようにしなります。

画像: テストクラブ「PING G440 MAX」ヘッド重量196.8グラム、45.75インチ

テストクラブ「PING G440 MAX」ヘッド重量196.8グラム、45.75インチ

しっかりとボールをとらえてくれボールは右に逃がさないイメージです。打ち出し角度は高さがしっかりと出るので楽に高弾道を打つことができます。しなりを感じるフレックスですのでシャフトを「鞭」のように使うことでスウィングスピード以上のパワーをしっかりとボールに伝えてくれます。

スウィングテンポはゆっくりめで振り抜くタイプの方に合いますのでパワーの落ちたシニアゴルファーやレディスゴルファーでも無理せずに大きなキャリーボールを打てるフレックスです。

「PING G440 MAX」×「ATTAS SPEED(F2)」

F1フレックスに比べてシャフト先端部分の動きは少なくなり、締まった印象になります。スウィング時の切り返しの間は取りやすく、シャフト中間部分に溜まったパワーが先端部分に効率良く伝わりインパクトエネルギーが増幅するイメージです。30グラム台のシャフトながらインパクトは重厚に感じます。

練習場での測定器でチェックすると打ち出し角度は15~16度くらいで安定しています。バックスピン量は少なめでボールの吹け上がり感がない、高打ち出しの低スピンの弾道です。

F2フレックスは本来のターゲットはスウィングスピード34~39m/sくらいだと思いますが、スウィングスピードをそれ以上に上げていってもスウィングとシャフトのしなりが同調してくる感覚があります。インパクトのタイミングが合わせやすく、本来のターゲットよりもスウィングスピードが速い方が打っても効率的なインパクトが実現できる非常に面白いフレックスでもあります。

画像: 「PING G440 MAX」×「ATTAS SPEED(F2)」

ヘッドの重量でのフィーリングの変化はあるのか?

続いて、軽量シャフトに軽量ヘッドをマッチングしたらどうなるのでしょうか。今回は「PING G440 MAX HL」でテストしてみたいと思います。クラブススペックは以下の通りです。

【PING G440 MAX HL】
F1シャフト振動数190CPM
F2シャフト振動数200CPM
※テストクラブ「PING G440 MAX」ヘッド重量190グラム、45.75インチ

「PING G440 MAX HL」×「ATTAS SPEED(F1)」

ヘッド重量が軽くなったことで振り感に明らかな差を感じます。シャフト挙動もスッキリとしたフィーリングに変化して振り抜きやすさがアップします。シャフト中間部分から先のしなりも穏やかでスウィングで振り抜けるイメージがアップします。

重心が深い設計のヘッドでも後ろ側が下がる感じがなく、フェースが上を向いて当たることがないので打ち出し角度もやや下がりますのでランが出やすくなるでしょう。F1フレックスは軽量のヘッドとのマッチングのほうがスウィングスピードが速くない方にはシャフトパフォーマンスを体感しやすいかもしれません。

「PING G440 MAX HL」×「ATTAS SPEED(F2)」

F2もヘッドが軽いマッチングはクラブのスウィングバランスが軽くなることで振り抜きのスピードがアップします。切り返しからスッキリとシャープに動き、インパクト後にもスピードが落ちることなくフィニッシュまで一気に振り抜ける爽快感があります。

ボールのつかまりは先端部分の動きがやや少なくなりドロー回転はやや少なくなる印象です。

打ち出し角度は平均で14~15度と少し下がり、弾道が鋭くなりボールが前に飛んで行くイメージになります。シャフトの動きはプレーヤーのスウィングに同調してくれるのでスウィングスピードに関係なく振り抜きやすさを感じられるでしょう。軽量ヘッドにF2フレックスのマッチングはヘッドスピードアップが大きなメリットとなります。それによるボールスピードアップを実現したい方に試して欲しいと思います。

ATTAS SPEED総評

ATTAS SPEEDはネーミングの通りスピード感のある振り心地が印象的なコンセプト通りのイメージのシャフトでした。

大きなパワーを必要とせずにスムーズにシャフトをしならせることができ、強い弾道を生み出すシャフト設計は30グラム台のシャフトが必要なプレイヤーにとって非常に魅力的なものとなるでしょう。シャフトの持つフィーリングはATTASらしさを感じられる「しっとり」としたフィーリングで特にATTASシリーズのユーザーには違和感なく使える仕上がりです。

中調子らしいクセのないシャフト挙動はヘッドポジションを感じやすく、インパクトイメージを作りやすいと思います。

ATTASのシリーズの30グラム台のシャフトとしては「Magical ATTAS」がありますが、「Magical ATTAS」は1フレックスのみの設定でした。後継モデルの「ATTAS SPEED」は需要が増えてきている30グラム台のシャフトに2フレックス用意することでより幅広いプレーヤーをカバーできるようになっています。

画像: ※30グラム台の場合

※30グラム台の場合

パワーの落ちたシニアプレーヤーだけでなく、180~200ヤードオーバーを狙うレディスゴルファーにとっても大きなメリットがあるでしょう。レディスゴルファーの中にはレディス用の標準シャフトでは物足りなさを感じている方も多くいますが、フィジカル面で40グラム台のシャフトだとやや重さを感じてしまう方が多いです。

30グラム台の「ATTAS SPEED」は2つのフレックスからスウィングパワーやスウィングテンポによってフレックス選びが可能となったことで理想的な弾道を実現しやすくなりました。シャフトカラーもレディスゴルファーのシャフトはライト系のカラーという今までのイメージを払拭したブラックを基調にしたものになっていますが、これも最近のレディスゴルファーの要望に応えたものとなっています。

これからマーケットでの需要が増えていく30グラム台の軽量シャフトですが、特にアマチュアゴルファーにパフォーマンスの出やすい「ATTAS SPEED」は注目されるシャフトの一つとなるでしょう。

是非試して欲しいと思います。

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