「長谷部祐とギア問答!」は、国内外大手3メーカーで、誰もが知る有名クラブの企画開発を20年超やってきたスペシャリストの長谷部祐氏に、クラブに関する疑問を投げかけ、今何が起こっているのか? その真相を根掘り葉掘り聞き出すものです。クラブ開発の裏側では、クラブ開発の裏側では、こんなことが考えられているようです……。

FW、UTは見ると、打つでは大違い。打って、試して、研究して……

GD 3番ウッドはだいたいのシリーズの頭にありますが、売れているんですか?

長谷部 売れてないと思いますよ。「販売の中心は5番ウッドだ」って話もそのメーカーさんがされていたのでそこは間違いないでしょう。おまけみたいな感じで3番ウッドがあって、ミニドライバーが出てきたとなると、3番ウッドをミニドライバーのように大きくするの? みたいな話もあるぐらいです。

GD もうちょっと7番ウッドに注力してよと?

長谷部 希望ですけどね。もうちょっと豊富なラインナップから選んでみたいですね。最近の自分の中の当たりというか、再発見だったのがプロギア『デュオヒット』(2003年モデル)を中古で買ってみたらめちゃめちゃいいんですよ。ちょっとショックを受けつつびっくりしたんですけどね。

GD 『デュオヒット』ってプロに人気があったクラブですね。

長谷部 一世を風靡したモデルなので好きな方も多いモデルですよね。そのポテンシャルが今でも通用するのかって思いました。ショートウッドに求められている機能って昔とはちょっと違うはずと思うんですけど、結果としては過去モデルの延長線上にあってそんなに変わらない気がしました。

GD ロフトは何度なんですか?

長谷部 21度ですね。構えた感じはプロシリーズなので、フェースもスクエアで非常に構えやすいし、船底型のラウンドソールとフラットクラウンで難しさを感じません。

GD 当時とすれば7番ウッドなんて全然見向きもされないクラブだった思うのですが、そういうところに眠っていたんですね。そうなるとフェアウェイウッドってそんなに進化していないってことですか?

長谷部 ぶっちゃけヘッド体積の小さいウッドは、昔も今も余剰重量の配分に難しい部分があって、ロフトに対する最適な重心高さはその当時にある程度できていたんだと思います。

GD 『デュオヒット』はもともと低重心設計で飛距離を求めたフェアウェイウッドでしたよね。

長谷部 当時としてはちょっと先を行き過ぎていたのかもしれないですけど、今の時代のスピン系ボールにはちょうどいいのかなと感じます。

GD あとここに良いシャフトがハマればいいわけですね。

長谷部 振りやすいシャフトを見つければエースとなる7番ウッドになるのかなって期待しちゃう感じですね。結局7番ウッドのヘッドが無いという話もそうなんですけど、「じゃあ一体自分に合うフェアウェイウッドのシャフトって何?」っていうところまで気になってしまうので、自分の中でその両方を一生懸命探してる感じですけどね。

GD ヘッドとシャフト、両方合わせるのは楽しみと言えば楽しみですけど大変な作業ですよね。

長谷部 もしかすると、こういう悩みの解決策となると、自分もこの業界の専門家としていながらどこでどうやって相談したらいいんだろうって思うくらいなので、シャフトメーカーさんに頼って、どんなシャフトがショートウッドに合うのかを徹底的に調べていくしかないのかもしれません。
 
一般のアマチュアなら尚更見つけにくい環境ですし、店頭に行ってもドライバーの試打が中心でショートウッドの試打クラブもそれほどないとすると、どうやって自分に合うものを探せるのか、結構大変だろうと思いますよね。

GD 今、『デュオヒット』の話がでましたけど、古いモデルでよさそうなモノってありますか? 私の経験で言うとミズノ「GXシリーズ」がシャローフェースのペンシルネックでフェースの向きも良く、良いクラブだなと思っています。中古市場でも1本5000円から8000円ぐらいで手に入るので、実験クラブとして良いかなと思ってやっているんですけど。

長谷部 古いっていうほど古くはないですけど、「キャロウェイ」のフェアウェイウッドの中では『ローグST』の形状はすごくまとまっているので選びやすいし、番手のバリエーションもあります。ただ7番となるとなぜか急にフックフェースが強くなって構えにくくなるので、ちょっとその辺は癖があると思います。
 
あとは『エピックスピード』、『エピックマックス』ですかね。2代目のエピックシリーズのフェアウェイウッドはどれも人気があったと思うんですけど、形もオーソドックスでカチャカチャじゃないので非常にネックまわりがシンプルです。シャフト交換は大変ですけど、クラウンにカーボンとの接着面の溝がないので見た目が綺麗なのもお勧めですし、形状的にも無難なので良いかと思います。

GD 「キャロウェイ」は元々フェアウェイウッド作りの得意なメーカーっていえるんですか?

長谷部 そうですね。スルーボア構造を採用したビックバーサ時代からウッドが得意なメーカーですね。『ローグ』も『エピック』どちらもカーボンクラウンなので重心は低くできていますし、共通点としていえるのはシャローフェース。
 
今の「ピン」はフェアウェイウッドもすごく人気で、理由としてシャローフェースがひとつあります。構えたときにやさしさが感じられるので、シャローフェースのものをお勧めしたいと思います。

GD そうなると「シャローフェース」がフェアウェイウッド探しのキーワードですね。

長谷部 飛距離を重視したディープフェース設計のタイプもがあります。「テーラーメイド」に多いんですけど、反発を良くしたいし、打球を強くしたい。バックグラウンドにPGAツアープロがいるからディープフェースが好まれるんですけど、アマチュアにとってはやっぱりシャローフェースのほうがいいと思うので、球の上がりやすいものを選んだほうがいいと思います。
 
そうなるとやっぱり「ピン」は安定していて、形状がコロコロ変わらないので、『G410』、『G400』もいまだに健在で、人気もあるので中古でも在庫数も豊富なので選びやすいんじゃないかなと思います。

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